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ヴェクサシオン  作者: 杜若表六
第二章

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 超自然的な現象の数々をさんざん語った後に、いまさら申し上げるのは少しばかり気が引けるのだが(冒頭にも少し触れたのだが)、この物語にはそういった荒唐無稽な要素が横溢している。たとえあなたが夢で観たといっても、誰も聞く耳をもってはくれないような信じがたいことが……。だから、天使だとか悪魔だとか怪鳥だとかが出てきたところで、どうかその現実性(リアリティー)を気にしないでいただきたいのである。もちろん、たとえ彼らがちょっとした活劇のたぐいやら、お涙頂戴の茶番劇やらを演じ始めたとしても、なおさらのこと。

架空の存在なりに、彼らは彼らの思うように行動していくのである。

 考えてみたまえ、いくら厳しく見積もっても、架空の存在である彼らにだって、ある程度の自由はあるといえないだろうか? そしてその自由の中に、『己の思うままに存在する』という自由が入っていても、不思議ではないのではないだろうか。一見して夢の残り香にすぎないような彼らにも、ほんの少しばかりは居場所があってもいいのではないか……。おそらく、彼らのおこないによって、これからますます物語は混乱し、とりとめなく賑やかになっていくだろう、しかしそれは秋の空の気まぐれのようなもので、突然静かになったり、また荒れだしたりするかもしれないのだ。そう、役者の即興(アドリブ)で、物語は変化していく……それがいくらひどい舞台、衣装、演技であろうとも。当たり前の話だが、即興劇の規則と言えば、台本がないことだけなのだ。

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