8-23 社会科見学2
本日もよろしくお願いします。
ミニャちゃん陛下と賢者たちの社会科見学が始まった。
案内人はクリストファー子爵。冒険者ギルドを取り仕切っているので、できる男だろう。
まず案内されたのは、本部と呼ばれる建物。
「ミニャ様。こちらは冒険者ギルドの本部になります」
「ほんぶ!」
「はい。こちらでは主に一般人が冒険者として登録したり、町の人がギルドに依頼を出したり、その依頼を冒険者が受けたりすることができます」
「ふむふむ。うんとねー、ミニャンジャ村でも、冒険者さんに取ってきてほしいヤツが表になってます。そんでねー、それを取ってきてくれたら高価買取なんです!」
「ほう、なるほど。このギルドでも、稀ですが、国からの指示で必要な物を重点的に取ってくることがあります。その際には買取価格が多少上乗せされます」
そう教えられて、やっぱり賢者様は凄いんだなと再確認。
「しかし、王都ではたくさんの冒険者がダンジョンで活動するので、持ち帰る素材も多く、基本的にはあまりその手法は行ないません。当ギルドで行なわれている依頼制度は、もっと個人的なやり取りになります。例えば、コート職人が材料の毛皮をたくさん欲しいと思った時、確実に手に入れるにはギルドに依頼をすることなんです」
要するに、人が多いので全体的な供給が安定しているのだ。
ミニャンジャ村は人が少ないので、欲しい品の買い取り額を上げて供給の向上を促している。
そんなふうに教えられながら、ギルド本部内を見学。
ミニャはたくさんの人が働いていて、ふぉおおおとした。
【400、名無し:なんか市役所とあんまり変わらないな。パソコンとかはないけど】
【401、名無し:それは俺も思ったwww】
【402、名無し:納品のカウンターがないな。別の場所なのかな】
【403、名無し:ゲームみたいにインベントリのアイテムを選択して納品完了とはいかないわけだし、探索に使って汚れたリュックから土や埃がついた物をカウンターに出すことを考えると、一般人が来る場所で納品処理を行なうことはないんじゃないか?】
【404、名無し:ミニャンジャ村の冒険者たちが持って帰ってくる量も結構あるしね。スペース的にも処理するのは不可能だろうね】
【405、名無し:漁港にある事務所のカウンターに取ってきた魚を並べることはないってことか】
【406、名無し:クソほど迷惑で草】
【407、名無し:酒場がない……】
【408、名無し:それは町で飲んでもろて】
賢者たちはメモメモ。
現実的な配慮とゲーム的な配慮は全く違う。プレイヤーの快適さを考慮してデザインされるゲームをモデルにして町を作れば、必ず失敗する。長くダンジョンと付き合ってきた歴史ある都市から学べることは多かった。
そういったゲームを知らないミニャは、そのまま純粋に学びになっている。ちっちゃい頭にギルドの様子を叩き込み、今後のミニャンジャ村の発展のために備えている……かもしれない。
続いて案内されたのは、ギルド本部の隣の施設だった。隣といっても、本部入口から百mほど離れているので割と遠い。
「ここは銭湯です」
「銭湯……お風呂屋さん!」
「はい。通常は町中の風呂屋に入るのですが、ダンジョンから帰ってきた者に限り、無料で入浴できるようになっているのです」
「おー」
なんと、ギルド敷地内にかなり広めの銭湯があった。
銭湯の周りには側溝があり、建物から排出された水が流れている。
「むむっ」
ミニャが何やら発見。
その視線の先には、建物の壁にかかったたくさんのブラシやボロボロの布。
「あぁ、あれはダンジョンから帰ってきた冒険者が、ズボンや靴の裏を掃除するのに使うのですよ」
そう教えてくれたのはフォルガだった。
側溝を通る水と合わさって、賢者たちはなんとなく使い方を理解した。
「あっ。コーム村のミニャのおウチにもあったなー」
ミニャはそんなことを思い出した。
ミニャは家の中で靴を脱がない文化圏の生まれだったので、狩人だった母親は汚れを家の中に持ち込まないようにしていたのだろう。
ミニャの話の場合、汚れを持ち込みたくない場所は『家』だが、ここにあるブラシの場合は『施設』と『町』ということになるだろう。長大な壁で区切っている理由も、無秩序な侵入の阻止だけでなく、心理的に壁の外へ汚れを持ち出さないための工夫だろうと賢者たちは考察した。
