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レベル1  作者: ヨシハル
55/76

55 フリージアの護衛(中編)

 リハーサル会場に着くと、既に何組かがリハをしている。

 メンバーは時間まで控え室で休んでいる様に指示を出し、蓮は峯岸と会場に向かった。

 現場では他のアイドルグループがリハをしているのを、ステージの端で数人のマネージャーが見守っていた。


「おはようございます」


「おはようございます。峯岸さんは今からですか?」


「はい、この後リハに入ります」


「隣の人は?」


「紹介します。Aフェスの間、私の補佐をします、灰村です。」


「はじめまして灰村です」


「こちらこそ、はじめまして高村です」


 2人は握手をすると、峯岸は高村の紹介をする。


「灰村さん、高村さんは今リハーサルしているグループのマネージャーで、とても優秀な方なんですよ」


「そうなんですか~、勉強させてもらいますね」


「ははっ、峯岸さんも口が上手いですね」


 その後も何組かのマネージャーと挨拶した蓮は、フリージアのリハを見ていた。

 昼の間は美姫達3人には仮眠をとってもらい、蓮はフリージアを見守っていた。


 特に問題なくリハが終わろうとした時、ステージの照明が落ちてきた。


「「「キャーーーッ!!」」」


 もう駄目だと思った時には既に蓮はステージの真ん中に立っていた。

 真希一人でも余裕で防げたが、彼女の能力を周りに見せる訳にはいかないと真希の前で蓮は能力を使わせないように立ち、重力を変えて落ちてきた照明をゆっくりと地面に落とす。

 もちろん真希の勘違いが炸裂する。


「キャー!れぇーん!私を守る為にありがとう」


 後ろから真希が抱きついてきた。

 ムッと膨れた顔で隣には陽菜がいる。

 周りのメンバーは金持ちの蓮の姿だけでなく勇敢な姿を見て、更に好感度が上がった。

 蓮は隣で腰を抜かしている未来に手を伸ばし立ち上がらせた。


「大丈夫かい?」


「ふん、ありがとう。これぐらい平気よ!私達はプロですから」


 ちょっとツンデレが入っているのか?それでも意地を張っているのか?未来は再びポジションに戻りリハの続きの指示を出した。

 だが峯岸はステージに入り、リハを中止させると、一旦全員を控え室に戻した。


「灰村さん、ありがとうございました。お陰で助かりました」


 するとこの後控えていた各アイドルグループやマネージャー達も、蓮に駆け寄った。


 一人を除いて…


 まさにヒーロー扱いになった蓮は、各マネージャーから全てのリハが終わるまで残ってほしいと頼まれた。


「いいですよ」


 蓮は峯岸に護衛は美姫達に頼む様に伝える。


「峯岸さん、俺は残るのでこの後の護衛は3人に任せます」


「それは構いませんが…灰村さんが居てくれると私は安心なんですが…」


「じゃあ真希ちゃんには護衛無しで、陽菜ちゃんには澪ちゃんをつけて、未来ちゃんには陽翔をつけるね」


「あのぉ、相澤さんは?」


「俺の代わりにメンバー全員で」


 峯岸は少し考えた。


「わかりました。灰村さん、後はお願いします」


 そして蓮は残り、他は次の仕事まで一旦事務所に戻り、休んだ後は夜まで仕事に入った。


 その後は1日ステージで蓮が見守るが、特に事故は起きなかった。

 しかし周りのアイドルやマネージャーからは帰る前にみんなが蓮にお礼を言って帰っていった。

 蓮はちょっとした有名人になる。


 「さてと」


 蓮は美姫ではなく陽翔に連絡をとった。


「もしもし陽翔、今どこにいる」


「もしもし、社長ですか?今収録が終わって帰る所です。場所はお台場でこれから車で目黒の方へ向かいます」


「わかった。そのまま護衛を頼む」


「わかりました」


「あ、後さぁ~社長ってやめてほしいんですけど…」


「えっ?」


「陽葵ちゃんにも言ったけどさぁ、なんか君たち兄妹は真面目過ぎというか、もっと普通に呼んでいいよ」


「はぁ~、わかりました社長」


「………、じゃあまた後でね」


 ガチャ


 電話を切った蓮は目黒に先回りして、陽翔のGPSで行動を確認した。


   ★   ★   ★


「すいません、この辺で下ろしてもらえますか」


「はい、わかりました」


「未来さん、まだ家までは少し距離ありますよ」


「帰る前に買い物したいのよ」


「そうですか」


 陽翔と未来はタクシーから降りて歩いてスーパーに入っていった。

 スーパーに入ると未来は食材を買い物カゴに入れ、陽翔はカートで運ぶ。

 すると未来は陽翔に話しかけてきた。


「陽翔さん、質問いいかしら」


「はい」


「あなた、私と仕事をしたことあるわよね」


「なんの事ですか?」


「誤魔化してもダメよ。格闘家の陽翔さん」


「…過去の事は忘れました」


「まあ、私としては格闘家のボディーガードは安心出来ていいんだけど、何故こんな仕事をしているの?」


「まぁちょっと色々ありましてね」


「ふーん、言いたくないって訳ね」


 そして買い物を済ませて外に出ると、夜道をゆっくりと歩いて帰った。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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