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原子力空母エイブラハム・リンカーンに無事着艦すると、俺達3人は直ぐにブリッジの司令部へ向かうよう伝えられる。
海兵隊遠征隊のメンバーで負傷した複数の者を医務室へ搬送するため複数の担架で、飛行甲板がごった返している中を縫うようにしてブリッジの入り口へ向かい、バックパック等の荷物を持ったままで司令部のドアをノックしたマイクが代表となって
「マイク准尉以下2名入ります」
と言ってドアを開けて入室するが、バックパックを背負っている状態では3人がスムーズに入室することができずにもたついてしまう。
何とか3人が入室して、最後に入室したスティーブが後ろ手でドアを閉めると壁際に横一列となって並び艦長に敬礼すると
「ご苦労、とにかく背中の荷物を壁際に置いてテーブルの傍に来たまえ」
撤収時に負傷者を出してしまったとは言え、とにかく作戦の成功という望ましい結果を得られたことで比較的機嫌の良い艦長が穏やかに話してくる。
そこで俺達3人は
「失礼します」
と言って背負っているバックパックを降ろして壁際へ置き、次いで手に持っているメインアームを壁に立て掛けてから、艦長が立っているテーブルの周りに近寄る。
テーブルの周りに俺達3人が揃ったところで
「早速だが、諸君等には新たなミッションが下されているので艦内で暫く休憩したら、各自を本艦の輸送機で次のポイントまで送り届けることになる」
と艦長が説明する。
それを聞いたマイクが
「艦長に質問がありますが、よろしいでしょうか?」
と右手を肩の位置まで挙げて艦長に質問を行う許可を求める。
「何かね?」
僅かな笑顔を見せた艦長がマイクに質問を発言する許可を与えると
「もし、艦長がご存じでしたら我々3人は一緒の行動となるのでしょうか?或いは3人が別々の行動となるでしょうか?」
と神妙な顔付きでマイクが質問する。
艦長は笑顔を絶やさぬままで
「私が受けた連絡の範囲で答えるなら諸君等は全員、別々のミッションを受けて行動することになる」
割と気軽に答えてくれる。
俺達も幼稚園児や小学校低学年じゃないから、何時までも一緒に行動きでるとは思ってもいないが、それでも一時期であれ共にミッション遂行のためにチームを組んでいれば家族のような一体感を抱いてしまい、別々に分かれるとなると一抹の寂しさを感じてしまう。
その仲間と離れるとなれば、次の機会に必ず会えるという保証は何処にもないというのが、俺達に課される悲しい現実となっている。
「諸君等は、割り当てていた部屋で待機してもらい。準備ができ次第、順次呼びに行くので出発の準備だけは早目に整えておくように」
と艦長からの指示を受けて司令部を退室してから、何時ものことで殆ど慣れてしまっているはずなのに珍しくマイクが
「何時も以上に2人には世話になったな」
と狭い廊下を部屋へ向かって歩いている際にポツリと感謝の言葉を呟いた。
「一体どうした?」
と半ば驚いた俺がマイクに声を掛ける。
「いやぁ、何となくなぁ」
と苦笑いの表情を浮かべて頭を掻きながらマイクが答える。
そのマイクの言葉を聞いていたスティーブまでもが神妙な顔付きに変わっていたので
「おいおい、2人ともどうしたんだ?それぞれに与えられたミッションで無事に生き残っていれば、次も必ず会えるだろう?第一、2人とも次のミッションで死ぬかもなんて思っちゃいないだろう?」
とマイクとスティーブに声を掛ける。
マイクとスティーブの2人は頷きながら
「確かにジョージの言う通りなんけどなぁ」
とマイクが口にするので
「マイクだって、その昔に俺に言ってたろう?図太く生き残ってやると思わなきゃミッション遂行中に失敗するぞぉって」
俺も苦笑いをしてマイクに向かって言うと
「そうだったなぁ、スティーブ悪かった。そんなつもりじゃなかったんだが、お前さんの気持ちを沈ませてしまったなぁ」
とマイクは言ってスティーブの肩をポンポンと軽く叩き、スティーブも笑顔を見せながら何度も頷いている。
そうして部屋に戻ったが、出撃した直後ということもあり大して荷造りをするような必要もなかったので、背負っていたバックパックを降ろして3人で決めたベッドの上に置き、メインアームは各自のベッド脇に立て掛ける。
各自が自分のベッドへ腰を降ろして直ぐに
「なぁ、ビールでも買って飲まないか?」
とマイクが言い出す。
確かに、空母の食堂等には自動販売機が設置されており缶ビール等が販売されているだけではなく、戦闘を終えた直後なので妙に感情が高ぶっているので3人でビールでも飲みながら雑談でもしていた方が、気分も落ち着くかもしないので
「そうするか」
と言って俺がベッドから立ち上がりスティーブを見る。
スティーブも同意見だったようで、ベッドから立ち上がると空いているベッドに置いたバックパックへ近寄り、バックパックの中に仕舞っている財布を取り出そうとしている。
俺も、自分の財布はバックパックの中に仕舞っているので自分のバックパックへ近寄ると
「2人とも財布はいらねぇよ、俺が言い出しっぺだし年長者なんだから2人分は俺が奢る。だが、次に会う時はジョージが奢れよ」
とマイクが言ってドアを開けようとしている。
「分かったよ、今日はマイクの奢りということにするが次は必ず奢らせよ」
とマイクに向かって俺が言う。
「じゃ、ジョージが奢った後は必ず俺が奢らせてもらいます」
とスティーブも笑顔で言って、3人揃って部屋を出て食堂へ向かった。




