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レベル1  作者: ヨシハル
29/76

29 裏試合に闇賭博

 蓮達は警戒しながらゆっくりと船を降りる。

  島に降りると危険な気配を漂わせる女性が近づき、案内を始めた。


「グレイ様、ラスト様、ブラッド様、ノーブル様、こちらへ」


 島の裏に回ると小さな洞窟があり中に案内されると、少し進んだ道の横の岩が開いた。

 その中に入ると何処かの基地かと思わせるような最新設備で整っている。

 暫く進むとそこからエレベーターで最上階まで上がった。


「こちらの部屋でお待ち下さい」


 女性が出ていく。


「蓮!」


 響子は扉のノブに手をかけると鍵が閉められているのを確認した。


「響子、そんなに気ぃ張らなくても大丈夫だよ」


「悠斗!」


「響子さん、僕も今は様子見た方がいいと思います」


 響子はチラッと棗を見た。


「はぁ~、あんた達はほんと気楽で羨ましいよ。確かに警戒し過ぎたかしらね」


「まあ、あの女性を見た後だからねぇ」


 すると前の壁が開く。


「ガラス?いや防弾ガラスですか」


 回りを見ると下にはリングがあり、多数の観客が中央のリングに集中している。

 中には酒を飲みながら声を上げ、中には女連れで試合が始まるのを待っている。

 よく見ると日本人だけではない。

 他の国の人がいるだけでなく、よく見ると有名人ばかりであった。


「お待たせしました」


 部屋に声だけが聞こえる。


「私の名はナンバー3と名乗った方が分かりやすいですかな」


「それでここは何処ですか」


 悠斗が話を聞くと響子も悠斗の隣に立つ。

 蓮と棗はいつも通り自由にしている。

 特にこれから始まる試合に興味津々だった。


「ここは日本であって日本でなく、他国であって他国でない場所だ」


「なるほど、各国の政府が手を出せない場所と言う事ですね」


「ブラッド君は理解が早いですね。そう、だからこれから始まる事も合法!ここでは我々が法と言う事です」


「そうですか。では私達をここに招いた理由は?」


「そうですね。まずは試合を見て頂きたい。正面右のモニターにこれから出る選手や倍率等も表示されます」


「倍率?賭け試合ですか?」


「そうです。聞いていませんか?」


「何も聞いてませんが…」


「そうですか…手持ちはありませんか。そうですね、招待したのは私達です。こちらは我々からのプレゼントと思って下さい」


 扉が開き、ボーイらしき男達がアタッシュケースを持ってきた。


「こちらに1億ありますのでご自由にお使い下さい。他に用件があるようでしたら右に内線と食事のメニュー等もあります。有料ですが楽しんで下さい。ではまた後程」


 ナンバー3との話は一時終わる。


「蓮、棗、聞いてたぁ?」


「まあ大体はね。とりあえずは向こうの指示に従うしかないよね」


「棗は?」


「あたしは蓮同じぃ」


「聞いた私がバカだったわ。悠斗はどうする?」


「僕も蓮さんと同じです。何だかんだで蓮さんの言っている事は間違ってませんから」


「ねぇ、蓮!ここに載ってる選手のうち12人知ってるわ」


 流石に棗は格闘技に詳しくて説明する。

 そう、ここに出ている選手は皆何かしらで格闘技を追放、もしくは犯罪を犯して捕まっていた筈の者達であった。


「僕も何人か知ってる人います」


「私もよ」


 試合は16名によるトーナメント戦で、ルールは単純に何でもありで、相手が降参するか気絶させたら勝ちで、殺した場合は罰金があるだけで勝ちになる。

 観客は観戦だけでもいいが、誰が優賞するかを賭ける事も出来る。

 現在の倍率は1番人気で1.3倍、16番人気で30倍になっている。


 すると蓮は異空間収納から自腹で10億円を出して、15番人気の人に全額を賭けた。


「蓮、何でその人に賭けたの?」


「棗は格闘家はほとんど知ってると思うけど、彼も格闘家だよ」


「あたし見た事ないよ」


「彼は裏の格闘家だよ。ただし1試合しかした事がない。だからこの場にいる人のほとんどが知らないと思うよ」


「強いの?」


「まあ見てのお楽しみと言う事で!響子も悠斗も楽しみなよ。結構凄い面子だよ。皆は賭けないの?」


「僕は手持ちが無いです」


「私もよ。まあ賭け事何てお金が勿体無いわ」


「棗は?」


「見ているだけで十分よ」


「皆、この貰った1億でも使えばぁ。どうせはした金だし、ここの食事代なら俺が奢るよ」


「だったら僕は蓮さんと同じ人に賭けます」


「それなら私もそれでいいわよ」


「じゃああたしもぉ」


 1億追加で賭けると、酒とツマミを頼んで4人は試合を観戦する事にした。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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