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レベル1  作者: ヨシハル
44/76

44 準決勝、第1試合

 まずはワインで乾杯すると前菜が運ばれてくる。

 そして次々来る料理に陽翔と陽葵は夢を見るかのように楽しんでいた。

 そしてこの後に行われる準決勝の話となった。


「そういえば蓮さん、最終的にオッズってどうなったんですか?」


 4人のオッズは


 8番人気の五十嵐直也は28.6倍、1番人気の桐生大和は最終的に少し上がり1.9倍、2番人気のガブリエル・デュランは2.1倍、そして蓮たちが賭けた真田昴は84.5倍だった。

 どうやら人気トップ3に偏り、4番人気以降はそこそこの倍率が付いた。


「どうします!もし真田が勝ったら僕たちに84億5000万円が入りますよ」


 悠斗一人が興奮していて響子も棗も平常心だった。


「響子さん!84億です!」


「悠斗、何を興奮しているんだい?そんな事を言ったら蓮は845億入るんだよ!」


「は、は、はっぴゃく!!」


 後ろのテーブルで食事している陽翔と陽葵は次元の違いについていけてない。


「蓮さん、そんな大金入ったらどうするんですか?」


「う~ん…事務所の建て直しでもしよっかなぁ」


 この後も興奮した悠斗がひたすらはしゃいでいただけで、あっという間に時間は過ぎ、遂に準決勝、第1試合が始まろうとしている。


   ★   ★   ★


 選手が入場してきた。

 2人ともほぼ無傷であり、観客席も盛り上がっていた。

 勿論、既に賭けた選手が敗退した人も関係なしに楽しんでいる。

 中には次に備えて選手の強さをチェックしたり、仲間内だけで賭けを始めたりする者もいる。


 直也と大和が向かい合う。


 試合が始まると同時に大和が先に攻める。

 今までにない展開だ。

 それだけ能力で直也は相性の悪い相手と把握しているのだろう。


 次々と大和の攻撃がヒットする。

 直也は確かに防御が上手くないが、決して出来ないわけではない。

 しかし、格闘技術は大和の方が一枚上手だ。

 次々と攻撃は当たり、直也の顔は変形し、体もアザだらけになる。


 総合面も直也は大和に遠く及ばない。

 だが、直也が倒れそうになると、チャンスがやってきた。


 いつも平常心の大和の息使いが荒い。

 ちょっとした隙がピンチになる。

 そこを崩れながらも直也は大和にしがみついた。


「つ、捕まえたぜチャンピオン」


 別に投げられる体勢でもないが、大和の直也を振りほどけなくなっている。

 必死で肘打ちをするが崩れていくのは大和の体の方だった。


「俺の勝ちだ!」


 直也は大和を持ち上げ、投げ落とす。

 大和は受け身も超一流だが、相手は油断しない。

 一切、大和の体を離すことなく何度も何度も投げる。

 投げはまともに喰らわない大和だが、体力はどんどんと失くなっていき、逆に直也は回復する。

 勿論、ダメージが無くなるわけではない。

 まさに耐えきった直也に軍配は上がった。

 徐々に受け身も取れなくなっていった。

大和は最後に拓海を殺した投げが襲う。

 そして大和はモロに喰らうとほとんど動かなくなる。

 さすがの大和も死んではいないが、体力がほぼ0の状態で直也の必殺とも言える投げを喰らえば動くことも出来ない。

 しかし油断しない男、直也は更に追い討ちをかけようとした。

 その時に初めて屈辱的なレフェリーストップ、大和が負けた。

 意識は辛うじてある。

 それが余計に大和のプライドをズタボロにした。


「勝者、相手は五十嵐直也!」


 観客席は意外な結末に興奮している。

 中には全額を大和に賭けていた為に全てを失いとち狂った者、直也に賭け1番人気に勝利したことで興奮している者、様々である。


 直也は笑みを浮かべることなく、静かに退場していく。


 大和の所には担架が運ばれたが、これ以上醜態を晒したくない大和は、担架を拒んで必死に立ち上がり、自分の力で何とか退場した。

 期待度が高かったせいで大和にはかなりの野次が飛ぶ。

 こうして波乱の準決勝、第1試合は終わった。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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