8-21 サーフィアス王家2
本日もよろしくお願いします。
王様とのお話を終え、現在のミニャは子供たちと一緒に中庭で遊んでいた。
王様はミニャとの会談にたっぷりと時間を取っているようで、途中で抜けて政務に行くようなこともない。それだけ王家にとっても大きなイベントだとわかる。
そんな王様たち大人勢は、中庭のテラス席で子供たちが遊ぶ様子を楽しげに眺めながら語らっていた。
王宮は上から見ると『日』の字を横にしたような建物と、さらに奥へとごちゃごちゃ続く造りをしていた。つまり、中庭が少なくとも2つある。
ミニャたちはその片方の中庭で遊んだ。中庭は2つに分かれているが片面だけでもかなり広く、手入れをされた芝生に石畳の道が通り、噴水や花壇で彩られていた。
「これは縄跳びっていいます!」
メイドや護衛の白剣騎士に見守られる中、ミニャは得意の縄跳びを子供たちに見せた。子供が多くいると賢者たちは知っていたので、遊び道具として念のために持ってきたのだ。
「そんでねー、こうやって一人で遊ぶこともできるけど、長いのだとみんなで遊ぶこともできます!」
もちろん賢者たちに抜かりなし。賢者が4mほどの縄跳びを取り出すと、クレイが言った。
「ミニャ様、それでは俺とコーネリアが回しますよ」
「ホント? じゃあお願いします!」
指名されたコーネリアは『え』と言った顔をしたが、大繩はある程度の背丈と回し慣れが必要なので、仕方なくその任務に就いた。
「賢者様、ケガをさせちゃったらお願いしますよ!」
コーネリアがこそこそと賢者にお願いした。お付きのネコ太は任せておけと頷く。
「こうやんだよー」
初めての子ばかりなので、クレイとコーネリアは縄跳びを足元だけで左右に揺らす。それをミニャがぴょんぴょんと跳んだ。
それがステップ1。
ミニャはすぐにステップ2に移行して、アメリアと向かい合わせで手を繋いで跳び始める。アメリアはキャッキャと楽しそうで、クレイやソランも嬉しそうだ。
一方、王様の子供たちは大半が真面目な顔でふむふむ。見ているだけでは楽しさを見いだせない様子。本日の主役とも言えるセフィーロも同じだし、ミニャと歳の近い子も同様だ。これは彼らもまた、女神の使徒と対面して緊張しているからである。
しかし、最も幼いオオカミ耳の幼女フレミアだけは目をキラキラさせていた。ミニャとアメリアがジャンプするたびに、その場でぴょんとしちゃうくらいだ。
そんな幼女に攻略の糸口を見たミニャは、次にフレミアと手を繋いで跳んであげた。
「フレミアちゃん来るよー。ぴょんぴょん、ジャンプ!」
「ぴょんぴょん、ジャンプ!」
「「ぴょんぴょん、ジャンプ!」」
一緒に「ぴょんぴょん」でリズムを合わせて、ジャンプ!
お姉ちゃんに遊んでもらえて、立派なオオカミシッポもブンブンである。
「わぁ、フレミアちゃん上手だね!」
「きゃふっ、きゃふぅー!」
末の妹がイヌッ気を出しちゃうほど楽しそうにしているので、上の子たちはちょっと緊張が解れ始めた様子。そうなると、気になるのは女神の使徒が楽しんでいる遊び。そんなに面白いのか。
「じゃあ次はリリエルちゃん、一緒にやろっか」
「は、はい!」
「みんなでこうやって手を繋いでー。今回は後ろが見えないからちょっと難しいよ」
リリエルはアメリアと同い年の6歳女児で、先ほど水龍の動画にビビったフレミアが足に縋りついたキツネ耳の子だ。
フレミア、ミニャ、リリエルの順番に手を繋いでスタンバイ。その配置の都合、向かい合わせではなく、3人が同じ方向を向いての挑戦である。
「それでは皆様、行きますよー。イチ、ニーのサン!」
「ぴょんぴょん、ジャンプ!」
クレイとコーネリアが操る縄を3人でジャンプ!
