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レベル1  作者: ヨシハル
56/76

56 フリージアの護衛(後編)

 蓮はスーパーから出てきた2人を見守った。

 スーパーから出てきた2人は陽翔が荷物を持ち、話ながら歩いて帰っていく。

 やがて近道なのか人通りの少ない道に入っていくと、陽翔の前にマスクを被った3人の男が立ちはだかった。


「なんだお前ら」


 陽翔は買い物袋を地面に置き構えた時、3人の男たちは武器を出し襲いかかってきた。

 陽翔にとっては武器を持っていても相手にならない。

 だが次の瞬間、陽翔の両肩に痛みが走った。

 3人の男が陽翔を鉄パイプで殴りかかり、終いにはスタンガンでトドメをさした。

 何とか気を失わずに最後の力を振り絞り、陽翔は蹴られながらも男2人の足を掴んで声を上げた。


「逃げろぉーーーーー!」


「で、でも」


「いいから早くしろ!」


 真希は急いで逃げようとすると、もう一人男が現れ挟まれた。


「キャーーーッ!助けてーーー!!」


  未来は口を塞がれ捕まった。


「うるさい!静かにしろ!!」


 後から来た男が弱めに調整したスタンガンで黙らせると未来は気を失った。


 その時、


 もう一人の男が気を失い倒れた。


「未来ちゃん、遅くなってごめんね。さて高村さん、昼間以来ですね」


「…」


「いくらフラれたからってみっともないですよ」


「う、うるさい!」


 高村はマスクを取った。


「お前に何がわかる!」


「わからないけど?」


 さすが天然トークの蓮、素直な意見をさらっと言うと、更に激情して聞いてもいない事も話し始めた。


「くっ!」


 高村は合図を送り、ニヤッと笑うが何も起きなかった。

 驚いた顔で何度も何度も合図を送るが何も起きない。


「ひょっとして狙撃の彼なら向こうで寝ているけど」


「ちょっ、ちょっと待て!この女がどうなってもいいのか?」


 すると蓮の影が高村の動きを封じると、後ろから男2人が蓮に襲いかかった。


「う、動けない!…お、お前達、早く助けてくれ」


 男達が鉄パイプとスタンガンで襲いかかってくるが、重力で吹き飛ばされて壁に張り付いて動かなくされた。

 蓮はゆっくりと近づいて未来を抱き寄せ助けた。

 そして陽翔がボロボロになりながらも助けにきた。

 すると未来は壁の所で座り気を失っていて、その周りには男達4人が倒れていた。

 陽翔は警察を呼び、男4人を連れていってもらった。

 気を失った未来をおぶるとゆっくりと家に向かい歩きだした。


「う、う~ん、あれ」


 未来は陽翔の背中で目を覚ました。


「安心して下さい。男達は警察に捕まりました」


「あなたが助けてくれたの」


 陽翔は首を横に振った。

 そして何も言わずに家まで送ると蓮に連絡を入れた。


「もしもし、ありがとうございます」


「なんの事?」


「とりあえず男達は警察に、そして広瀬さんは今無事に家まで送り届けました」


「お疲れ様、無事に解決だね。念の為、そのまま朝までよろしく」


「はい、わかりました」


 陽翔、そして澪にとって初めての護衛の仕事は終わった。

 陽翔にとっては失敗だったが強さだけでは足りないという事に改めて気付かせられた仕事だった。


 翌日のAフェスも大盛況で終わるも高村の逮捕は次の日のニュースで流れた。

 細かい事までは取り上げられなかったが、蓮だけが彼の記憶と思いを知っている。


 翌週、事務所には峯岸と未来がお礼にやってきた。

 依頼料については美姫が峯岸から受け取り、未来は陽翔と蓮にお礼を言った。

 薄れゆく意識の中で未来は蓮の姿を見たみたいだが、言葉には出さなかった。


   ★   ★   ★


 事務所に戻った峯岸と未来はメンバーの所に行った。


「ただいま~」


「未来!蓮は元気だった」


「私の事、蓮さん伝えてくれた?」


 未来は笑いながら


「真希と陽菜が好きになった理由、なんとなくわかったわ」


「ちょっとぉ、どういう事よ!」


「な~んでもないわ。さっ、仕事頑張らないとね」


 そういって未来は今まで見せた事のない表情で腕上げて声を出した。


 それ以来、フリージアに嫌がらせの手紙も悪戯も無くなった。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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