54 フリージアの護衛(前編)
本番も無事に終わり、フリージアのメンバーも楽屋に戻った。
楽屋ではやはり収録の合間に話していた蓮と真希と陽菜の三角関係で盛り上っていた。
マネージャーの峯岸が明日のAフェスのリハーサルについて話をした後、解散した。
真希、陽菜、未来は一人暮らししているが、他のメンバーはみんな寮に入っている。
この事務所は基本給料制で、後は歩合になる。真希、陽菜、未来は色んな番組にも呼ばれたり、レギュラーもある。
だから給料は倍以上差があるから、メンバーは毎年センター争いに気合いを入れている。
「それでは相澤さん、朝比奈さん、山下さん、3人をよろしくお願いします」
「「「はい、わかりました」」」
「灰村さんは私と一緒にお願いします」
「了解!」
蓮と峯岸はメンバー15人を連れて寮に戻った。
寮に着くと峯岸は蓮に空き部屋に案内する。
「それでは灰村さん、狭いですがこの部屋を使って下さい」
「気にしなくていいよ」
「一応男子禁制の女子寮なので、くれぐれも気をつけて下さいね」
峯岸は蓮に任せて朝9時迎えに来る事だけを伝えてから帰っていった。
メンバー達が大浴場でお風呂に入っている間に蓮は出前で寿司を頼み、一杯やっていた。
コンビニで買っておいたツマミとビールに届いた特上寿司、蓮がまったり寛いでいると、風呂から上がった一人のメンバーが話しかけてきた。
「灰村さん」
「ん?どうかした」
「真希さんと陽菜さん、どちらと付き合っているんですか?」
「えっ?付き合ってないよ。カノジョいないし」
「えーーー!そうなんですかぁ」
そんな話をしていたら、他のメンバー数人が風呂上がりに会話に参加してきた。
「あーーーっ!ボディーガードがサボってるぅ」
「ほんとだ」
「それとも浮気?」
「サボってないよ。ちゃんと護衛してるからね」
「お酒飲みながら?しかもお寿司!いいなぁ~」
「食べていいよ」
「ホント!じゃあ、いただきま~す」
みんながお寿司をつまむ。
「「「おいしぃ~~~」」」
「灰村さんは金持ち何ですか?」
「何で?」
「だって、出前で簡単にお寿司頼んでいるし」
「月収は?」
「探偵なんて給料少ないよ」
「教えて!教えて!」
「う~ん、今月は約8かな」
「な~んだ80万かぁ~。もっと貰っているのかと思ったよぉ」
「800億だけど?」
「「「800億ーーーーー!」」」
「いくら私達でもそんな冗談は引っかかりませんよ」
「今月はたまたまだけどね。普段は1億位だよ」
「えっ?」
「またまたぁ~」
「じゃあ普段はいくら持ち歩いているんですか?」
周りのメンバー達が嘘だと思い話を続けていると、蓮は異空間収録から床に大量の札束を出した。
「30億位かな?」
その姿に女の子達は悲鳴に似た声を上げる。
「「「どうしたの!」」」
部屋に戻っていた他のメンバー達が一斉に食堂に集まり出した。
しかし、来る度にみんなが腰を抜かしている。
久々に蓮の天然が炸裂した瞬間である。
その晩、15人全ての女の子達から質問攻めにあった。
若干アピール気味の蓮も困っていた。
朝、メンバーはみんな寝不足で朝食を食べる。
すると峯岸が迎えにきた。
「おはようございます」
「「「おはようございます」」」
「おはよー」
「灰村さん、何か変わった事はありましたか?」
「特にないから心配しないでいいよ」
周りを見ると、峯岸はメンバーが寝不足なのにいち早く気付いたが、聞くと疲れそうなのであえてスルーした。
そしてみんなをバスに乗せてリハーサル会場へと向かった。
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