前から来たので全員がちゃんと跳べたが、後ろから来た紐にはリリエルが引っかかってしまった。
「ひ、ひぅ……も、申し訳あ」
「あはははっ、引っかかっちゃったね!」
大人たちがとても敬うので、リリエルは女神の使徒に大変ビビっているようだが、ミニャちゃん陛下は失敗をしても怒らない。キャッキャと笑い飛ばした。
「じゃあ、フレミアちゃんとリリエルちゃんは横向きでミニャの手を繋いでね。そうした方が良く見えるから」
ミニャだけ真っ直ぐに見て、2人はミニャが広げた手を両手で握る形で横向きになった。
すると今度は連続して跳べるようになった。
「わぁ、リリエルちゃんも上手!」
「ふにゅ!」
「フエミアもぴょんぴょんできましゅ!」
「フレミアちゃんも上手だね!」
「きゃふ!」
ミニャに褒められて、リリエルも楽しそうに笑い始めた。
なお、フレミアは幼さゆえか自分の名前を正確に言えない模様。親兄弟から一生言われるヤツである。
【623、名無し:ぴょんぴょん、ジャンプ!】
【624、織姫:オオカミ幼女やキツネ幼女も可愛いですねぇー。いろいろな服を着せてみたいです】
【625、名無し:これがひとつの楽園の完成形かもしれんな】
【626、幻魔:王族だからどうなるかと思ったけど、普通に縄跳びを楽しんでるな】
【627、名無し:そりゃ、子供ですもの。運動の好き嫌いはあるだろうけど】
【628、クライブ:一瞬で仲良くなっちゃうミニャちゃんはやっぱりすげぇんだ!】
【629、ライデン:主殿はフレミア殿を狙い撃ちにした感はあるでござるな。仲良くなる順番を考えていると思うでござる】
【630、名無し:俺がミニャちゃんの立場なら、同い年くらいの子と話しちゃうかも】
【631、ナオマサ:幼狼ぴょんぴょんの計と名付けよう】
【632、名無し:しかし、本命というか主役はセフィーロ君なんだよな】
【633、ライデン:いや、王の目的は、とにかく王家と縁を結ばせたいのでござるよ。だから、セフィーロ殿だけにこだわっているわけではないと思うでござる】
そんなふうに他の子たちとも縄跳びで遊び、どんどん仲良くなっていく。
一番上の子は14歳の女の子なので、ミニャにとってはかなりのお姉さん。賢者たちの見立てでは、こういった年長の子は縄跳びでキャッキャとしているというよりも、弟妹が楽しそうにしているので笑っているような印象だった。
しかし、年長さんの縄跳びの際には縄を一周させて連続跳びをして、こうなると年長さんもキャッキャッとその難しさを楽しんでいた。
とはいえ、彼らは剣王の子孫である。年長になるとその運動能力はかなり磨かれていて、結構あっさりと跳んでいる様子だ。
しばらくして、次の遊びに移行した。
「じゃあ、次は賢者様に空を飛ぶ魔法をかけてもらおうか?」
「おしょら!? きゅーんきゅーん!?」
すっかりミニャお姉ちゃんのことが好きになっちゃったフレミアは、ミニャにべったりくっつきながら顔を見上げる。お姉ちゃん属性を持つミニャは、「よーしよしよし!」と頭を撫で繰り回した。
フレミアのおかげで、村から離れて減少していたミニャのお姉ちゃん満足度が大分満たされている。アメリアは1つしか違わないので、お姉ちゃん満足度は上昇しないのだ。
ミニャの提案で始まった空中ふよふよタイムを体験すると、年長の子供たちもかなり楽しげな様子。この魔法は子供に対してあまりにもチート。特効である。というか、大人ですら楽しい。高所恐怖症ではない全ての賢者が太鼓判を捺すので間違いない。
「フライですか。随分と珍しい魔法を使いますね」
そう言ったのは、大人スペースで語らうキツネ耳の側室。
パトラシア人は、空中を飛ぶ魔法の存在があることを知っていた。
