49 引っ越し
蓮は陽翔と陽葵を連れ、池袋の自分の自宅兼事務所に戻った。
事務所に戻ると既に美姫と澪は事務所を掃除していた。
「ただいま~」
仕事を1日休んで呑気に帰ってきた蓮は美姫の説教を喰らうが、すぐに一緒にいる山下兄妹を見た美姫から質問をされる。
「彼らは」
「そうだね、まずは山下陽翔くんは明日からこの事務所で働いてもらうから………澪ちゃん」
「はい!」
「紹介します。明日から澪ちゃんの下で働いてもらう陽翔くんです。陽翔くん、2人に挨拶して」
「はい!山下陽翔です。よろしくお願いします」
「よろしく」
「よろしくお願いします」
「で、彼女は山下陽葵ちゃんで、俺の専属のメイドです」
「「専属メイドォ~~~」」
「ということでぇ~今日は彼等の引っ越しですので、2人とも手伝ってね」
現在、蓮の事務所の間取りは、1階は駐車場、2階は事務所、3階は空き部屋で3LDKの部屋が2部屋あり、4階が蓮の部屋で、5階は屋上でちょっとしたバーベキュー等が出来る様になっている。
実は3階の一室は蓮の趣味部屋になっていて、使えるのは残り1部屋、本来なら2人ともその部屋で住んでもらうのだが、あえて妹は蓮の部屋に住んでもらう事になっている。
もちろん陽葵の希望だ。
彼女は兄の今後も考えて、一緒に住むと色々気を使わせてしまうからという事である。
もちろん兄の陽翔はそんな事はないと言ったが、陽葵の考えた事に反対はしなかった。
しかし!
美姫と澪に反対された。
「蓮!もう1部屋空いてるでしょ!そこに住ませなさいよ」
「そうです!不潔です!」
「大体、その1部屋は今何に使っているの!」
そう言っている美姫は理解していた。
そう!趣味部屋である。
多数の漫画やフィギュアなどが飾られていて、漫画喫茶のように快適な空間を作っている。
ああだこうだ美姫と澪に言われていると、陽葵が自ら望んだ事を話した。
「すいません、私から言い出しました」
「「えっ?」」
「やはり専属メイドとして、すぐに対応出来る様に望みました」
「あなた…えーと、陽葵さんはそれで本当にいいの?」
「はい」
陽葵は今までの自分の甘さを反省した決断だった。
もちろん美姫も澪も理由は知らない。
自分の人生全てを買われた訳だから当たり前である。
むしろ幸せすぎる位だ。
「あなたが良いのなら私は何も言わないわ」
「そ、そうですね。………羨ましい」
澪の本音が漏れる。
「ま、まぁそう言うわけだから…これから荷物を取りに行くから、3階の部屋の掃除よろしくね」
「わかったわ」
蓮は山下兄妹を連れて住んでいた所に案内してもらった。
彼等の住んでいた所は差ほど遠くなかったので、タクシーで行きたどり着くと早速中に入る。
2人には最低限の必要な物や大切な物を用意してもらった。
しばらくすると前もって頼んでいた業者が来る。
用意した最低限の荷物は蓮が異空間収納に収め、残りは業者に引き取ってもらった。
不動産にも連絡を入れ、午前中には一通り片付く事が出来た。
池袋の事務所に戻ると異空間収納から荷物を出す。
持ってきた荷物は衣類や食器、後は自分の大事にしている物だけだった。
幸いにも3階の部屋には使っていないタンスや洗濯機はあるが、冷蔵庫だけ無かったので買いに行くことにした。
陽翔の買い物には美姫が付き添い、冷蔵庫だけでなく、美姫が見て足りないものやスーツ等も買いにいくように頼んだ。
陽葵は蓮の部屋の1室を見る。
そこは誰か泊まった時の部屋なので一通り揃っている。
陽葵には蓮の部屋を全てみてもらった。
あまりにも綺麗で素敵な部屋に陽葵は驚いている。
もちろん自分の部屋も広く、綺麗でビックリしている。
「この部屋で平気か?」
「は、はい!素晴らしい部屋をありがとうございます」
その後、3階の趣味部屋も見せてもらった陽葵は別の意味でビックリした。
4階の部屋と雰囲気が全く違った。
「後は仕事着かぁ~、これから一緒に買い物に行くけど、他に必要な物はない?遠慮しないで言ってくれ」
「はい!」
2人も買い物に行った。
澪一人残して…
陽も落ち、仕事も無く無事に1日が終わると5人で食事に行くことになった。
今日は近場の店に予約を取る。
目的は歓迎会込みの新人親睦会で、澪は早くも自分に部下が出来て嬉しそうだ。
「と言う事で、今後は探偵事務所は基本美姫ちゃんにお任せします」
パチパチパチ…
美姫の出世にみんなが祝福するが、美姫は苦笑いだった。
そう!美姫は分かっていた。
従業員を雇い、蓮は単にサボりたいだということに…
蓮は企んでいた。
あと2~3人いれば、毎日アキバに行けると!
企む蓮
それに気づく美姫
部下が出来て喜ぶ澪
何も知らずに緊張している二人
こうして親睦会は終わり、美姫と澪は帰り、蓮は2人を連れて帰った。
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