40 山下兄妹の決断
彼女は蓮を呼びに来た。
「グレイ様、次の2回戦まで時間が少しありますので、宜しければ山下陽翔が治療を終え、目を覚ましたので、確認をお願いします」
「分かった」
「蓮さん!俺も行きます」
「ブラッド様、申し訳ございませんが今回は手続きをするご本人様だけとなります。もちろん相手が望み、グレイ様が購入すれば…ですがね」
蓮は案内され山下兄妹の所に向かった。
辿り着いた先には山下陽翔が妹の前に立って待っていた。
その姿は立っているのがやっとの状態で妹を守る兄の姿であった。
「やあ、陽葵ちゃん。結論は出たかな」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「どうしたんだい山下陽翔くん」
「話は陽葵に聞いた。頼む!俺はどうなろうといい。陽葵だけは自由にさせてくれ」
「お兄ちゃん!!」
陽翔は土下座して蓮に頼む。
しかし蓮は陽翔に現実を教える事になる。
「陽翔くん、君は今すぐに治療費の1500万円と登録料1億円、親の借金8億円をすぐに返せるのかい?」
「・・・」
「親の借金はともかく、登録料と治療費は君が作った借金だ。そして勝てる、儲かると思って招いた結果だ」
「分かってる!だから妹は全く関係ないんだ。だから妹は…」
「そこが甘いんだよ!もし、仮に俺が了承したとしよう。だが彼女は一生後悔をするだろう。分かるかい?もし君が彼女の立場だったらどう思うか考えたかい」
「・・・」
ひたすら兄の横で泣き続ける陽葵が立ち上がり、蓮に自分の気持ちを伝えた。
「私は!!あなたの所で一生働き続いて借金を返します。だから兄を自由に…」
「あなただけの働きでは返しきれない!さて陽翔くん、彼女の言葉を聞いて君はどうする?」
「・・・あなたの所で働かせて下さい。お願いがあります。一生働きます。だから妹少しでも妹が幸せになるようにお願いします」
「私の願いも兄さんの幸せです。だから…だから…」
「分かった。君たちを買おう。陽翔は俺の仕事の手伝いを陽葵は俺のメイドとして働いてもらう。そして二人が一緒に住めるようにしよう」
「「ありがとうございます」」
「と言う事で彼等の借金は俺が払おう」
「了承しました。後程請求書をお持ちします。一応契約書を交わし終わるまでは二人の処遇はこちらにありますが、特別に今、現時点でグレイ様が二人の所有者にさせて頂きます」
「ありがとう。では二人をこのまま部屋に連れてっても問題は無いかな?」
「はい、それではお部屋まで案内させて頂きます」
話は終わり、蓮は二人を連れて部屋に戻ろうとすると陽葵が蓮に訊ねた。
「すいませんグレイ様、私達はこれからもどうすればよろしいでしょうか?」
「そうだねぇ~まずは俺の名前は蓮、蓮って呼んでくれ。それとここにいる間は陽翔は俺のボディーガード、陽葵は俺のメイドをやってもらう。ここから戻ったらさっき話した通り、陽翔には俺の会社の手伝いで、陽葵はそのままメイドとして働いてもらう」
「「分かりました。蓮様」」
「もう二人を手懐けるなんて、流石グレイ様」
「茶化さなくていい。とりあえず部屋に戻るよ」
「では、こちらへどうぞ」
そして部屋に戻った。
「れぇ~~~ん、遅いよぉ~~」
早速棗が飛びついてくると、棗は後ろについてくる山下兄妹を見る。
「蓮、どうしたの?」
「ああ、二人は俺の所有物になったから」
「ふ~~~ん」
「蓮さん、所有物って!」
「悠斗!!」
「だって響子さん」
「まぁ、とりあえずよろしくぅ。二人とも、とりあえず挨拶して」
陽翔と陽葵は悠斗、棗、響子と順番に自己紹介をしてから3人に今後の在り方を話した。
そして用がある時までは二人には隣のテーブルに座って待機してもらう事にした。
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