70 悠斗の死(中編)
全てを話し終わった後、健太は凛太郎を再度怒鳴りつけた。
「お前よぉ~、悠斗が何に金使ってんのか知らねぇのかよ!あいつはなぁ、ほとんどの金を孤児院に寄付してんだよ」
「でも俺達の分け前まで寄付する必要ないだろ」
「誰のお陰で仕事があると思ってんだ。全て悠斗が頑張っているからだろ。こんだけ貰えれば十分だろ」
「健太よぉ、凛太郎だって不満はあるだろうよ。そんな頭ごなしに言うなよ」
「信行、お前まさか凛太郎の話に賛成なのか?悠斗を殺そうって思ってねぇだろうな」
かなり熱くなった健太だが、3人の中では一番優秀で、手練れでも察知出来ない程の僅かな気配に気付いた。
「そこにいるのは誰だ。姿をみせろ!」
「いやぁ~~~、バレちゃったぁ。しかし面白かったよぉ。まるでドラマでも見ていたみたいだったよ」
女は笑いながら話しかけてきた。
「てめぇ、誰だ!」
「セブンって呼んでいいよぉ。私はねぇ、凛太郎君の答えを聞きに来たんだよ」
「俺達はてめぇの仲間にはなんねぇよ。金持って消えろ」
「本当にぃ~?凛太郎は迷ってるみたいよ。あと信行くんだっけ?君も迷ってるよねぇ~」
「信行!」
その時、健太の腹に穴が空いた。
「君ぃ、ちょっと邪魔だよ」
健太は自分の腹を見ると、鞭の様な太い針が自分の腹を貫いていた。
そして吐血しながらもセブンに顔を向けると首の骨を折られた。
「はい終わり。で君たちはどうすんのかな?私に殺されるのと、5000万貰って仲間になるの、どっち?」
「お、俺は悠斗を殺す。そしてあんた達についていく。のぶ、お前はどうする?」
信行は健太の死体を一度見た。
「ああ、俺もだ。で俺達は何をすればいい」
「折角だからだからさぁ~、悠斗くん呼び出してこれ見せちゃおう。そしたら隙出来るでしょ」
「その隙に殺れと」
「正解!」
そしてセブンは部屋を回り始めて楽しそうに話した。
そしてその隙に信行は能力を使った。
信行の能力は収納、蓮も持っているがレアな能力である。
そこから銃を出し、後ろを向いているセブンに向ける。
バァーーーン
凛太郎は信行がセブンを撃ったのかと思ったら、倒れたのは信行だった。
「ザ~ンネン、ひょっとしたら健太くんなら気付いたかもねぇ。君は冷静に状況を把握していたのかもしれないけど、ふふふ」
また笑い出した。
「あはははは」
「くっ、何がおかしい」
信行が撃たれたのは銃を持っていた右肩だけだった。
そして起き上がると外の狙撃の死角に入る。
「だってさぁ、これでまた殺せるじゃん」
そういってニヤッと笑うと楽しそうに鞭を振るう。
その鞭は信行が死ぬまで止まる事はなかった。
「凛太郎くんにはこれをあげよう」
凛太郎は仲間2人の死体を見ながらセブンから薬を貰う。
もう後戻りは出来ないと感じた瞬間だった。
「これは?」
「トリプルエーだよ。これを飲めば一時的にレベルは上がるよ。とりあえず1日一粒にしておきな」
凛太郎は10粒程のAAAを受け取る。
「後はもっといいクスリあるんだけどぉ、それは今後の君の活躍次第だね」
「なんですか?そのクスリとは」
「簡単にいったら能力を進化させるってヤツよ。まだ改良余地はあるけどね。さっ、本命を殺ろうか」
そして悠斗の死が告げられる8時間前
夜中0時も回り、悠斗は休日なのに1人で職場で仕事をしていた。
「よし、これで終りだ。早く帰って寝ないと寝坊しそうだよ」
悠斗の住んでいる場所は職場から歩いて帰れるので、風呂に入っても5時間は寝れる。
すると凛太郎からの電話があった。
「凛、どうしたの?」
「大変なんだ!急いで来てほしい」
「何があった!」
「とりあえず来てくれ悠斗」
凛太郎は場所だけ伝えて電話を切った。
その慌ただしさに悠斗は急いでその場所に向かうと目の前には捕まっている凛太郎と倒れている健太と信行の姿があった。
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