それから銭湯の中を見学。
女湯が一時閉鎖されており、男性賢者たちも堂々と女子の花園へと入場。
「わぁ、ひろーい!」
女風呂だけでもかなりの広さで、二つある大きな浴槽には綺麗なお湯がたっぷりと満ちていた。
女性用の風呂だが別にオシャレな造りではなく、鏡などもない。完全に汚れ落としの場所なのだろう。
洗い場には1mほどの高さに水路が流れており、各席にコックレバーがあって流下式で常温水を出す仕組みになっている。水の経路を見るに、この水路はそのまま外で見た水路に繋がるのだろう。
「なによ、随分と気合入ってるじゃない」
ルカルカがそう言うと、クリストファー子爵が余計なことを言うなとばかりにチラリと睨んだ。ルカルカはペロッと舌を出して肩を竦めた。
どうやら、こんなに綺麗な状態の風呂は珍しいようだ。
実際に、風呂に入ったコーネリアは、『毎日新しいお湯に入れるのは王様か風呂屋の娘くらい』と言ったことがある。この浴場も毎回、こんなに綺麗な状態のお湯に入れるわけではないのだろう。とはいえ、無料で入れる施設ならありがたいはずだ。
クリストファー子爵の様子からありのままの銭湯ではないのだろうが、女神の使徒に見せるために頑張ったと思えば、賢者たちも悪い印象ではない。
ミニャはお風呂の中を移動して、ふむふむと見学。
「シャワーがない」
「私が知る限り、シャワーがあるのはミニャンジャ村だけですね」
「あれは賢いアイデアよね。気持ちいいし、水が少なくて済むし」
ミニャの言葉に、コーネリアとルカルカが言う。
この世界は桶に穴が開いた商品がある。水生成の魔法を多くの人が使えるため、このシンプルな構造のアイテムが生活のちょっとしたシーンで重宝されるのだ。
しかし、風呂場にはシャワーがなかった。日本でも浴槽からお湯を掬って頭からかぶる人がいるように、桶に水を溜めてダイナミックにかぶるのが主流なのだろう。
さらに、ミニャは浴槽の壁もチェックした。
「ミニャ様、アヒルが飛び出る穴は普通ありません」
「やっぱりかー」
「あれがあったら風呂から出るまで時間がかかるでしょうねぇ」
「特に男なんて絶対に好きよ、ああいうの」
ミニャンジャ村の女風呂自慢のアヒルライダー発進基地はなかった。
【450、名無し:こんな施設を維持できるってことは、やっぱりダンジョンって儲かるんだな】
【451、名無し:まあ、無料と言いつつ、納品された物からちょっとずつ抜いているかもしれないけどな】
【452、名無し:それでも冒険者が満足のいく報酬を得られているなら良いのでは? 抜きすぎだろって不満が燻っているなら別だけど】
【453、名無し:コーネリアさんたちを見る限りだと、そういう感じではないよな】
【454、名無し:それよりも、シャワーヘッドは商品化できないかな?】
【455、髑髏丸:それは難しいな。王国は規格サイズが工房ごとに違う。だから、シャワーヘッドだけを作っても合わないことが多発するだろう。シャワーヘッドだけを売りに出して新規で他の部分を作らせるとしても、それならシャワーヘッドも自分たちで作るという話になる】
【456、ケアリア:それなら節水と衛生啓発を考えて、アイデアを広めてしまっても良いかもしれませんね。ミニャンジャ村発祥として】
【457、名無し:名誉は貰う寸法か。構造的に真似されやすい物だし、商品化事業を行なうくらいなら俺もそれが良いと思うな】
次に向かったのは、買取所。
そこにはかなり大きな倉庫が並んでおり、それぞれに『1~10』『11~20』など番号が振られている。最終の倉庫番号は『80~』である。他にも、『木材』『鉱石』というカテゴリーの建物もある。
「ミニャ様、ここに並んでいるのは買取所ですぞ」
フォルガが出しゃばった。
自分の職場みたいなものなので、説明したいジジイに変貌したのだ。
剣大公という爵位は基本的に権限がほとんどない爵位なのだが、それでもクリストファー子爵は説明役を譲る。元国王に歯向かっても仕方ないし。とても可哀そう。
「はえー、ミニャンジャ村の買取所よりずっと大きい!」
