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レベル1  作者: ヨシハル
13/76

13 流出したAAA(前編)

 朝から蓮は美姫に事務所で説教されていた。

 理由はファントムとナイトメアは先日の件で呼ばれていたからである。

 普通はチームのリーダーである者が出向くのであるがファントムもナイトメアもいつも代理の者が来る。

 ファントムは美姫が、ナイトメアは彩水がいつも代わりに出向いているからだ。


「蓮さん、今日はどういう言い訳で逃げるおつもりですか!」


「ちょっとお腹が痛くて」


「都合のいいお腹ですね。いつもいつも」


 すると事務所の前に1台の車が止まる。


 トントン


「はい、今行きます。私も着いていきますから蓮さんも・・・」


 既に蓮は影移動でその場から消えていた。


「もう!」


 仕方なくいつも通りに美姫が車に乗り出向く事になった。


 車は国会議事堂へと向かい、中に入ると地下駐車場に入る。

 そこから隠し通路を通り、更に地下へと潜ると一つの大きな部屋に辿り着いた。

 そこは普通の議員には知られていない場所である。

 

 美姫が部屋に入ると大きな円卓に椅子が12脚、中央には総理大臣と右隣の席には葵が座っていた。

 そしてナイトメアの席には既に彩水が座って待っている。


「お待たせしました」


「やっぱり来たのは美姫さんですか」


 呆れた口調で葵は溜め息を吐き、要件を二人に伝える。


「まずは報酬ね」


 美姫と彩水に1億が入ったアタッシュケースを2つ渡す。


「今回の報酬は2億です。確認をして下さい」


 美姫と彩水は確認すると1億ずつ受け取った。


「そして今回の件で山縣やまがた総理から話があります」


   ◆   ◆   ◆


 名前 山縣 宗次郎 (やまがた そうじろう)


 日本の総理大臣である。


   ◆   ◆   ◆


「美姫さん、彩水さん、帰ったらグレイとラストにしっかりと伝えてほしい。今まで伝えなかったのは信用すべき人を見極めていたからです。この国、もしくは世界にはノーネームと言う謎の組織があります」


 すると美姫が訊ねた。


「山縣さん、ノーネームですか?」


「そうです!全てが謎で名前の無い組織で目的も分からない。それだけに対策も打つ事も出来ずにいます。そして今はAAAトリプルエーと言う麻薬をばら撒いているようです」


「私も聞いた事があります」


 今度は彩水が説明した。


「attractions (アトラクション)、abilityアビリティapexアペックス、この3つの頭文字を取りAAAで、この薬を飲むと能力のレベルが1〜2上がり、強い快感を得ると言われているとか」


「その通りです。その麻薬が安い価格で今10代に出回っています。そして中毒者には高値で買わせる為、金欲しさに犯罪に手を染める若者が増えてきています。目的は金なのか?国の混乱なのか?未だに不明です」


「質問して宜しいでしょうか?」


「なんですか?美姫さん」


「何故、組織の存在を誰にも言わなかったのですか?」


「それは・・・国会議員や警察にも仲間が潜伏している可能性が高いと見ています。もちろん君達や他のチームも疑っていたからです」


「いたって事は疑いは晴れたと?」


「正確にはノーネームの可能性が限りなく低いという事です。少なくても私達も協力者を作らない事には太刀打ち出来ないんですよ。美姫さん」


「私達ナイトメアとファントムに協力してほしい事があると」


「彩水さんは察しが良くて助かります」


「もちろん依頼料は払います。しかし、この依頼を受ける事であなた達もノーネームに狙われる危険があります。もし狙われた場合、こちらでもバックアップはしますが、こちらが依頼する訳ではないので依頼料は無いです」


 そして山縣は時計を見て席を立った。


「すみませんが続きは葵さんにお願いします」


 山縣は仕事の為、席を外した。

 代わりに葵は美姫と彩水に依頼内容を話した。


   ◆   ◆   ◆


 依頼内容


 AAAを捌いている者の正体を探り捕まえてほしい。


 現状、分かっている事はノーネームのボスの下にはゼロと12人のナンバーズがいる。


 ナンバーズは体の何処かにタトゥーでⅠ(ワン)からⅫ(トゥウェルブ)の文字が刻まれている。


 恐らくその内の一人が関わっていると思われる。


 また、左肩にⅨ(ナイン)のタトゥーが入った狙撃スナイパーの能力を持つ者に注意。


 調査料は5億円、ナンバーズの情報1つに2億円、ナンバーズを捕縛したら30億円です。


   ◆   ◆   ◆


「明日にはファントムとナイトメアから依頼を受けるか、報告をお願いします」


 そして美姫と彩水は別々の車に乗り、彩水が先に帰った後、美姫の車が走る前に葵が蓮に伝達を頼む。


「美姫さん、蓮に伝えてくれる。大石景虎は元Ⅳ(フォー)のナンバーズよ」


「!!!」


 そして美姫の乗った車は走り出した。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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