52 久々のボディガード依頼(前編)
あれから約1ヶ月が過ぎた。
澪と陽翔は不倫調査やストーカー被害の依頼を数件こなして、ようやく美姫から合格サインが出た。
何事もなく平和な日が続いた。
隣には近々飲食店が出来るらしく、工事をしている。
蓮が買おうか迷っていた土地だ。
今思えば、買っておけばよかったと後悔をしているが、少し何の飲食店が出来るか楽しみな所もある。
そしていつも通りに昼食を済ませて新しく作った社長室で蓮は寛いでいると陽翔が入ってきた。
トントン…
「社長!そろそろ組み手をお願いします」
「えっ?今日?」
「はい!」
どうやら珍しくボディガードの依頼を受けたみたいだ。
今日の夕方6時に依頼人は事務所に来るらしい。
「まぁ、いいけど」
せっかくなので澪も連れていく事にした蓮は、美姫に留守番を頼んだ。
「美姫ちゃん、1人で大丈夫?」
「はい、大丈夫ですよ。澪と陽翔が来る前はいつも1人のようなものでしたから!」
何か少し怒っているような…
そして蓮は2人を連れて後楽園へと向かった。
後楽園に着くとしばらく歩いた。
「社長、どこに行くんですか?」
「もうすぐ着くよ。ほら、あそこ」
「蓮さん、あれスポーツジムですよねぇ」
「そ!そこの地下に練習場があるから」
「えっ?ジムにですか」
「まぁ、とりあえず陽翔も澪ちゃんもついてきてよ」
ジムの中に入ると彩水が出迎えてくれた。
「蓮さん、お待ちしてました」
「やぁ彩水ちゃん、今日も棗はいないの?」
「はい、また勝手に修行とか言って、どっかに行ってしまいました」
「そっかぁ、風花ちゃんは?」
「蓮さんが来ることを教えていません。知るとあの娘はサボるから」
「ふ~ん、あっ彼が陽翔で彼女が澪、探偵事務所の新しい仲間にだよ」
「陽翔さん、澪さん、初めまして、西園寺彩水です」
「は、初めまして澪です」
「陽翔です。よろしくお願いします」
そして彩水は棗が普段使っている地下の練習場まで案内する。
「陽翔くん、彩水さんてとてもおしとやかで綺麗な人ね」
「はい、何か大和撫子ってこんな感じなんですかね」
後ろでヒソヒソと二人が話していると、練習場に着いた。
早速、彩水審判をしてくれるという事なので、試しに試合をしてみる。
蓮たちは更衣室を借りて着替えてきた。
最初の対戦は蓮と澪だ。
「澪ちゃん、よろしくね」
「はい!蓮さん、本気でいきますね」
「いいよ、能力も使っていいから」
澪はどんどん攻撃するが、全く当たらない。
軽く躱され、気付くと倒されている。
「いった~~~い、もう、どうなってるんですか?」
陽翔は思った。
まるで優勝した真田昴のようだと!
それを見た陽翔は全く勝てる気がしなくなった。
そして続いて陽翔が戦う。
もちろん、能力も使った。
しかし結果は澪と一緒で手も足も出なかった。
二人は練習場の端で疲れ倒れていると彩水がスポーツドリンクを持ってきてみんなに渡した。
「陽翔さん、澪さん、よかったら飲んで下さい」
「「ありがとうございます!」」
「あのぉ、彩水さんは蓮さんとどういう知り合いなんですか?」
「そうねぇ、探偵事務所の、蓮さんの最初のパートナーかしら」
笑顔でさらっと爆弾発言が飛び出た。
思わず澪は彩水にいろいろ聞いて話し込んでしまった。
その間、陽翔は蓮とひたすら訓練、まさか今まで格闘技をしていてここまで無力とは全く思わなかった陽翔は少し恥ずかしくなった。
よく困難であんな闇試合に出たと…
あっという間に夕方5時になった。
「彩水ちゃん、今日はつきあってくれてありがとう」
「「ありがとうございます!」」
「また遊びに来て下さいね」
そして事務所の戻り、依頼人と会う準備をした。
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