「まあ冒険者の数が違いますからな」
「そうかも」
「しかし、ミニャンジャ村の規模であれだけの品を日々持ち帰れるのは凄まじいことですぞ。ひとえにミニャ様のおかげでしょうな」
「賢者様が頑張ってくれているからね」
ミニャはうんうんとした。
冒険者に賢者を貸し出すシステムは非常に人気が高く、このおかげで冒険者一人当たりの素材回収率は王都のギルドを大きく上回っているらしい。最近は冒険者たちも賢者の使い方が上手くなり、ダンジョンのお供としてかなり効率よく運用していた。
「建物に書いてある番号はなぁに?」
「この番号は階層ですな。この建物だと1から10階までの素材を査定してもらえるわけです。まあ多少はそれ以外の階層の物も査定してもらえます」
「にゃるほーね。冒険者さんがいろんな階層の物を持ってきたら、うーん、これはいくらかわからないなーってなっちゃうもんね」
「おー、さすがですな。その通りです」
7歳児が一瞬で理解したことに、クリストファー子爵は驚いたように目を見開いた。ミニャちゃんは傑物なのである。
まあ実際のところは、ミニャンジャ村でダンジョン素材の仕分けをお手伝いしたことがあるので、大変さを知っているのだ。
【539、名無し:悲報、説明を聞いた俺、『はえー、活動エリア毎に分けてるんだ』としか思わなかった件】
【540、名無し:これが、『なぜ』を考えるということなのか……。俺が7歳の時は絶対にこんな思考力はなかったな】
【541、名無し:7歳の頃か。俺は何を考えて生きてたんだろう】
【542、チャム蔵:俺は近所の空き地にひたすら穴を掘って、仕事をしているつもりになっていたな。それだけしか覚えてない】
【543、名無し:私は学校が心細かった記憶がありますね。いつも集団登校で下を向いて歩いてました】
【544、名無し:俺は朗読が上手にできなくて国語が大嫌いだった記憶がある。いや、あれは小学二年だったか?】
【545、名無し:あたしはイマジナリーフレンドとお絵描きしていた記憶しかない( ;∀;)えりかちゃん元気にしているかな】
【546、サガ:おい、名無し表記を貫通してるぞwww】
【547、髑髏丸:俺は小1の頃に、家で描いた絵を、担任を飛び越えて何故か校長に手渡しでプレゼントしたな。あの時の俺は何を思って校長に渡したんだろう】
【548、ナオマサ:髑髏丸君にもそんな頃があったんだな。もちろん、描いたのは校長の生首だろ?】
【549、名無し:クッソwwww】
【550、名無し:ナオマサ氏キレッキレやんwww】
【551、名無し:センスに嫉妬するわwww】
【552、髑髏丸:さすがに違うわ。誰も座ってない椅子と机、花瓶と花、窓と風に揺れるカーテンという構図の鉛筆で描いた想像の部屋の絵だ。もちろん、随分稚拙な絵だったはずだが】
【553、闇の福音:今頃、その椅子に人が座っているんやろな】
【554、ジャパンツ:代わりに校長は行方不明になっていると】
【555、名無し:校長先生が貰い事故すぎて草も生えない】
【556、ユナ:面白すぎて授業が耳に入ってこないんですが……っ】
賢者たちがワイワイしている間にも建物の説明は続く。
買取所の中は広々としており、パーティションに区切られた個室にシングルベッドサイズのテーブルが設置されている。狭いカウンターを挟んでやりとりをするわけではないようだ。
ミニャはひとつの個室に案内された。
そこには実演用なのか膨らんだリュックがあり、査定員が立っていた。査定員は綺麗に頭を下げて、ミニャを迎えた。
「簡単に査定を実演しましょう」
「よろしくお願いします!」
ミニャは賢者をテーブルに乗せてあげ、一緒に実演を見せてもらった。
「彼女は1~10階までの素材を査定する専門の係です。先ほどミニャ様が仰ったように、バラバラのエリアの素材を持ってこられると査定が非常に大変になってしまうので、こうして専門の係を置いて、短時間で査定価格の合計を算出できるようにしているわけです」
クリストファー子爵がリュックから品物を次々と取り出し、査定員がそれをテーブルの上でザルや箱を用いて仕分けする。10階層までの素材のため品目も限られており、すぐに綺麗に分けられた。
