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レベル1  作者: ヨシハル
43/76

43 2回戦、第4試合

 着々と試合が進み、2回戦、第4試合の準備は進んでいた。

 次の対戦は東城家の次男、東城明対蓮が一目置いている真田昴の試合になる。


 明は1回戦の闘いで不完全燃焼だったせいか、少し気負っている所が見られる。

 一方、昴は闘い慣れているので威風堂々とした姿である。

 二人はゆっくりと闘技場の中央に近づいき向かい合う。


「さっきの試合観させてもらった。面白い試合が出来そうだ」


「ふっ」


 昴は鼻で笑った。

 それを見た明はその態度に怒りを覚える。

 そして2人の試合が始まった。


 明は油断せずにすぐサラマンダーを出して昴に向かっていくと、援護をするようにサラマンダーは火を吹く。

 本当に意思を持った生き物の様に的確に昴に攻撃する。

 しかし昴に向かって吐かれた炎は、昴が円を描くように手の動かすとそれに吸いとられる様に炎は消えていく。


「な、なにーーーーーっ!ありえん!何かの能力か?」


 サラマンダーは何度も繰り返し炎を吐き続けるが全く効かない。

 業を煮やした明はサラマンダーを身に纏い、直接昴に向かって攻撃をした。

 仮にも明も東城家である。

 体術だけでもかなり強いが、それでも昴に軽くあしわられる。

 そして明は奥の手を出した。


「まさかこんなところで使うはめになるとはな!」


 纏っていた炎は消え、拳に炎が集中する。

 そして昴に向かい無数の拳打を繰り出すと、炎は残像の様に残りながら昴に襲いかかる。


 しかし!


 昴は簡単に捌ききる。


「なっ!」


 一瞬の出来事だった。

 自分の奥の手を簡単には封じられ動揺した僅かな隙に明の体は宙に舞った。

 何が起きたか分からずに明は脳震盪を起こし立ち上がれなくなった。


 そして決着がついた。


「お前はここでは勝てない!殺し合いをまだ試合と言っている限りな」


 意識が朦朧とするなか、明は昴の言葉だけはしっかりと聞いた。


   ★   ★   ★


 11試合が終わって闘技場も長い休憩に入る。


 11試合、時間にして7時間、試合だけなら2時間と能力者のバトルは決着が早く、命の危険性も高い。

 今回は今のところ一人の死亡者が出ただけで思っていたよりも重傷者が少ない。

 裏試合にしては大人しい試合だ。

 全ての試合を1日で終わらす為、いかにダメージが少なく勝ち上るかがカギになる。


 時間も20時になり、2時間の休憩で闘技場の観客席もガラガラになる。

 蓮たちもこの特別室で食事を取ることにしたが、棗は珍しく大人しい。


「棗、どうした?」


「蓮、今のあたしにはアイツに勝てない」


 棗は昴と闘った時、負けるイメージを想像してしまった。

 負けるイメージを持ったのはこれが初めてである。


「そっかぁ~、いい経験出来たじゃん。棗も落ち込んでないで飯食べよっか」

 

「うん」


 しおらしい棗はなかなかレアである。

 4人は席に着き、メニューを開く。


「面倒だからコースで頼んじゃおう。」


「私はいいわよ」


「あたしも~、蓮と一緒で」


「僕も大丈夫です」


 蓮は部屋にある内線でスペシャルコースを6名分注文をした。


「陽翔と陽葵も同じにしたから」


 陽翔と陽葵はメニューを見て驚いている。

 スペシャルコースは1人50万円だったからである。

 こんなに高いコースを普通は誰も見ないし、注文を出来ない。

 それをファミレス感覚で注文をしている蓮を見て、自分たちと世界観の違いに少し戸惑っている。


「俺たちも食べていいんでしょうか?」


「あんたたちは気にしない。蓮に買われたんでしょ。だったら主人が面倒見るんだから、気にしないで蓮の奢りで存分に楽しみなさい」


「響子、何言ってんの!勿論みんなの分も出すに決まっているじゃないか」


「でしょ」


「「ありがとうございます」」


 なぜか響子が奢るような雰囲気になっている。

 そしてゆっくりと食事を楽しむ事となった。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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