47 化物
彼女が出ていった後、みんなが蓮に駆け寄る。
「どういう事?蓮」
「そうよ!彼女ナンバーズなの」
「彼女はただの案内人ではなくなったんですか?」
「まぁ気にしないで。勘だよ、勘」
「あんたはそうやっていつも何も言わないんだから」
3人はいつもの事と蓮に訊ねるのを早々と諦めると何も知らない陽翔が蓮に訊ねた。
「どういう事ですか?ナンバーズとは?」
「そうだね、君達も知っておいた方がいいかもね。でも話は帰ってからだ」
もちろん蓮は気付いていた。
会話だけでなく他にも調べられている事を、そして響子も薄々感じていた。
やがて案内人の彼女が戻ると外に案内される。
外にはまたシックスの船があり、蓮は船に乗り込むとまた数時間かけて東京に戻る。
船の中ではみんなが疲れ眠っていたが、蓮と響子だけが何かあってもいいように上手く仮眠していた。
何事もなく東京に着いた。
既に外は明るくなっていた。
蓮は山下兄妹を連れ、他3人は別々に帰っていった。
★ ★ ★
「スリー、彼らは今帰っていったよ。あの男はヤバイね。隙もなければ、惚けたふりして的確な観察力、それで強さはどうなんだい?」
するとスリーの横にいる男が代わりに話し出した。
「私の能力で見た所、ブラッドが68、ラストが78、ノーブルが80、そしてグレイは測定不能でした」
スリーは驚く。
「スリー、驚いてないで説明してくれない」
「彼、松下君の能力は強さの測定、能力や肉体、技能などの細かい測定は出来ないが、総合での強さを数値に出来ます。あくまで参考程度ですがね」
松下武は測定した数値について説明した。
「俺の今まで見てきた数値を参考に説明すると、肉体の強さは1~25、技能で1~25、能力はレベル1で1~10、レベル2で1~15、レベル3で1~25、レベル4で1~35、レベル5はそれ以上になります。だから50を越えた時点で強さは最強クラスですね。ちなみに今日のトーナメントの平均強さが55です」
「へぇー、じゃあ少年。私の強さはどれくらいなのかな?」
「少年じゃぁありません。セブン、あなたの強さは78です」
「なんだよ、ラストと同じかよ」
「もっと誇っていいと思います。能力無しで今まで世界チャンピオンと呼ばれていた人の強さが大体40位でしたから」
「で、何でスリーは驚いているんだい?」
「彼が測れる数値は100まで、グレイの強さは100を越えているか、それとも不確定要素の何かがあるのか?ともかく化物って事にはかわりないですね」
「ふ~ん、化物ねぇ~」
「あなたの慕っているノーネーム最強のナンバーワン、彼女の強さが88ですよ」
「姉さんで88!あの強さで」
「まぁ数字が全てではありませんが、目安にはなりますよ」
「化物と言えばスリー、今回のチャンピオン真田昴の強さが84でした。一人だけ桁外れの強さですね。前回チャンピオンの桐生大和ですら75ですから、ちなみにガブリエル・デュランで76、武田直人いやナンバーテンの強さが78ですね」
「と言う訳でセブン、グレイに手を出したらダメですよ」
「な、何で?そんな化物に手ぇ出す筈ないじゃん」
「だからいっているんですよ!血の気が多く、興味津々なあなたはすぐに手を出しそうですからね」
「分かったわよ!!」
「その代わりに時期が来たらブラッドの始末を頼みます。彼等は野放しには出来ませんからね」
「ふっ、それは楽しみね」
「後は何とか真田昴君をナンバーズに入れたいですねぇ~。ちょうどフォーの空きがありますしね」
「彼女はどうでしょう?」
「彼女とは?」
「たまたまワン・ホンファの強さを調べたら82もあった」
「それは興味深い!では私自ら行くと…」
既にナンバーセブンはいなくなっていた。
「本当に彼女は…しかし強さは彼女の方が下、どうするんですかね」
★ ★ ★
ホンファはケガしているジュンシーを連れ、島を離れようとしていた。
「あんたには失望したよ。さっさと帰るよ」
「こ、こんな筈じゃあなかったんだ」
「早く来るんだよ!」
「せめてケガが治るまで待ってくれ」
「いくら使ったと思ってるんだい!1億3000万円よ。あんたの為にね」
「そんなのちょっと殺しの依頼を受ければすぐに返せる」
「あの試合を見せた後によくもまぁ…」
ホンファは気配に気づいて振り向いた。
そこにはセブンが立っている。
「大変だねぇ~、弟の子守りも」
「てめえ、俺をバカにしてんのかぁ!」
ジュンシーは傷も癒えていない状態でセブンに突っ込んでいく。
すると目だけセブンの動きを追うとあっという間に見失った。
ジュンシーがセブンを目にした時には右横腹に蹴りが入り、悶え苦しむ。
そしてセブンは鞭を出した。
その鞭は特殊で触れればヤスリで削られる様な傷ができ、ちょっとした細い木なら簡単に切り裂いて折る。
セブンはその鞭をオモチャのように扱い、楽しみ笑っている。
「さて本題です。ホンファさん、私達の仲間になりませんか」
ホンファは即答で断った。
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