45 準決勝、第2試合
続いて準決勝、第2試合の準備が進められていく。
試合を見ていたガブリエル・デュランと真田昴は負けた大和を静かに見送る。
ガブリエルにとっても、昴にとっても、勝った直也は能力の相性が悪い。
遠距離攻撃が出来る能力であれば問題ないが、ガブリエルの能力、空気は他の者なら空気弾として遠距離攻撃が出来る者もいるが、ガブリエルは近距離に特化していて遠距離攻撃は出来ない。
そして昴のドッペルゲンガーも細かい操作の極める為に射程距離が短い。その為、昴と接近戦をするとほとんど昴2人を相手にするのと一緒になる。遠距離型のドッペルゲンガーなら本来の自分の力の半分も出ないので切り捨てたのだろう。
結果2人とも、闘技場という狭い所で直也と闘うのは大きなハンデとなる。
特にガブリエルは自分の勝利を信じ、決勝の闘いのイメージトレーニングに入っていた。
それが後悔の始まりとも知らずに…
★ ★ ★
「蓮さん!1番人気負けちゃいましたよ!」
「相性の悪さが原因だね」
「じゃあ、大和は勝つことは最初から出来なかったんですか?」
「そんなこと無いよ。大和は今まで負けたことがない自信が仇となったね。最初から能力を知らなければ難しいが前の試合を見ていれば対策はいくらでもあったと思うよ」
「そうなんですか?蓮さんならどう闘いますか?」
「何個かあるけど…実際に試さないと分からないかな」
「でも確実なやり方もあるんですよね」
すると蓮は笑って誤魔化した。
★ ★ ★
既に闘技場入口で大和を見送ったガブリエルと昴は闘いの準備は終わっていた。
二人は並んで闘技場に入っていく。
歓声がわく。
もちろん、1番人気が負けたことで一気にカブリエルの期待が高まったからである。
そして二人は闘技場中央で向き合った。
「悪いがさっさと終わられてもらう」
今回のガブリエルは余裕を見せていない。
前の試合を見てから決勝に備えて、昴を相手に体を作るつもりみたいだ。
たぶん決勝は短期決戦になると見込んでいるのだろう。
「さぁ、試合を始めてくれ」
カブリエルがレフェリーを煽る。
そして試合が始まると一気にカブリエルは前に出て、空気を纏った掌で昴の頭部を破壊しようとした。
しかしその瞬間、昴はガブリエルの目の前にはいない。
昴はガブリエルの背中に手を当てて、一気に衝撃を放つとガブリエルの内部を破壊する。
どんなに能力で表面を防御しようが、どんなに体を鍛え筋肉の鎧を手に入れようが、内臓を鍛える事は難しい。
もちろん出来ないわけではないが、ガブリエルは内臓を鍛えるという事はしていない。
昴の掌打を喰らい、カブリエルは吐血する。
だが、ガブリエルも最強と言われた男、そう簡単には倒れない。
振り向き様にバックブローが空を切る。
そのまま昴は懐に入って、また掌打を繰り出し、同じ所に放つ。
ガブリエルが崩れる。
しかし、最後の意地だろう。
ガブリエルは昴を羽交い締めにすると、そのまま床に叩きつけようとする。
だがカブリエルの動きが止まった。
今度は口だけでなく目、鼻、耳と血が吹き出て床に倒れた。
そして昴の決戦進出が決まった。
昴は一切のケガを負わずに闘技場を後にした。
観客席からは歓声がない。
みんな口を開けて呆然としている。
結果、五十嵐直也と真田昴が決勝で闘う事になる。
どちらが勝ってもかなりの倍率になる。
立ち上がる事も出来ないガブリエル・デュランはそのまま担架で運ばれた。
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