以前、ニャロクーンは風の女神の使徒が七日七晩嵐を追いかけて、風について観察したという伝説を語ったことがあったが、その方法こそ空を飛ぶ魔法である。【※6-1】
だが、女神の使徒だからこそそんなことができただけで、普通の魔法使いが使う空中移動の魔法は賢者たちが使うものと何ら変わらず、魔力消費が大きくて長距離移動ができるわけではなかった。
さらに使い手も少ないようで、賢者はニャロクーン以外に使い手を見たことがない。
『ニーテスト:ニャロクーン殿の話では、風の女神の使徒の血は随分と古いので、実のところ、この魔法を覚えられる資質を持つ人は多いそうですよ』
「風の女神の使徒。すでに伝承すらも残っていない女神の使徒です。ああ、私もニャロクーン様から伝説や魔法のご教授をいただきたいものです」
この側室は王が言ったように、知的好奇心の旺盛な女性だった。
一方、オオカミ耳の王妃は元騎士から妃になった経緯があるようで、その性格も騎士っぽい。彼女はこのイベントで発言が少なく、かなり控えめな態度を取っていた。
ニーテストが大人エリアで頑張ってそんな対応をしていると、子供たちの方にも次なる動きがあった。
「ミニャ様は女神様からいただいた魔法以外にも魔法が使えるのでしょうか?」
そう尋ねたのは、ミニャよりも1つ年上の女の子だった。ケモミミはなく、普通人の血が濃く出ている子だ。
「うん、使えるよ。見てみる?」
「差し支えなければご教授いただきたいです」
「じゃあ、あのお水のところに行こう!」
ミニャは『難しい言葉使うなぁ』と思いつつ、たぶん見たいということだろうとそう提案した。
ミニャたちは中庭の中央にある噴水まで移動した。
噴水は、円形の池の中央に花を模した造形の口から水が湧き出ている。
賢者たちが変な物をよく作るので、ミニャは噴水の原理についてはあまり疑問に思わない様子。
ミニャが池の縁にぴょんと跳んで立つと、フレミアが真似をしてよじよじと登ろうとした。それをお付きのメイドがすかさず回収して、ジタバタされる。
「じゃあ行くよー。お水よー、にゃーっ!」
ミニャが、得意のお水を出す魔法を使う。
ミニャの出した水の玉は直径60cmくらいにもなり、それが空中で綺麗に球体を維持した。
その魔法の完成度を見た子供たちは口をあんぐりと開けた。
ついでに、離れたテラス席にいるキツネ耳の側室もバッと立ち上がり、「なんて見事な魔法なの」と呟く。テーブルの上にいるニーテストは、自分が褒められたみたいに良い気持ちになった。
ミニャは水跳ねを気にして、「よいしょ」とゆっくりと噴水の中へと落とした。
「こんな感じ!」
ミニャはぴょんと噴水の縁から飛び降る。
「ミニャ様、とっても上手です!」
アメリアの褒める声を聞いて、子供たちはハッとした様子で拍手する。褒められて、ミニャはえっへん。
その頃になると王様たちも近くに来ていた。王様が言う。
「ミニャ殿は水の魔法も達者なのだな」
「にゃふぅ、いっぱい練習しました! でも、クレイ君も上手にできます。アメリアちゃんも練習した?」
「はい。ソランお兄様と一緒にたくさん練習しました」
「じゃあソラン君と一緒に見せて。あっ、クレイ君も見せてあげて」
「わかりました」
というわけで、領主の3兄妹も実演することになった。
ぶっちゃけ、ミニャのように池の縁に飛び乗る必要はないので、3人はそのままの高さから池に向かって手を向ける。
「お水よー……集まりなさーい!」
アメリアが可愛らしい声で気合を入れると、バケツ三杯分ほどの水が球体となって現れた。ミニャよりも少ない水量だが、綺麗な球体を維持して宙に浮かび続けている。
以前、ミニャンジャ村で実演した時はバケツ2杯分程度の水量だったので、順調に成長しているようだった。
