20 ペトリファイドウッド
子供たち三人は、「いただきま〜す!」と言ってコルヌレッテを食べ始めました。
「おいし〜い!!エレナさん、焼くの上手っ!!」
ラクラミキオアラがそう言うと、ドイナと3世も、
「ほんと!とっても美味しいです!」
「おれ、こんなに美味しいコルヌレッテ食べたの初めてですよ!」
とエレナの作ったコルヌレッテを絶賛しました。
「あら〜!みんなお世辞がお上手ね!」
そう言ってエレナは、子供たちがそれぞれコルヌレッテを何個か食べて、満足するのを待ちました。しばらくして三人が満足したと判断したエレナは、
「ところで、あなたたち、わたしに何かききたいことがあるんでしょう?何をききたいのか、おしえて?」
と、ききました。
「エレナさん。わたし、森の女王ガブリエラに…ガブリエラさんに会いたいんです!わたし、本を読むのが大好きで、特に物語が大、大、大好きなんですっ!!ガブリエラさんは『物語の宝石箱』を持っているんですよね?わたし、ドロシーやモモに会ってみたいんですっ!!」
ラクラミキオアラは情熱に満ちた、真っすぐな目でエレナを見て、そう言いました。
エレナは、しばらく黙ったままラクラミキオアラの目をみつめていましたが、
「分かったわ。ちょっと、待ってて」
と言って椅子から立ち上がり、奥の部屋に向かって歩き始めました。部屋に入り、しばらくすると、出てきて再びラクラミキオアラたちの前に座りました。そしてラクラミキオアラの前に、木のような、けれど石のようにも見える、不思議な物体を置きました。手のひらに乗るくらいの大きさなのですが、それには何か強烈な力が宿っていることをラクラミキオアラは感じ取りました。
「これは、ペトリファイドウッドという、古代の樹木が化石になったものよ。これは二億年以上も前の樹木からできたもので、わたしが樹の精霊ドリュアスから人間に生まれ変わる直前に、森の女王ガブリエラから渡された、特別なペトリファイドウッドなの。"人間になる決意をしたのだから、もう、わたしのところに来てはいけない。もし、どうしても寂しくて、我慢できなくなったら、このペトリファイドウッドに話しかけなさい。そうすれば、わたしと話すことができる"…女王はそう言って、わたしにこれをくれたの。ラクラミキオアラ…あなたが本気で会いたがっていることを、今から女王に伝えてみるわ。このペトリファイドウッドを使って」
エレナはそう言うと、卓上のペトリファイドウッドの上に両手を重ね、目を閉じました。三人の子供たちは、真剣な顔でそれを見ていました。リビングのソファに座っている1世も、こちらに顔を向けて、エレナを見ています。
しばらくすると、エレナは目を開けて、ラクラミキオアラに、こう言いました。
「ラクラミキオアラ。女王は、あなたと直接、話したいとおっしゃっているわ。女王はあなたの持つ純粋な心を遠い場所から感じ取っていて、あなたなら、ペトリファイドウッドを使えるとおっしゃっているの。これの上に、わたしがしていたのと同じように、両手を乗せて、目を閉じて、集中してみて」
ラクラミキオアラは緊張した様子で、言われた通りペトリファイドウッドの上に両手を重ね、目を閉じました。そのときラクラミキオアラは心の中で、ガブリエラにこう話しかけていました。"ガブリエラさん…わたし…ラクラミキオアラです…あなたと、お話がしたいです…"




