15 スリル満点の着陸!
ラクラミキオアラは、
「ドイナ、大丈夫だよ!このハヤブサさん、ぜんぜん気づいてないよ!わたしたちに!」
と後ろにいるドイナに向かって言いました。
「うん…!でも、やっぱり、怖いものは怖いのよっ!!」
そう言ってドイナはラクラミキオアラの腰に腕をまわして、ぎゅっと、しがみつきました。
飛び始めて数分たったとき、ラクラミキオアラとドイナは、
「きゃ〜!」
と叫びました。ほうきが、角度をつけて降下し始めたからです。ラクラミキオアラが住んでいるラスノフとブラン村は近いので、飛び始めて数分でもう、着陸態勢に入ったのです。
「ぐるっと旋回しながら降下するからの。しっかり、つかまっておるのじゃぞ!」
1世がそう叫びました。ラクラミキオアラとドイナは、手に力を入れて、ほうきの柄をぎゅっと握りしめました。ほうきは四十五度に傾いて旋回しながら下がっていきます。まさにジェットコースターのようでした。
「きゃ〜〜〜〜〜!!!」
二人はさっきより更に大きな声で叫びましたが、笑いながら叫んでいて、とても楽しそうでした。ドイナは鳥の妖精なので飛ぶことには慣れているのですが、ムネアカヒタキは小さな鳥なので、ふだん、すごく高いところを飛ぶことは、まずありません。それに1世のほうきは、ハヤブサと並んで飛ぶほどの速さなので、やっぱり怖いのです。
少しずつ地面が近づいてきて、三人が乗ったほうきと、ペイズリー3世が乗った懐中時計は、無事、ブラン村にある公園に着陸しました。着陸といっても、ほうきも懐中時計も、浮いたままでした。
「めちゃくちゃ楽しかった〜〜!!」
ラクラミキオアラがそう言ってほうきから降りると、ドイナも、
「ほんとっ!!ハヤブサは怖かったけどっ!」
と言いながら降りました。
1世も降りて、右手をパチンと鳴らしました。ほうきは一瞬で小さくなり、1世の肩くらいの高さまで跳ね上がりました。それを1世は右手でつかみとり、ポケットに入れました。
「さあ、到着したぞい。ほほほ。ここからだと、ドゥミトレスク家の邸宅までは歩いて三分くらいじゃ」
四人はいっしょに、邸宅に向かって歩き始めました。
「おじいさん、その、ガブリエラに会ったことがある村人って、なんていう名前なの?」
ドイナがきくと、1世は、
「アレックスじゃ。年齢はわしよりもずっと若くて…きいたことは無いのじゃが、おそらく三十歳くらいじゃろう」
と答えました。
「わたしたちも、ドゥミトレスクさんのお家の中に入っちゃって、大丈夫なのかな?」
今度はラクラミキオアラがききました。
「それは大丈夫じゃ。"タブレのお茶会"には、若者からわしのような老人まで、様々な人たちが参加しておるのじゃが、自分の子供といっしょに来て、部屋の中や、庭で遊ばせておる人もたくさんおる。ドゥミトレスクさんは優しい方じゃから、それくらいのことでいちいち怒ったりはせんのじゃ。安心せい」
1世がそう言うと、ラクラミキオアラとドイナは嬉しそうな表情で視線を交わしました。