ソランはそれよりも少し大きく、やはり球体を維持。アメリアと同じようにミニャンジャ村で習う方法で練習したのだ。これには領主館にある人形を使って、賢者たちが教えていた。
そして、クレイはミニャに次いで大きな水球を作ってみせた。ニャロクーンから直に指導を受けているため、都度アドバイスを貰えるので、クレイの魔法の腕前はかなり高くなっていた。これはクレイだけでなく、魔法を習得したミニャンジャ村の子供たちは、4歳児のルミーですら上手く扱えた。
「おーっ、上手ぅ!」
3人が実演を終えて、ミニャはパチパチパチと手を叩いた。他の面々も拍手で3人を称える。
すると、ミニャはふとコーネリアと目が合った。
「コーネリアさんはもっと上手なんだよ」
唐突にぶっ刺す幼女である。
ミニャはよく遊んでくれるコーネリアが大好きだった。だが、刺された本人からするとそれはそれ。
「ちょちょちょ、ミニャ様。王陛下の御前ですので」
「良い。子供たちの刺激となる。秘匿性がないのならやってみよ」
王様から許可が出たことで唐突に始まったコーネリア辱めタイム。
コーネリアは「は、はいぃ……」と仕方なく噴水に近づく。
「コーネリアさん、がんばれー!」
などと暢気に応援する元凶のにゃんこ。一部の賢者は辱めを受けるコーネリアに萌える。
【931、名無し:コーネリアさんの辱めタイム好きだわぁ】
【932、名無し:(*’▽’)あっ、コーネリアさんと目が合った。そうだ!】
【933、名無し:ミニャちゃんにすっかり好かれちゃったからなぁ】
【934、名無し:悪気はないんや。悪気はないんや……っ!】
【935、名無し:だけど、王様の前で実演できるって滅多にあることじゃないと思うぜ】
【936、名無し:確かに、ここで凄いところを見せたら冒険者としてかなり箔がつきそうだよな。昨日の縄跳びの時も領主様から高評価を得てたし、絶対に覚えは良いはずだよ】
【937、名無し:ハッ、ミニャちゃんはコーネリアさんのキャリアアップのために!? こ、これがスーパー上司ミニャちゃんのウルトラマインド……っ】
【938、名無し:うぉおおお、ネコミミ帝国筆頭メイドの魔法を見せてやれぇ!】
コーネリアたち冒険者は、ニャロクーンから魔法の講習をよく受けていた。その筆頭はフォルガパーティのキツネお姉さんクリスタだが、他の冒険者も稼ぎに直結するのでかなり貪欲に学んでいる。
他にも、賢者が作った人体模型人形を使った講義も、フォルガなど身体強化の魔法が使える冒険者に人気があった。魔法は観察。人体模型人形を通して、普段見ることができない体の内部をイメージしやすくなり、彼らの魔法の腕前は日々向上していた。
「水よ」
コーネリアは噴水の水を少し見てイメージをより明瞭にしてから、片手を前に出す。すると、ミニャが出したのと同じくらいの水球が出現した。
その水球が形を変え、自身が使う操り人形と同じ形に変化する。人形使いとして人形をよく観察することで、水でその形を作れるようになってしまったのだ。現状でこの水人形を操って戦えるわけではないが、魔法の制御技術の高さが窺える。
「これは見事だ……」
王様が唸る。
高評価を受けたコーネリアだが、つい先日にはスピリナの修練を受けたので、伸び代はまだまだあった。鍛え続ければ、高名な冒険者になれるかもしれない。
実演を終えたコーネリアは綺麗にお辞儀すると、元居た場所へ戻った。
「私、皆さんのように上手にできません」
6歳幼女のリリエルがシュンとした様子で言った。
「フエミア、まだ魔法ちゅかえないでしゅ!」
フレミアが出しゃばるので、オオカミ耳の王妃様に抱っこされた。王妃の腕の中でフレミアはビチビチした。ミニャお姉ちゃんに構ってほしいのである。
「リリエルちゃん。魔法はねー、観察が重要なの」
「観察ですか?」
