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お疲れ女神の無茶振り世直し転生 不老不死おじさんの苦悩  作者: mojito
第1章 セリオン村編

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力に気づく

「セージ、この切り株、悪いが向こう側までどけといてくれ」


 畑仕事のさなか、村の若者に頼まれた誠二は、深く考えずにその切り株に手をかけた。若者たちが三人がかりでも動かせなかった代物だった。


「――よいしょ」


 軽々と持ち上がった。


「……は?」


 周囲が凍りついた。


「セージ、お前、今……」


「あれ、そんなに驚くようなことですか?」


「三人でも無理だったんだぞ、それ!」


(そういえば、これも不老不死のオマケなんだろうな。あの女神、力もついでに盛ったな……)


 誠二は内心で溜め息をついた。過剰なサービスは、前世の営業でも嫌というほど見てきた失敗パターンだ。頼んでもいないオプションをつけて、かえって話がややこしくなるやつ。


 この一件は、あっという間に村中に広まった。


「セージ、お前、剣を握ったことは?」


 噂を聞きつけたドーランが、興味津々の顔で聞いてきた。


「ありません。喧嘩も、したことがない」


「もったいないな。その体、鍛えれば村を守る戦力になる。……よし、俺が仕込んでやる」


「え、いや、そんな急に」


「善は急げだ。明日から来い」


 誠二の返事を待たず、ドーランはさっさと話をまとめてしまった。


(前世の上司にもいたな、こういう人。決めるの早すぎるタイプ)


 誠二は苦笑いしながらも、悪い気はしなかった。

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