64 彩水の過去
「私の家はね、結構名のある名家なのよ」
語り出した彩水の話に2人は真剣に聞いた。
「西園寺の長女として何不自由なく育ったの」
「彩水さんって、あの四大貴族なんですか~!」
「澪さんはご存知なんですか?」
「四大貴族ですよ!四大貴族!!今、日本が平和になったのはこの四大名家によるもので、詳しくはよく知りませんが裏のトップ4ですよ。噂では皇室よりも上だとか…」
そう、四大貴族は表上は単なる金持ちだが、裏では総理大臣よりも上、更には天皇の上に君臨しているという。
だがその事実を知っている者は少ない。
過去、四大貴族から国に命令を出した事は無く、もしも四大貴族が動いた時は国の一大事という事になる。
「そんな人がジムのトレーナーですか?」
そして彩水は幼少の頃の話をする。
「まあ簡単に言えば当時はLEVEL4でね、天才なんて言われて舞い上がっていた時期もあったの。そして中学生になった時、棗に出会ったの」
彩水は幼稚園、小学校、中学生と有名なお嬢様学校でなんの苦労も無く中学生になり、周りからはチヤホヤされながら育ってきた。
「あの時は衝撃だったわぁ~。棗はね、中学生受験でダントツのトップで入学してきたの。でもね、入学式の時、ものすごい格好で来たのよ」
フフッ
彩水は思い出し笑いをしながら話を続けた。
「ああ、あれが噂の不良っ人なのね。私はとても興味を持ち話しかけたわ」
「あの棗さんがお嬢様学校とは想像つきませんね」
「そうでしょ。でも新鮮だったの、私にとってはね。誰にも媚びること無く自分の思った通りに行動する。たぶん憧れてたのかしら私は」
「憧れ…ですか」
「そうよ。親に言われた通りに生きて、周りは私の言う通りにして、誰一人間違っている事を間違っていると言ってくれない。でも棗が初めて私に言った言葉はね」
「「言葉は~」」
「お前バカだろ!よ」
「それは棗さんらしいですね」
「フフ、でも怒るよりもこの人と友達になりたいって思ったの」
「何でですか?」
「みんなにとっては普通の事かもしれないけど、私にとっては本音で話してくれる初めての同級生だったのよ」
「だから今一緒に組んでいるんですね」
「そうでもないのよ。棗は高校入る時に引っ越しちゃってね、私が少し荒れていた時があったのよ。親にも見捨てられてね。そこで知り合ったのが蓮さんよ」
「へぇー、そうなんですか」
「だから私が最初に組んだのは蓮さん」
「えっ?美姫さんじゃなかったんですね」
「そうよ。最初のメンバーは蓮さんと私、それに九条響子さんって人と氷川真希さんよ」
「俺は会った事ありますが、凄いメンバーですね」
「その中で私と真希さんが一番年下でね、能力の相性が良くてよく組んでいたわ」
「その話をもっと聞かせて下さい」
「その話はまた今度ね」
「えーーーーー」
「だから私達は蓮さんによく体術や戦術などを教わって今の強さがあるのよ」
「彩水さんも蓮さんに教わったんですね」
「そうよ、だから私は先輩になるのかしらね、フフ」
彩水は楽しそうに話した。
「だからあなた達も強くなるわよ」
「彩水さんはそのあと棗さんと組んだんですよね。何でですか?」
「棗が心配でほっとけなかったのよ」
「わかりますぅ。棗さん強いけど、危なっかしいですよね」
澪は彩水の表情で察した。
「彩水さんって、蓮さんと付き合ってました?」
「フフ、どうでしょう」
少し寂しげな顔をしながら笑顔で答えた。
澪は気づいてしまった。
彩水が昔から今も蓮を想っている事を…
「話長くなっちゃったわね。さあ練習再開!」
澪はそれ以上話すこと無く練習をした。
ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!
ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。
これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。