「そうだよ。こうやってねー、お水の魔法を使うなら、お水がどんなものなのか知らないとダメなの」
ミニャは噴水の中に手を突っ込んでバチャバチャとかき回した。
ミニャちゃん先生の魔法教室が始まった。
「水がどんなものか知る……」
子供たちを噴水の周りに招いたミニャは、芝生をブチッと千切って、ポイッと噴水に入れる。自由である。
「こんなふうにお水の中に草を浮かべたら草がどんなふうに動くかとか、いろいろなことをして、よくお水を見るんだ。ほら、見て。なんか全部の草が同じ感じで水の上を動くでしょ? こういうのをどうしてかなーって考えるの」
「そうすると水を出す魔法が上手になるんですか?」
「うん! こうやってお水のことをよく知ると、綺麗な丸い水にできるんだ。お水のことを知らないとぐちゃぐちゃなお水になっちゃうし、お水を浮かべておくこともできないですぐに落ちちゃうの。でも、お水の量を増やすにはまた別のことを知らなくちゃダメなんだよ」
「水の量を増やすその知識というのはどういったものなのでしょうか?」
キツネ耳の側室が思わずと言った様子で尋ねる。
すると、王様が「ミリア、控えよ」と手で制した。ちなみに、側室の名前はミリアである。
「へ、陛下、ご無体な!」
「ミリア、やめなさい」
そして、王妃からも叱られ、ミリアはシュンとした。
この国は徒弟制なので、一門一派のように知識は身内の中で大切にされる。そういった知識はいずれ外部へと広がるものだが、それは一門の者が恩恵を十分に受けてからというのが普通だ。
だから、王様と王妃は、手順を踏まずにこれ以上ミニャの口から知識を語らせるのははしたない行為だと考えたのだろう。
ミニャは、その様子をはえーと見つめて、凄く既視感を覚えた。
「なんかクリスタさんみたい」
フォルガパーティのクリスタは、側室と同じキツネお姉さんで、魔法のことになると周りが見えなくなる。子供たちが授業をしている時も、子供たちの思考能力を育む一環で行なわれるニャロクーンの問いかけに対して、自分で答えてしまうくらいだ。そういう時には、執事のジゼやその妻ファフによく叱られていた。
「ミニャ殿、すまなかったね。先ほども言ったが、どうにもミリアは魔法や技術のことになると目の色を変えてしまってね。よく注意しておくよ」
「ううん、村にいるクリスタさんも同じだから大丈夫です」
「クリスタか。あれはミリアの従妹でね。迷惑はかけていないかい?」
「ううん、クリスタさんはいつも優しくて大人しいけど、たまに面白いから楽しいお姉さんです。それにダンジョンでたくさん素材を持って帰ってきてくれます」
「それなら良いのだが」
ミニャは良い感じのことを言ったが、村でのクリスタの様子を知っているコーネリアとクレイはちょっと体をもぞっとさせた。シゲンはポーカーフェイスだ。
ミニャが言う『いつも大人しい』は魔法のことを考えて大人しいだけで、『たまに面白い』は何かを掴んだ時やニャロクーンの授業を受けている時の様子を指していた。何かを掴んだ時には、それを実践するためにダンジョンや河原へ走ったりして、それは食事中や入浴中にも訪れ、やはりジゼやファフに怒られていた。
クリスタという女は、他の冒険者や村民さんよりも上品でまともそうな見た目をしているが、その実、村で一番怒られているのは間違いなく彼女だった。
ミニャは、これを言ったらクリスタが怒られちゃうかもしれないと思って、黙っておいたのだ。ミニャはフォローができる7歳児なのである。
そんなふうにちょっとしたトラブルはあったものの、ミニャと王室ファミリーの顔合わせはお互いに好印象で終わることができるのだった。
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