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49 3世の作戦

「きゃ〜〜!!!!!な、なに!?何がどうなってるの〜〜!?」

 眠りから覚めたラクラミキオアラは、目の前で懐中時計の硝子が割れて飛び散り、頭上では無数の光る石がものすごい速さで飛んでいる異常な光景を見て、悲鳴をあげました。同じように目を覚ましたドイナやブリキのきこりたちも、同じでした。

「ラクラミキオアラ!!あいつは、『オズの魔法使い』に出てくる"東の魔女"の怨霊だ!!その懐中時計はそろそろ限界だ!盾にならなくなる!早く、こっちに移動しろっ!!こっちはおれが作ったバリアで守ってるから、大丈夫だ!!」

「ま、魔女の怨霊!?ちょ、ちょっと待ってよ!!それ、どういうこと!?"チョコレートパフェ味のチョコ"みたいなもの!!?」

 あまりにも突然のことだったのでラクラミキオアラの頭の中は混乱しましたが、とにかく言われた通り、バリアの方に移動することにしました。懐中時計は丸いけれどもバリアは長方形なので、両者の間に隙間が全く無いわけではありませんでした。しかし隙間から常に石が飛んできているわけではなく、三秒にひとつくらいの頻度だったので、タイミングを見てピョンとバリアの方に飛び移れば大丈夫だろうと彼女は思いました。

「じゃ、じゃあ、行くよ…!!」

「うんっ!!気をつけろよ!!」

 ペイズリー3世が、両腕を伸ばしてバリアを維持しながら、ラクラミキオアラに顔を向けて言いました。その次の瞬間、ラクラミキオアラはピョンとバリアの方に飛び移りました。石に当たることは無く、無事移動することができました。ドイナはラクラミキオアラを抱きしめて、

「良かった〜!!もう大丈夫だよ!!ペイズリー3世が、あいつをやっつけてくれるからっ!!」

 と言いました。ペイズリー3世は目を丸くして、

「えっ…!?もしかして、おれ、めちゃくちゃ強いってことになってる?そういう設定なの?」

 とドイナにきき、ドイナはこう答えました。

「うん!!もちろん!!じゃないと困るもん!わたしの中では、そういう設定だよ?女子には弱いけど、悪い敵には強いっていう」

 ペイズリー3世は、"か…勝手に決めないでくれよ…"という表情でドイナを見ました。ペイズリー3世が作ったバリアは横幅五メートル、高さ三メートルくらいだったので、大きくなっているライオンもしっかり守られていました。

「ライオンさん!!今から、あなたに魔法をかけます!あなた自体がバリアで包まれているような状態にする魔法です!そのあとで、おれ以外のみんなをもう一度小さくしますから、みんなを乗せて、空を飛んで下さい。東の魔女はきっと、ライオンさんの方に気を取られますから、その隙をついておれが、攻撃します!!」

 ペイズリー3世はそう言って、左手でバリアを維持しながら、右手でライオンに魔法をかけました。ライオンは白い光に包まれて、こまかい稲妻のような光が四方八方に放たれている状態になりました。3世はそれから、みんなを再び小さくしました。

「おれのしっぽに登ってくれ!そしたら、ゆっくり背中に移動させるから!」

 ライオンにそう言われたみんなは、ライオンのしっぽによじ登りました。ライオンは慎重にしっぽを曲げて、背中の上にみんなが降りられるようにしました。

「みんな、ちゃんと降りた?大丈夫?」

 ライオンがきくと、ラクラミキオアラたちは

「だいじょ〜ぶ〜!!」

 と、おおきな声で返事をしました。ペイズリー3世以外の全員が、ライオンを包んでいる白い光の中にいる状態になりました。

「その状態なら、石が飛んできても絶対大丈夫です!!一分くらいでいいから、東の魔女の注意を引きつけて下さい!!その間におれは、攻撃魔法を使うための集中をします!」

「分かった!!やってみる!!」

 ライオンはペイズリー3世に視線を向けて答えました。その目は百獣の王の名にふさわしい、強い勇気を宿した目でした。

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