21 澪の選択(前編)
澪は今、池袋にある蓮の探偵事務所を張り込んでいた。
すると1台の車が事務所の前に停まると、車の運転席から特七の課長が降りて中に入っていった。
「(何で?特七の課長が?)」
しばらくすると特七の課長が車に乗り、あとから一人の女性が車に乗った。
澪は急いでバイクに乗り、尾行する事にした。
やがて車は国会議事堂に入っていく。
澪は少し考えてから中に入り、張り込む事にした。
中に入ろうとしたら警備員に止められたが、警察手帳を見せて中に入っていく。
奥の駐車場では女性の姿はなかった。
しかし特七だけでなく、特六の課長までいる。
「(何を話してるんだろう?)」
バレない所まで進み耳を澄ますと微かに会話が聞き取れた。
「おい、聞いたか!」
「何が?」
「棗さんが入院だってよ」
「おいおい、棗さんが入院ってどんだけだよ!」
「うちの課全員でかかっても棗に勝てないぜ」
「やべぇな、今回の相手は!」
「今後どうするんだ」
「俺は六課で平和に課長をしたいの」
「同感だ」
「しかし美姫さんも彩水さんも綺麗だよな。そして判断力と強さ、完璧だよ!蓮さんが羨ましいよ」
「俺もそんな部下がいれば人生安泰だよ」
「全くだ。ファントムもナイトメアも女性全員、蓮さんに惚れてるしな」
「マジか!あ~ぁ、俺は美姫さん狙ってたのになぁ」
「俺は彩水さんだ。でもチャンスはあるぜ!」
「何でだよ?美姫さんも彩水さんも棗さんと真希さんに気ぃ使っているからな」
「なるほど!!」
二人は女性の話をしていたが、澪は気になるキーワードを耳に入れていた。
「(今回の相手?ファントム?ナイトメア?怪しい………これはもっと探りを入れないと)」
しばらくすると美姫と彩水が出てきた。
美姫と彩水は別々の車に乗り動き出すと、澪は焦ってバイクに戻ろうとする。
その時、後ろから扉の開く音が聞こえた。
急いで隠れると出てきたのは特八の課長早乙女葵だった。
「(なぜ課長?・・・)」
澪が少し前屈みなった時、僅かに靴の滑る音を鳴らしてしまった。
普通の人にはほぼ聞き取れない音の大きさも葵には通用しない。
「誰!そこにいるのは」
仕方無く手を上げて体を起こし立ち上がる。
「澪!あなたここで何しているの」
「か、課長!誰ですか、あの女性達は」
少し考えてから葵は誤魔化してみた。
「どこかの秘書の方じゃないかしら」
「そんなはずはありません!じゃあ何で、特六と特七の課長がわざわざ送り迎えをしているんですか!」
「はぁ~~~」
「わかったわ。着いてきなさい」
葵は澪を車に乗せて走らせた。
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