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レベル1  作者: ヨシハル
63/76

63 墓標と目標

 シックスとテン、この二人が死んでから1週間が過ぎようとしている。

 周りは何も無かったかのように平和な日々を過ごしているが、澪と陽翔はあれから蓮に体術を習い始めた。

 もちろん仕事が終わってからなので問題は無いが、澪と陽翔はいつも疲れた様子で出勤している。


 そして蓮は今、千葉のとある病院にいた。

 蓮は病室に入ると6人の男達がベッドで寝ていた。


「お邪魔しま~す」


 男達は一斉に蓮を見た。


武明たけあきくんっている?」


「ああ、俺だ」


「ここにいるみんなは仲間かな?」


「ああそうだ」


「だったら単刀直入に言おう。シックスは死んだ」


「会長が!バカな!!」


「君達はセブンにやられたのかい?」


「…そうだ。だったらなんだ」


「君達以外の仲間も全員死んだ」


「!!!」


「そしてシックスからの遺言だ。敵討ちなんて考えは棄てろ!お前達は夢を叶えてくれ。そして九州だ。そこに行けばわかるな武明、全てをお前に任せた…だそうだ」


 武明は少し考えた。

 そして遺言通りにする事を決意して残りの仲間に話した。


「礼を言う。聞きたい事がある。会長と仲間に墓はあるのか?」


「ああ、頼まれた場所に墓標を建てシックスもそこに眠っている」


「感謝する。いつか恩返しをしたい。名を教えてくれ」


「グレイ」


「あんたが…」


「恩を返したければ夢を叶えろ!それが恩返しになる。シックスもそう思っているだろう」


 そして蓮はその場を去っていった。


「お前達、ケガが治り次第九州に行く。付いてきてくれるか」


「ああ、もちろんだ」


「会長と俺達の夢、叶えようぜ!」


「おう!」


 生き残ったみんなはシックスと語った夢を追う道を選んだ。


   ★   ★   ★


 仕後楽園のジムでは仕事終わりの澪と陽翔が乱取りをしていた。


 お互いが各々思う。


 私が足を引っ張らなければ!


 俺に守るだけの力があれば!


 そして基礎を教わった2人は蓮に頼らずに鍛えていた。


「よっしゃあ!今日はあたしが相手してやるぜ」


「「お願いします」」


 棗はパワーファイター、2対1なら僅かに勝てる可能性がある。

 そう思った2人は棗のパワーを受け流しながら闘っていると、どんどんスピードが上がってきた。


「オラァ!オラオラァ~!」


「ちょっと陽翔くん」


「はい」


「棗さんのスピードとパワーが上がってきてない?」


「俺も捌くのがやっとです」


「まだまだぁ!まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだぁぁぁぁぁ!」


 手から炎が少しずつ出る。

 それに合わせてスピードと威力が上がる

 澪は間合いをとり、棗の能力や癖、そして基本動作の解析をする。 

 陽翔は能力で認識をずらした。


 棗の拳が空をきる。


「そんな小細工通用しねぇ~んだよ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ~」


 空ぶろうがお構い無しに殴り続けると、その拳が陽翔には無数の拳が同時に飛んで来るように見えた。

 まるで20人同時に殴られるかの様に拳を避ける隙間が無い。

 澪も解析したが、隙はあるのに立ち入る隙が無い。

 澪も陽翔と一緒に棗に対抗する。

 澪も陽翔も何とか数発の攻撃が当たる。

 しかし、ノーダメージ!何事も無かった様に棗の攻撃は2人に襲いかかる。


 そして1時間もしないうちに2人は既にボロボロだった。


「はい、休憩」


「彩水さん」


「おい、休憩早くねぇか?」


「棗も休憩しなさい」


「どう?少しは成果出たかしら」


「はっきり言ってわかりません。俺は元格闘家だから少しは自信あったんですが、まさか格闘家でも無い人にここまで一方的にやられるなんて思いもしませんでした」


「私も警察学校では男にも負けないぐらい強かったんですけど…どうやったら強くなれるんですか?」


「俺も知りたいです。彩水さんがここでは一番強い事はわかります。それぐらいはわかるぐらいには成長しました」


「そうねぇ…これはみんなには内緒よ」


「「はい」」


 そして彩水は2人に自分の過去について話しだした。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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