61 裏切りのナンバーズ(中編)
澪と陽翔の前には体格のいい男が仁王立ちして鞭を受け止めた。
「おいおい、裏切りか?シックスちゃんよ~」
「最初にうらぎったのは組織だろ!俺の仲間よくもやってくれたなあ!!」
「何の事でしょお?」
「わかってんだよ!てめぇとテンでやったことはな」
「クックッ、アハハハハ~~~。バレたぁぁぁ。でもさ~、もとはといえばアンタが仕事を断るからでしょ。文句を言われる筋合いはないよねぇ」
「て、てめぇ、それだけで俺の仲間を…」
シックスは走り近づき殴りかかるが、簡単に躱される。
「てめぇの拳が私に当たるかよバ~カ」
すると今度はシックスの体に鞭が当たるがしかし…
「それはこっちも同じだセブン。その程度ではかすり傷しか与えられんぞ」
シックスはひたすら鞭を喰らいながら前に進む、ようやく鞭を掴むのに成功した。
そしてその鞭を引っ張り、セブンに一撃を喰らわそうとする。
しかしセブンは鞭を離そうとしない。
そのまま引っ張られると、シックスのカウンターが襲いかかる。
ズドン!
ものすごい音が響き渡る
「アハハハハ、シックスぅ~、何か勘違いしていない?只でさえ私の愛荘が悪いのにさぁ、接近戦にさえなれば勝てると勘違いしてない?」
「ゴフッ」
あの強靭な肉体とタフさを持つシックスが何が起きたかわからずに吐血している。
その姿を笑いながら見下ろしているセブンは止めを指す。
持っていた鞭を伸ばすと鞭はそのまま真っ直ぐに固まる。
そしてそのまま腹に突き刺した。
「アハハハハ、痛い?ねぇ痛いでしょ」
刺した鞭をグリグリとかき混ぜると、今度はシックスの腹を何度も刺した。
シックスは声をあげること無く耐える。
しかし限界もある。
意識が薄れ行く中で最後に鞭を掴み、澪と陽翔に逃げるように声をあげた。
「早く逃げろぉ~~~~~」
その声に澪は陽翔を起こして何とか逃げようとする。
「逃がすと思う?」
シックスの腹を何度も何度も蹴り、ようやく離した鞭は元の固さに戻り、澪と陽翔に襲いかかった。
絶体絶命!
その時
セブンの手が止まる。
「「蓮さん!」」
「悪いけどうちの従業員を虐めるのはやめてくれないか」
全く気配もなくセブンの鞭を握る右手首を掴んだ。
ありえない!とばかりに一瞬驚きの表情を浮かべると、セブンはすぐに笑顔に戻した。
「ごめんごめん、君の後輩ですかぁ。でも私も彼等をこのまま帰すわけにはいかないんだよねぇ」
掴んだ右手首を軸に蓮を投げようとするが出来ない。
「!」
そのまま蓮とセブンの打撃戦が始まった。
見ている者には何がおきているのかがわからない。
しかし陽翔にとっては1つだけ分かる事がある。
格闘家として目指していたものがここあった。
過去の夢だがなかなか捨てられるものではない。
陽翔は一生懸命に目で追った。
たった3分間の出来事だが1時間位にも感じる程の闘いだった。
セブンの表情はすぐに歪み、後退りしながらも何とか蓮の攻撃を躱していたが、遂に倒される。
「くそがぁぁぁぁぁ!」
セブンは立ち上がり後ろへ飛ぶと鞭で澪を襲った。
それが始めて見せた隙だった。
普通の人にはわからない僅かな隙を蓮は見逃さない。
即座に重力でセブンを押し潰した。
「くそ!くそ!くそ~~~!」
セブンを押さえつけていると一台の車の音が聞こえてきた。
セブンは急いで能力でアスファルトを柔らかくしてしたの下水道に落ち、逃げていった。
セブンにとっては初めての屈辱だった。
「くそがぁぁぁ!次は負けねぇ!」
下水道を走りながら合流場所まで向かった。
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