53 久々のボディガード依頼(後編)
事務所に戻り、しばらくすると依頼人がやってきた。
依頼人は峯岸遥だった。
「お久しぶりです、相澤さん。今日は灰村さんはいないのですか?」
「いますけど、呼んで来ますか?」
「後で挨拶するので大丈夫です」
峯岸の前には美姫と一緒に澪と陽翔も座り、依頼内容を聞いた。
どうやら真希の所属しているアイドルグループのフリージアは、その名の通りに花言葉、純潔をモチーフとしたグループで18人で構成している。一人一人が色々なカラーを持ち、センターには真希がいる。
そして準センター、真希の両サイドには成瀬陽菜ともう一人いる。
どうやらその3人のボディーガードらしい。
もちろんフリージア全員を頼みたいのだが、そこまでの人数を一人一人ボディーガードをつけられないので、特に狙われていると思われる3人を選んだ。
そこで真希には澪を、陽菜には陽翔をそしてもう一人の広瀬未来には美姫が護衛する事になった。
もちろん蓮がいないと上手くはいかないので、マネージャーとしてフリージアのメンバー全員をみてもらうつもりである。
「というやり方でどうでしょう?」
「分かりました。もちろん問題ありませんが、灰村さんはこの場にいませんが勝手に決めて平気ですか?」
「大丈夫です。たまには働いてもらわないと」
「という訳で澪さん、蓮さんを呼んできてくれますか」
「あっ、はい。分かりました」
澪は蓮を呼びにいって、美姫は蓮に峯岸のサブマネージャーとして働き、フリージア全員を守る様に伝えた。
「やぁ、久しぶり。遥ちゃんは元気してたぁ」
「久しぶりです。灰村さん」
「もう美姫ちゃんは人使い荒いんだからぁ!でも久々にボディーガードの依頼だね」
「そうなんですか?」
「そうなんだよ。もう不倫調査ばっかりで飽きちゃうよねぇ」
「探偵の仕事も大変そうですよねぇ。それじゃあ灰村も依頼を受けてくれるんですか?」
「もちろんだよ。遥ちゃんの依頼だからね」
話は纏まった。
ボディーガードは今日の夜から、2日後にあるアイドルの音楽フェス、Aフェスが開催される。
この日に向けて厳重ガードをする。
蓮は支度を整えて夕方に某テレビ局に向かった。
峯岸に連れられてテレビ局に着くと、早速フリージアの控え室に向かう。
峯岸が先に入り、順番に紹介する事にした。
「はい、みんなぁ!話を聞いてくれるかな。本番前に紹介したい人がいます」
するとメンバー達はざわついた。
「まずは、しばらくの間、私の他にもサブとしてマネージャーをしてくれます灰村蓮さんです」
蓮が中に入ると真希と陽菜がテンション上げて近づいてきた。
「きゃーーーっ!れぇーーーん!」
「蓮さぁーーーん」
「はい、真希と陽菜!灰村さんにだきつくのはやめて、すぐに離れて下さい」
なかなか離れようとしないのでそのままボディーガード3人を紹介した。
「はい、続いてボディーガードを紹介します」
美姫たちが中に入ってきた。
美姫は蓮から真希と陽菜を剥がす様に離れさせた。
「まずは相澤さんです。隣にいる人が朝比奈さん、そして山下さんです。3人は全員をガードしますが、朝比奈さんは真希に、山下さんは陽菜に、そして相澤さんは未来に付いてもらいます。それでは皆さん、本番頑張って行きましょう」
「「「「「はい!」」」」」
若干2名文句ありそうな感じで本番に向かった。
★ ★ ★
本番に入り、テープの回っていない所で蓮の話題で持ちきりになる。
「ねぇ、真希。灰村さんとどんな関係」
「あれよね!週刊誌に撮られた」
「えっ!そうなの」
「もうみんなやめてよ。蓮は私の将来の旦那さんです!」
「「「キャー!マジィ!」」」
「ちょっと待ったぁ~~~!何いってる!付き合ってもいないのに妄想は止めてください」
「えっ、どういうよ陽菜?」
「蓮さんに彼女はいません!だから私にもチャンスはあるんですよ」
「えっなに!修羅場?」
「何その面白そうな三角関係は」
「はい!本番始まりま~す」
「「「「「はぁ~~~い」」」」」
一気に盛り上がり、フリージア以外の出演者やスタッフも聞き耳たてていたが、テープチェンジも終わりプロデューサーの一声で本番が始まった。
◆ ◆ ◆
名前 広瀬 未来 (なるせ みらい)
真希と同じ人気アイドルグループの一人である。
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