17 現れたシックス(後編)
シックスはナイトメアの二人を勧誘し始めた。
「1つ聞こう!お前達はこの国をどう思う」
「ふん!考えた事はないな」
「だろうな。俺もそうだったよ、妹が死ぬまではな。お前達がどう生きようが自由だ。だが、国は………国家は国民の為と言いながらも、やっている事は私服を肥やしているだけだ。本当はお前達も分かっているんだろ。国は真実を隠す。そして俺の妹はある政治家の息子に何度も何度も何度も犯され、そして自殺した。だが警察もマスコミも事実を隠した。たぶん気付いている者は多いが、権力でもみ消される。人は自分に害が無ければ可哀想の一言で終わらす。解るか!」
シックスは少し感情的に話した。
「ふう、まぁ俺達のしている事が正しいとは言わないが、この国が腐っているのも事実だ。どうだ、俺達の仲間にならないか」
「断る!あたしはあたしがムカつく奴をぶっ飛ばすだけだ」
「残念だ。で、この後はどうする?情報は与えた。報酬は入るだろう。このまま去るか、俺達と闘うか?」
「あたしに後退はねぇんだよ!風花!!」
風花は売人に攻撃を仕掛けた。
だが、風花の攻撃は相殺された。
「君の能力は風、LEVEL3だろ?俺も能力は風なんだよ。ただしLEVELは4だ。意味は分かるかい?君は僕には勝てない」
「クソ野郎、だからなんだ」
そして風と風がぶつかり合う。
風花の頬や腕等もカマイタチが跳ね返り切れる。
そして今度は螺旋状に風を両腕と両足に纏わせると、勢いよく男に突っ込んだ。
そして今までサングラスとフードを被り見えなかった顔が現れると風花は少し驚いた。
それはどう見ても年下で10代半ばに見えるからだ。
「テメェ〜」
「やるね、お姉さん。まさかLEVEL4の僕と力が同等とは…ホントにお姉さんLEVEL3?」
風花のLEVELは確かに3だが、本気を出した風花はLEVEL4強だ。
いつも棗、彩水それに蓮に甘えて本気を出せないでいる。
だから普段はLEVEL3程度しか力が無い実力となっている。
「さて、ガキンチョ!今度は更に強めにいくぞぉ」
風花の髪が逆立ち今度は全身に風が纏うとフードの少年は流石に焦り、防御体制を取る。
風花が動き出す。
「は、速い!」
今までにない速度で突っ込んで行くと少年の防御を崩し、一気に勝負を決めた。
「うわっ!」
「ガキが大人を舐めんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
少年は吹き飛び、シックスが受け止めた。
「何だよ、報告と違うじゃねえか」
「おいっおっさん!どうする?2対1になったぞ」
「待て風花!あたし1人でやらせろ」
「流石ナイトメアのリーダー、言う事が違うねぇ」
棗は全ての火力を拳に乗せ、殴り続けた。
「オラァ!プロレスラーの実力見せてもらうぜ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ」
シックスの上半身は服は全て焼き切れ、胸にはⅥのタトゥーが刻まれている。
止めることの無い拳は、シックスの体を痛めつける。
シックスは膝をつき崩れた。
「こんなもんかよぉ!シックス」
「フ、フフ、フハハハハ。凄いぞ!初めてだ。こんなにダメージを食らうのは!楽しいぞ!ハハハ」
するとシックスの上半身はひと回り大きくなり、両腕から炎が出る。
「今度はこっちの番だな。いくぞぉ〜!ふん」
躱す事は棗のプライドが許さなかった。
シックスの拳は棗の防御を破り、棗は20メートル先まで吹き飛ぶ。
「お姉様!」
「終わりだよ!普通の奴なら死んてるぞ。この俺でも耐えきれるか分からん威力だった」
風花が近づこうとすると棗が叫ぶ。
「来るな!!」
棗はズタボロになりながらも立ち上がった。
「まだまだ…ヤレんぞぉ……」
棗はふらつきながらもシックスに近づく。
その姿を見たシックスはつい口に出す。
「バケモノか!」
「う、嬉しいねぇ。アンタからバケモノ扱いとは」
しかしもう立っているのがやっとの状態なのは誰が見ても分かった。
すると目の前に水柱が立ち、棗の前に彩水が立つ。
「彩水!邪魔だ!」
彩水は棗を水圧で吹き飛ばした。
「さて、あなたはどうするの?私は棗みたいにタイマンを望んだりはしないわよ。勿論、わざわざ相手の攻撃を食らうような馬鹿な事も」
「確かにこっちも引き際の様だ。また会える事を楽しみにしているよ」
シックスは気絶しているフードの男の子を担ぎ、笑いながらその場を後にした。
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