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レベル1  作者: ヨシハル
16/76

16 現れたシックス(前編)

 24時になる頃、人気のない通りひたすら歩いていると一人の男が10代半ばの男達に何かを売っていた。

 風花は買った男達の後をつけて、人目の無い所で呼び止めた。


「おいっ!」


 男達は振り向くと風花に罵声を飛ばす。


「んだぁ〜ババァ!」


「犯すぞ!クソがぁ」


 風花はまず二人をボコボコに殴った。


「テメェ!よくもやってくれたなぁ」


 すると殴った男達も立ち上がり、ナイフを取り出した。

 殴られた男達はナイフで威し、もう一人は右手から石を出し纏わせた。


「そこの石を出した奴!さっき薬買ったよなぁ」


「何だテメェ!サツ(警察)かっ!」


「あたしの質問だけ答えろよ、クズが」


 するとナイフを持った二人が風花を襲う。

 しかし風花は簡単に二人を倒すと気を失うまで殴り続けた。


「次はテメェだ」


 既に戦意を無くしていた。

 仲間の二人が殴られているのを助けにも行かずに震えながら見ていた。

 そしてその場で膝をつき、土下座して許しを乞う。


「テメェ、大口叩いて今更土下座だぁ!舐めてんのか」


「す、すいません。許して下さい」


「おう、テメェの買った薬をよこせ!」


「は、はいぃぃぃ」


 男は風花に薬を渡す。


「これはAAAだな」


「はい」


「アイツが売人か?」


「そ、そうです」


「買ったのは何回目だ?」


「3回目です」


「テメェら二度と薬に手ぇ〜出すんじゃあねぇぞ!分かったか」


「は、はいっ!」


 風花は確認を取るとすぐに棗に報告をした。


   ★   ★   ★


「そうか、分かった。風花もこっちに戻って来い」


 棗は風花からの電話を切った。


 風花が離れた後は棗が売人を見張っていた。

 その売人はフードを被りサングラスで顔はよく分からない。

 だが、背は低くて若そうに見える。

 見張っている間に薬を買いに来たのは2組、そしてまた1組やってきた。

 それは風花の後輩でもあり、現サラマンダーのメンバーでもあった。

 それを見た亘は飛び出びだした。


「おい!お前らここで何をしている」


「そ、総長!これはその…あの……」


「いいから今持っている物ぉ見せろや」


 すると売人が亘を吹っ飛ばした。


「おい、アンタ困るんだよぉ。こっちの商売の邪魔されるとよぉ」


 亘は立ち上がると同時に、右手から蒼白い炎を出した。


「舐めんなよ、よくも俺らの縄張りで好き勝手やってくれたなぁ」 


 すると、いきなり体格のいい男が現れた。


「ほう、なかなか珍しい炎だ」


 棗は最初から男の存在に気付いていた。


「そしてそこの女、場慣れしている感じだな」


 亘は売人に殴りかかると、体格のいい男は亘の拳を受け止めた。

 するとそのまま腕を取り、今度は男の拳から蒼白い炎が出て、鳩尾に向かい拳を突き上げた。

 たったの一発で気絶し倒れると風花が戻ってきた。


「亘!テメェ〜」


 すると棗は風花の腕を掴むとようやく口を開いた。


「風花、やめておけ」


「お姉様?」


「お前、元プロレスラーの小林賢人こばやしけんとだろ」


「ほう、まだ俺の事を知ってる奴がいるとはな」


「ああ、子供の頃見てたからな。プロレスからAMAアビリティマーシャルアーツに転向して、すぐに消えていった。まさかこんな所で会えるとは…」


「お姉様、AMAはわかりますがプロレスとは何ですか?」


「昔の格闘技だ。まだ能力者がいない時代は多数の格闘技があった。だが、能力者が出てきてあらゆるスポーツや格闘技に支障が出てきて、能力者は出る事を禁止された。そこで立ち上げたのがAMAだ。それが一気に人気になり、一般の格闘技はどんどん消えていった。その内の1つがプロレスだ」


「嬉しいねぇ〜、プロレスを知っているとは。じゃあ能力を隠す意味もねぇなぁ」


「あんた、当時はLEVEL3だろ!今のは明らかに違う」


「そうだな、俺の今の名はⅥ(シックス)」


「「!!!」」


「驚く事は無いだろ。ナイトメアの二人」


 珍しく棗が冷や汗を流す。


「おいコラ!てめぇら亘の後輩か?さっさとここから立ち去れや」


 棗は端で震えていた亘の後輩達を逃した。


「「「すんませんでした」」」


 頭を下げて走って去っていった。

 棗は逃げた亘の後輩達が消えるのを確認すると、再びシックスと会話をする。


「よくあたし達の事を知ってるな。目的は何だ」


「そうだな、お前達には教えてやろう」


 そういうとシックスは語り出した。


「お前達の存在はもちろん知っている。今回の依頼の件もな」


 全て筒抜けだった。


「別にお前達をどうこうするつもりは今の所はない。もちろん邪魔をすれば別だ。俺の能力は知っての通り復讐リベンジ、当時は受けたダメージの60パーセントを拳に上乗せさせて相手に攻撃する事が出来た。そして今はLEVEL5、100パーセントだ。俺を倒すには俺の攻撃を受ける前に倒すか、俺より数倍タフさがあるかだ。どうだ、これで少しは依頼料が手に入るだろ」


 普通なら不利になるような事を、まるで楽しむ様に二人に話した。


   ◆   ◆   ◆


 名前 小林 賢人 (こばやし けんと)


 裏の名前 シックス


 能力 復讐 (リベンジ)


 NA  Level5


 元プロレスラー、現在はノーネーム幹部の1人。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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