20 新たなる影
シックスはナインとテンに合流した。
「シックス、とりあえずこれを着ろ。そのままだと変質者に間違えられるぞ」
「ああ、助かるよ。しかしテン、どうしたんだ?お前がわざわざ出向くとは珍しいな」
「ファントムのあの男は要注意人物だからな。現にナインはやられたしな」
「・・・」
「そっちはどうだ?」
「薬が切れてたら負けてたな。本来のLEVEL3なら俺が先に倒れた。今でも動くのがやっとだ」
「タフなお前がねぇ~、俺の中ではLEVEL3でも最強と思っているけどな」
「ハッハッハッ、最強は言い過ぎだろ。で、どうだったんだ?」
「特質だ!能力はお前の元相方のシャドウを使っていた。噂通り、能力を複数使っている可能性が高いし、シャドウを使っているのを見ると、能力を奪うっていう事も本当かもしれん」
「おいおい、そっちが最強だろ。 ナインはどうなんだ?」
「屈辱だ」
「何がだ?」
「あいつオモチャの銃で俺を脅しやがった」
「それに引っ掛かったと」
「・・・裏の仕事をしている奴が持つか?普通持たないだろ!」
「普段無口のお前がこれだけ喋るとは余程悔しかったんだな」
「・・・」
「まあ次に会うのが楽しみだよ」
「ああ」
★ ★ ★
翌日、美姫と彩水は葵に報告に出向いていた。
葵から調査料5億、シックスの名前と能力で情報料4億、合計9億を美姫と彩水は受け取り、4億5千万ずつ分けた。
そのあと棗が入院した事を伝え、シックスから聞いた話を訊ねた。
「私も詳しい事は分からないわ。ただ前総理の秘書が裏で囚人を使い、いろいろやっていたみたいね。結果、前総理は事件が表に出る前に罪を秘書に擦り付けて退任したわ。そしてその秘書が動かしていた囚人7人の名を七つの大罪で呼んでいたらしいわね。ここまでよ、私が知っている事は」
「じゃあ、その秘書と囚人はどうなったの?」
「姿を消したわ。生死は不明、もしかしたらノーネームの一員かもしれないし、違うかもしれない。ただ、全ての膿を出す為に総理が狙われているのは確かよ」
「シックスは勘違いしているかもしれないわね」
「そうね」
「葵さんも美姫もここでいくら話し合っても仕方がないわ。今は相手の出方を伺いながら情報収集しかないでしょ」
「えぇ、詳しい事が分かったら2人に連絡するわ」
「ところで元秘書の名前は?」
「冴島隆雄、LEVEL1で能力は土よ。特に危険視するほどではない男よ」
「わかったわ」
美姫と彩水が依頼料を貰い帰ろうとする。
「あっ!美姫さん待って」
すると葵が引き止める。
「蓮に伝えてほしいんだけど」
「何をですか?」
「この間助けてくれた私の部下、どうやら蓮を探しているみたいなの」
「ひょっとして・・・」
「たぶん・・・」
「「・・・」」
「あらあら、二人とも大変ですね。まぁうちも蓮さんのせいで棗と風花がああですけど、頑張って下さいね。ホント蓮さんのあれは天然だから困りますわ」
彩水は笑いながら出ていくと、そのあとを追うように美姫も出ていった。
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