57 未成年者の目的(前編)
あれから着々と仕事をこなしてきた澪と陽翔は、美姫の指導も受ける事もなくなった。
そして久々の裏の仕事が回ってきた。
ガチャ!
「蓮はいるかしら」
「あっ!久しぶりです葵さん」
「久しぶりね澪、元気でやってる?」
「はい!」
すると奥から美姫が出てきた。
「美姫さん久しぶりね」
「そうですね葵さん。どうぞ奥の部屋に」
「ありがとう」
「澪さん、蓮さん呼んできてくれる」
「はい」
そして葵と美姫は奥の応接室に入っていった。
★ ★ ★
2人が中に入っていった後、澪は蓮を呼びにいった。
「蓮さん」
「どうしたの澪ちゃん?」
「葵さんが来てますので応接室までお願いします」
「オーケーオーケー」
そんな感じでゆっくりと応接室に入っていった。
すると陽翔が物音を立てずに澪に近づいてきた。
「澪さん、さっきの人は誰ですか?」
応接室は防音なので聞こえる筈がないのに、何故か小声で陽翔は話しかけてきた。
「あぁ、葵さんは私の元上司なんです。私が特八にいた時の課長ですよ」
「特八って、警視庁特殊犯罪対策部第八課?そこってエリートじゃないですか!澪さんってそこを辞めてきたんですか?」
「あれ?話してなかったっけ?」
「刑事としか…でもそこの課長さんが何故ここに?」
「たぶん蓮さんに裏の仕事の依頼を頼みにきたと思いますよ」
「裏の仕事?」
「えっ?陽翔くんは裏の仕事知らなかったんですか!」
「はい」
「やばっ!棗さんを知っていたから…」
「そこまで言ったら教えてくれますよねぇ~」
澪は今まで蓮達の裏の仕事を手伝った事はない。
今まで自分踏み入れて蓮に出会った事から全て陽翔に教えてあげた。
「そんな事があったんですね」
「ところで陽翔くんは何で蓮さん達と知り合ったんですか?」
今度は陽翔が澪に経緯を話した。
今まで2人は今の仕事を覚えるのに必死で、お互いを知るいいきっかけになった。
★ ★ ★
「お待たせ」
蓮が応接室に入ってくると美姫がお茶をいれようと立ち上がると、葵は止めて美姫にも聞いてもらおうと席に着いてもらった。
「簡単に話すわね」
◆ ◆ ◆
依頼内容
まだメディアにも取り上げられていない誘拐事件で、未成年のグループ24人がとある国会議員の娘3人を監禁している。
身代金は一人に10億円、合計30億円で既に監禁から1日が経過している。
早急に人質を救出してほしい。
成功報酬1億5000万円
◆ ◆ ◆
「私達の調査では港区にある倉庫で3人は監禁されています。相手は未成年、何をするかわかりません。こちらからは迂闊に手を出す事は出来ませんので蓮の能力の影で潜入してもらい、こっそりと助けてもらいたい。勿論、犯人だけでなく私達警察にもバレないように」
「わかりました。蓮さんと私が夕方から行きます。警察の包囲について細かく教えてほしいのですが」
「わかったわ。それでは美姫さんには刑事として潜入してもらいますので、今から私と一緒に来てもらっても平気ですか?」
「それはいいですけど…平気なんですか?」
「その辺は上手くやります。蓮には単独で潜入してもらい、外にいる美姫さんと連絡を取り連携してちょうだい」
「オッケイ。俺は暗くなる位に現場に行くから着いたら美姫ちゃんに連絡するよ」
ある程度話も纏まり、時間が無いので葵は美姫を連れて急いで本庁に戻った。
その後、蓮も久々の仕事で色々と準備をする為に事務所を出た。
ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!
ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。
これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。