「ミニャ様。これだけは10階層以外で取れる素材のようです」
「むむむっ!」
「こういった物は例外的に価格を調査して処理を行ないます。とはいえ、10階までをメインにして活動している者が、一気に階層を飛び越えて30階層の素材を持ち帰ってくることはほとんどないため、査定員も慣れているのですぐに調べることができます」
「にゃるほーね。10階までなら、11階とか12階くらいのヤツが混ざっちゃう感じですか?」
「その通りです」
ミニャはうんうんと全部理解。
【580、名無し:かなりシステマチックに処理をしているんだな】
【581、名無し:危なかったな。僕たちが考えたギルド受付みたいなのを作ったら大恥だったぞ】
【582、名無し:なんか、こういったシステムを見るとローマみを感じるんだけど】
【583、名無し:確かに中世ヨーロッパよりも、近代ヨーロッパ、江戸時代、ローマ時代くらいに思えるな】
【584、名無し:でも、こういった運営をするにはやっぱり人が多くないとダメだよなぁ】
査定の実演を見せてもらい、一行は外へ。
「クレイ君、凄いねぇ」
ミニャは一緒に社会科見学をするクレイに言った。
「はい、とても勉強になります」
「アメリアちゃんとソラン君も来られたら良かったのにね」
「あまり三兄妹で外へ出ることはありませんからね。ですが、いずれは見学させてあげたいです。どんな仕事があるかを知るのは、二人にとっても刺激になるはずですから」
村長さんとしても、貴族の息子としても、とても勉強になっている様子。
それから隣の『11~20階』と書かれた買取所から順番に前を通りつつ説明を受ける。やっていることは最初の買取所と一緒なので、外から説明されるだけ。
それによると、活動する冒険者の数が多いエリアほど買取所の規模が大きいようで、『80~』という最終ナンバーの買取所は滅多に人が来ないので小規模だ。
他にも『木材』と『鉱石』の買取所もあり、これは専門で採取する冒険者がいるため特別カテゴリーになっているらしい。
壁の中をグルッと回って反対側に。
「こちらはダンジョン市場になります。あっちで査定された物が最終的にこちらで商人や職人に売り出されます。この時間だとあまり活気はありませんが、品が並ぶ時間になるとそれはもう怒鳴り合いのような喧騒になります」
怒鳴り合いと聞いて、ミニャは「にゃー」と目を真ん丸にした。
「さきほど、本部には町の人が依頼に来るという話をしましたが、そういった依頼の料金はこの市場で買うよりも少し割高になります。しかし、依頼の場合はよほど無茶な内容でない限りは、決められた日にちまでに確実に手に入ります」
「ふむふむ。依頼は特別なんだ。にゃるほーね」
そんなミニャに抱っこされたニーテストが、市場にある大きな黒板を見上げた。
『ニーテスト:相場表があるのか』
どうやらこの市場はセリが行われているようで、前日と前々日に競り落とされた素材の最高価格と最低価格が記載されていた。商人たちはこれを見て当日の入札を行なうのだろう。
『ニーテスト:待てよ。もしかして冬の相場は下がるんじゃないのか?』
ニーテストは、ミニャに質問してもらった。
「クリストファーさん。えっとえと、相場はどのくらい動くんですか?」
賢者たちが会話可能だと知っているクリストファー子爵は、子供らしからぬ質問にあまり驚かずに答えた。
「相場は、動く品もあれば、ほぼ動かない品もあります。なにせ品が多いので、一口に説明するのは難しいですね」
「じゃあじゃあ、冬の相場は下がりますか?」
「はい、冬の相場は下がることで有名です。これは各地の冒険者がダンジョンに集まってくるからです。例年だと、特に20階以上の品物の供給が満たされて相場は下がっていきます。これは、船旅の運賃を払っても損をしない冒険者が、20階以上の実力だからです。そうですねぇ、他にも、突発的に冒険者が大勢動員される地上の事件が起こると、その事件のレベルに応じて一部の相場が上昇していきますし、農作物が不作になったり漁に出られない天候が続いたりすると食材系の素材が高騰します」
さすがにミニャは理解できなかったが、なんかあれば価格が変わるんだなくらいは理解した。なにせ、商人さんを相手に物を売ったことがあるので!
