11 消えた女性・救出(前編)
蓮は運転席に座ると、そのままトラックを走らせた。
「おい!車が動き出したぞ!」
金の受け渡しが終わった取引相手2人が焦ってトラックに向かおうとすると、4人を水の壁で閉じ込めた。
その異変に気付いた3人は車から出ると、仮面を被った女性が2人、目の前に立っていた。
「誰だテメェ!」
★ ★ ★
しばらくトラックを走らせた蓮は、トラックを止めて電話した。
「もしもし、葵」
「あっ蓮」
「女性8人を無事に救出した。後は頼んだ」
そして場所を教えて電話を切る。
蓮はもう一度トラックの中を確認した。
女性達の目隠しを取り、怯えない様に声をかけた。
「もう大丈夫だ。安心しろ。もうすぐ警察が来るから大人しくここで待っていてくれ」
すると一人だけARを付けられた女性がいた。
「君は澪ちゃんかな?」
「どうして私の事を?」
「もうすぐ特八がやってくる。それまでは君が彼女達を見てやってくれ」
「ハ、ハイ」
そして澪の頭をポンポンと軽く叩き、耳元で優しく『任せたよ』と声をかけてから去っていった。
澪は少し顔が赤くなり、呆けて、そして我に返って他7人の女性に助けが来るまで声をかけた。
◆ ◆ ◆
名前 朝比奈 澪 (あさひな みお)
能力 解析
NA Level3
警視庁特殊犯罪対策部第八課の一人である。
◆ ◆ ◆
水で囲まれた内側では4人の男達が閉じ込められたままだった。
どうやら取引相手は能力者では無かった。
そして水の壁の中に彩水と美姫が入る。
「これであなた達も終わりです」
美姫は取引相手2人を電撃を打ち込んで失神させた。
すると一人の男はもの凄いスピードで彩水に近づき蹴り飛ばす。
彩水は吹き飛び、水の壁が消えた。
「やはりこの水の能力はお前か!しかし所詮は水、俺には勝てん」
それを見た美姫は男に電撃を飛ばす。
しかし、もう一人の男が土の壁を作り防御した。
「これしきの電撃、俺には効かねぇよ」
すると吹き飛んだ彩水は立ち上がる。
「ふふ、油断したわ。少し痛かったわよ。ふふふ」
彩水が笑っている姿を見て美姫は少し離れる。
彩水が笑っているのはキレているからである。
「俺の能力は脚力3倍だ。俺について来れるかな?」
「ふふ、相手に能力をバラすのはバカのする事ですよ。ふふふ」
すると巨大な津波が男を襲う。
どんなに足が速かろうが巨大な津波から逃げる程のスピードは無い。
波に飲まれた男は吹き飛び、一瞬で意識を失った。
「ふふ、もう終わりですか?ふふふ」
彩水は気を失っている男の足を踏み骨を折る。
その姿を見た美姫に鳥肌が立った。
そして美姫ももう一人の男の相手をしようとしたら、その男は既に波に飲まれ気を失っていた。
どうやら土で防御したつもりだか、彩水の出した水の威力には無力だった。
「彩水、こっちは終わったみたいよ」
「ふふ、ふふふ」
彩水はもう一本の足も折っていた。
頭を抱えながら美姫は彩水を止めた。
「彩水、落ち着いた?」
「ごめんなさいね、美姫」
「私達の仕事は終わりよ」
「そうね。私達はこの場を離れましょう。この程度の相手なら援護は不要でしょう」
「そうね」
後は棗達に任せて離れる事にした。
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