15 流出したAAA(後編)
事務所に戻った蓮は、美姫から説教された。
美姫もいつもの事なので、手短に説教を終わらすと、前回の依頼料を受け取った事と新たな依頼について話した。
「蓮さん受けますか?」
「う〜ん・・・」
(AAAってどっかで聞いた気がしたけど…あっ!風花ちゃんの言っていたのだな)
「ねぇ、美姫ちゃんはどう思う?個人的には受けてもいいと思うけど」
「そうですね。話を聞いた限りでは、この仕事をしていくのであれば、避けては通れない道かと思います。それに今なら交渉次第でお金も入りますしね」
「そだね、お金も貰えずに命だけ狙われてもねぇ〜。それにナイトメアも受ける運命かも」
「どういう事です?」
「葵と彩水ちゃんに連絡すれば分かるよ」
「…分かりました。今から葵さんと彩水に連絡しますね」
そして美姫は葵に依頼を受ける事と今後のノーネームついて連絡し、彩水にはどうするのかを確認してみた。
彩水はまだ棗が戻ってきていないので、依頼の件は決めていない事と、風花がAAAの件で後輩に相談されている事を美姫に伝えた。
美姫は改めてまた夜に連絡すると伝えてから電話を切った。
「なるほど…そういう事ですか。蓮さんは今日どうするんですか?」
「風花ちゃんから電話が来たら行こうかな。………あっ!真希ちゃんに聞いてない!!話さないとね」
「まぁ、真希は平気でしょう。一応、私から伝えておきます」
「よろしくぅ〜」
★ ★ ★
ナイトメアが経営しているスポーツジムでは、会議室で彩水と風花が話していた。
まだ帰らない棗より先に、風花には今回の依頼内容を話す。
風花は先に相談していた後輩の話をしていた事もあり、反対する事はないし、棗と彩水が決めた事に着いていくと応えた。
しばらくAAAの話をしているとようやく棗が帰ってきた。
「あぁ〜、気持ち良かったわぁ」
「棗!帰って来るのが遅い!!そもそも葵さんの呼び出しにいつも逃げる様にいなくなって」
「わぁ〜った、わぁ〜ったよぉ〜」
「そんな事じゃ蓮さんに嫌われますよ」
「えっ!蓮来てたの?」
「来ていないけど、蓮さんは今回の依頼を受けると美姫から連絡がありました。ナイトメアはどうするか聞いてきましたよ」
「もちろん受けるよ!蓮がやるならあたしもやるに決まってんじゃん!」
「棗、あなた一応リーダーなんだからせめて依頼を聞いてから決めなさい!」
「はいはい」
彩水は棗に細かく依頼内容を話し、その上で今後どういう事が起こりえるかを話した。
ただ蓮が受ける時点で棗も受ける事は決定していた。
もちろん彩水も風花もそうなる事は予想していた。
続いて今度は風花が後輩の件を話す。
風花の後輩のほとんどは棗の後輩でもある。
今回の件も実際には棗の後輩でもあるので、若干棗はキレかかっていた。
そして時間も21時を回っていた。
彩水は葵に連絡を入れて、依頼を受ける事を伝えると今度は美姫に連絡し、同じ様に伝える。
「という訳でナイトメアも依頼を受けるわ」
「そうですか。蓮に伝えておきますが他に何かありますか?」
「私達はこれからAAAの売人に直接会いに行くわよ」
「どうするつもり?」
「今回は依頼とは関係なく後輩の頼みってのもあるから、今日は表で動くわ」
「場所と時間は?」
「それはこれから後輩にあってから聞いてみるわ。分かったら連絡する」
「分かりました。私達は裏で動きます。今日は大物が出ない限りは見守るだけにしますね」
「助かるわ」
ガチャ
電話を切ると早速風花に連絡させて行動した。
後輩との待ち合わせ場所は王子、時間は23時になった。
今日は棗と風花が表で動き、彩水は裏で動く事を決めてから、美姫に連絡して王子に向かった。
王子に着くと、待ち合わせ場所に一人の男が立っていた。
「よぉ!亘」
「な、棗さん、風花さん」
「亘、他の奴らはどうした!」
「チームの仲間のほとんどが強くなりたい一心で薬に手ぇ〜出しちまいまして…」
亘は暴走族の三代目総長で、風花は二代目、棗は初代総長だった。
そして亘は既にキレている棗と風花を連れて、最近現れるAAAの売人の場所に向かった。
◆ ◆ ◆
名前 斉藤 亘 (さいとう わたる)
能力 炎
NA Level3
北区を中心に活動している暴走族、沙羅蔓蛇三代目総長をしている。
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