「だってさ!」
『ニーテスト:ありがとう、ミニャ。よくわかった』
「ん! クリストファーさん、ありがとうございました!」
そんなふうに市場を見学して、最後にダンジョンポールの見学になった。
昼前の時間でも入場する人がいるようだが、ミニャちゃん超特急はノンストップ。
王都でもすっかり有名なミニャは、順番待ちの冒険者から好奇の目で見られた。また、他にも好奇な目というか指を指されて笑われている人たちがいる。
「コーネリアとルカルカがメイド服着てる!」
「うっは! おいおい、似合うじゃねえか!」
「うっさいわね! 黙って並んでなさいよ!」
言い返すコーネリアに、ミニャは『わぁ』と純粋な目を向けた。
「コーネリアさんのお友達?」
「いえ、友達ではないですね。知り合いです。冒険者なんて狭い業界ですから、大体は知り合いになるんですよ」
「へーっ!」
知り合いに揶揄われたコーネリアだが、顔を赤らめることもなく、割と堂々としている。ミニャのメイドとしての自覚が出てきたようだと、賢者たちは勝手に決めて後方腕組み。
長年の経験からダンジョンから帰還してくる人がどこに出現するかわかっているようで、ダンジョンに入る人のルートとエリア分けされていた。
「おー、ダンジョンポールだ……うんと、覚醒女神の八聖道!」
ミニャは翡翠色のダンジョンポールに刻まれた文字を口に出して読んだ。
この文字の組み合わせでそのダンジョンの最大階層がわかるのだが、この場合は、『覚醒』で50、『八聖道』で9、その二つを掛けて合わせて450階層の大ダンジョンになる。
一番目立つダンジョンポールに注目していたミニャだが、その視線が周りに向けられた。
「凄く立派!」
そう、ダンジョンポールが立つ空間は凄く立派だった。
冒険者がパーティで入る場所なので床面にこそ余計なオブジェはないが、壁と天井に見事な彫刻が施されている。その中には、サーフィアス王国に伝わる女神の姿も大きく刻まれていた。
王国に伝わる女神は、ミニャが賢者たちに伝えた女神とは少し顔立ちが違い、さらにおっぱいが盛られていた。
王国の東にある旧リュベ国に伝わっていた女神像も、リュベ美人という現地人の女性に対する理想の容姿をベースに作られていたので、伝承とはこんなものなのだろう。
なんにせよ、ダンジョンがいかに重要な場所なのかわかる装飾だ。
「はっはっはっ、ミニャンジャ村もいずれはこれ以上にしたいですな」
「うん!」
フォルガの言葉に、ミニャはふんすぅと頷いた。
賢者たちは、いずれは伝説のダンジョンに、なによりもミニャにふさわしい数千年残るレベルの装飾を施した施設にするのだと、心に誓うのだった。
ギルド施設を回り、スタート地点である本部に帰ってきた。
「今日はありがとうございました! 凄く楽しかったです!」
「とんでもありません。こちらこそ、ミニャ様のご案内を務めさせていただき光栄なひと時でした」
ちゃんとお礼が言えて偉い!
こうして、ミニャの社会科見学は終わるのだった。
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