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デルタのスナイパー  作者: 二条路恭平


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空になった3本のマガジン全てを射座のテーブルに並べてから、部屋から持って来た弾薬箱から24発の45ACP弾薬を使って軽くなている方の箱を開けて、そこから1発ずつ取り出してマガジンへ装填していく。

3本のマガジン全てに45ACP弾薬を装填し終え、そのうちの2本を右腰のマガジンポーチへ差し込んでから、残りの1本をコンバットユニット・レイル1911拳銃へ装填してから、オープン状態のスライドを右手で上から鷲掴みにしてから後方へ引いてスライドを閉じ、グリップを握っている左手の親指でマニュアル・セーフティのレバーを跳ね上げて安全装置を掛けてコンディション1の状態として左腰のヒップ・ホルスターへ差し込む。

準備が整ったところで、目の前のペーパーターゲットを隣との仕切り板が取付けられている柱にある移動スイッチを操作して、俺から3メートルくらい離れた位置へ移動させる。

離れているペーパーターゲットに対して正対した状態となって立ち、両腕は真っ直ぐに下へ伸ばしてリラックスした姿勢となってから、自分自身のなかで行動スタートを決めると僅かに膝を曲げて体勢を沈めると同時に、左手は腰のヒップ・ホルスターへ差し込んでいるコンバットユニット・レイル1911拳銃のグリップを握って、素早く抜くと左手首が左の骨盤が出っ張っている辺りに固定すると左手の親指が安全装置をオンにしているマニュアル・セーフティ・レバーを押し下げてオフにした途端にペーパーターゲットへ向けてトリプル・タップを撃ち込む。

この時、左の脇と左肘を身体に密着させるように固定して、反動によって上方へ跳ね上がるコンバットユニット・レイル1911拳銃を抑え込むようにする。

3メートル先のペーパーターゲットは、俺の腹部くらいの位置に3つの着弾痕を開けるのと同時に、3つの空薬莢がスライド右側のエジェクション・ポートから続け様に吐き出されて上半身はTシャツのみの俺の右胸付近に目掛けて当たってくる。

ちなみに、拳銃に限らず発砲直後にエジェクトされた空薬莢は結構な熱を持っている状態なので下手に触れば火傷してしまうので、当然Tシャツ越しであってもエジェクション・ポートから勢い良く弾き出される空薬莢が瞬間的に当たれば胸部付近は火傷まではならないとしても熱さを感じる。

だが、俺が今行ったのはポイント・シューティングと言って、至近距離にいる敵が発砲しようとアクションを起こしている場合、そのままの状態で敵に撃たれるわけにはいかないので緊急的に敵へ発砲する射撃スタイルで、短時間のうちに自分の拳銃をホルスターから抜き出して一刻も早く発砲する必要があることから、ホルスターから拳銃を抜いて両腕を敵の方へ伸ばしてフロントとリアのサイトを使って照準することなく発砲するので、基本的には視覚で確認することなく敵の腹部若しくは胸部へマズルが向くようにしてダブル・タップかトリプル・タップを実施して敵に複数の弾丸を送り込むのである。

これもテレビドラマや映画等のシーンで、主人公が至近距離に居る相手が銃器を発砲しようとしてポイント・シューティングを1発だけ発砲して、相手の手首や持っている銃器に命中させて所持している銃器を弾き飛ばす場面を目にするが、そんな芸当は奇跡的な偶然が幾つも重ならない限りは成功するような芸当ではなく、ましてポイント・シューティングを行なおうとしている人間が本気で相手の手首や所持している銃器を狙って発砲しているなら、残念ながら発砲した弾丸は狙点から外れることになり、結果として無傷の相手が放ってきた弾丸によって自身が重傷を負うか或いは瞬時に天国へ送られることになる。

少なくともポイント・シューティングを実行しなければならないような事態となったのならば、狙うのは相手の腹部か胸部となり発砲も続け様に複数発を放って1発でも多く被弾させて、相手が痛覚を感じないようモルヒネ等を常用していなければ、トリガーを引けないくらいの状態にしない限り自分が助かる術はない。

ただし、ポイント・シューティングは如何に射程距離が短い近距離と言っても相手に向けて確実にサイティングを実施しているわけではなく、マズルが相手方向へ向いているという感覚だけを頼りに発砲するので、通常の射撃練習以上に実射を行って自分の手首等がどのような状態ならば、相手の腹部や胸部へマズルが向いているのかをマッスル・メモリーにできるくらいにならなければ相手に着弾させる可能性は高くならない。

事実、過去に公開された動画にも相手の距離が数メートルくらいであり、しかも相手の間に身を隠せるような障害物すら無いのに発砲した全てが相手に命中していなかったというシーンがあるくらいで、このケースは相手に向けて発砲するためにトリガーを引いた瞬間にトリガー・フィンガーである人差し指に余計な力が入ったことで弾丸がマズルから飛び出す時には、ほんの僅かであってもマズルが相手から逸れていることで相手に命中させらなかったので、直接的にポイント・シューティングとは事情が異なってくるものの、例えば1枚の紙に1本の直線を引いたら分度器を使って引いた直線から1度の角度で別の線を引けば、この2本の直線は決して交わることはないだけでなく、描く直線が長くなれば長くなるほど2本の直線は間隔が広がっていくことになる。

如何に射程距離が近距離であったとしても、A4サイズに引いた2本の直線の間隔が1センチメートルだとしても3メートルの射程距離ともなれば比例関係で考えてみると1メートル近くは間隔が広がることになり、僅か1度の角度が違っただけで目の前に居る相手を被弾させることすら難しくなってしまう状況が生まれる。

それを思えば、少しでも数多くの射撃訓練によって身体に覚え込ませるようにしなければ、銃器を持っているから簡単に相手を銃撃できると思うのは単なる幻想と言えるかもしれない。

1本目のマガジンでポイント・シューティングを行った結果、全弾がペーパーターゲットを捉えているのが確認できる。ただ、お陰で使用しているペーパーターゲットは、俺の腹部くらいの部分が相当に孔だらけの状態となってしまっている。

それでも、精密射撃を行うわけではなくポイント・シューティングによってペーパーターゲット内に着弾していることさえ確認できれば充分なので、ペーパーターゲットを交換することなく射撃訓練を続行する。

スライドがオープン状態で停止しているコンバットユニット・レイル1911拳銃から空となったマガジンをマガジン・ストップ・ボタンを押して抜き取り、2本目のマガジンを挿入する。

右手を使ってスライドを僅かに後退させてスライドを前進させ、その後にグリップを握っている左手の親指でマニュアル・セーフティのレバーを跳ね上げてコンデション1の状態として左腰のヒップ・ホルスターへコンバットユニット・レイル1911拳銃を差し込む。

2つ目のマガジンも空となったところで、気が付くとTシャツの右胸部分が薄っすらと焦げているのが分かる。しかし、着用しているTシャツは自前ではなくカーキ色の陸軍から支給されている物なので、あまり焦げが酷くなったのら新たに支給して貰えば良いので大して気にする必要もない。

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