一歩
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」
身体とドローンは間に合ったものの、髪が挟まった。
「っ!!」
急いで挟まった髪を切り落とす。....髪型、今どうなって.....いや、待ってほしい。ボス部屋が広すぎる。
:これはこれで...
:おかしいはずなのに似合うのムカつく
:ツーブロックっぽくなってるwww
:濡れました♡
「“ちっ!!出ていきなさいよ!!”」
そう言って俺の胸倉を掴むアメリア。
:ご主人様を放せ!!!
:助けにきたのにそれはないだろ
:こっちはソロできたんだぞ!!
:お、おい、アメリアちゃんの後ろ...
「“アメリア!!後ろ!!”」
アメリアの後ろには、
「“うぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!”」
赤い竜がいた。
:ワイバーンだ!!!!
:竜って本当にいたのか!?
:幻だと思ってた....
:ご主人様ぁ....
........いや、違う。ワイバーンだけじゃない。
「「「「「「「「「「「「「“からくる!!!”」」」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「「「「“ぐるるるる!!”」」」」」」」」」」」」」
ダイロとアイアンキメラ(オーラ付き)が壁から大量に現れる。ざっと合計50体ほど。...が、襲って来ない。モンスターたちの間で統率が取れている。あのワイバーンが?
...それとももっと上が........?
それに対抗して、アメリアたちと連携を取るため、お守りを振る。
「アメリ!....ア....」
アメリアとコミュニケーションを取ろうとしたが、
「え...う、うそよね....?あ、ぁ...?は、入ってきた扉!!...開か.....ない...!嘘っ!!噓噓噓噓噓噓噓噓噓噓噓噓噓噓噓噓っ!!!開いてっ!!開いてよっ!!」
アメリアは正気を失ったように扉を開けようとして、
「こ、こないでぇっ....いやっ......いやぁぁっ.......!」
エミリーは地面にペタンと座って、失禁までしていて、
「ふ、2人ともっ...!!逃げろぉっ...!!」
「あ、あなたぁ...!こ、腰が抜けて...!」
両親は腰が抜けて動けそうにない。
「は、はは....俺1人。」
笑うしかない。ソロなら突破できる。ただ、この4人を守りながらになると...
:50体くらいいるだろこれ!!
:謎の強化含めたらスタンピードの半分くらいの脅威...?
:それを5人で!?
:スタンピードだって、ポーションの供給があったのに!
:しかも、あのときは全国から探索者が行ったじゃん!
:おいこれ全滅あるぞ!!
:噓ですよね...?ご主人様....?
襲ってこないなら回復をと、ポーションを飲もうとする。その瞬間だった。
「あ..あは。あははははははははは!!!!」
アメリアが笑いながら、モンスターに突撃する。
「アメリア!!?」
「だめよ!!!戻ってきなさい!!」
「あはははははははは!!!」
両親の声ですら、全く聞こえていない。
「「「「「「「「「「「「「“ぴぎぃぃ!!!”」」」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「「「「“がぁぁぁぁ!!”」」」」」」」」」」」」」
モンスターたちも一斉に動き出す。慌ててポーションを捨てて、
「雷龍!!」
雷龍を纏い、アメリアに近づく。駆け出すのが早かったアイアンキメラがアメリアの首を爪でひっかこうとした瞬間、
「強破!!!」
移動中に静止の条件を満たした強破で切り刻む。そのままエミリーたちがいるところまで、アメリアを抱っこして戻る。
「「“ぴぎぃぃ!!”」」
刀を鞘に納めて、エミリーを抱えて、そのままむかってくる2匹のダイロを雷龍で無理やり避ける。
実は、雷龍を纏うと、厳密には素早さが3倍にはならない。雷龍の進行方向に素早さの2倍の速さで強制的に移動させられる。それに、俺自身の進行方向を合わせることで3倍になっている。
......ただ、この雷龍で、俺の魔力量が半分になった。救出速度を重視しすぎたことと、いきなりS+ダンジョンに来ることになったせいで、ポーションの用意が落としたあの一つしかない。最高級のものだったのに..
「エミリー!!おんぶをするから強く掴まってほしい!!」
「え...で、でも....男.....」
「言ってる場合か!!!!死にたいのか!!!!」
もうアドレナリンで俺の口調すら忘れた。何を喋っているかも分からない。
アメリアを気絶させて、両親の近くに置き、エミリーをおんぶする。
:なぁこれマジで全滅あるって
:嘘だろ...ご主人様でも無理なのか...
:1人で4人救出自体が無理なんだよ!
:うるさい!!!うるさいうるさいうるさいっ!!!ご主人様は絶対に勝つんです!!
:パブリックビューが阿鼻叫喚に...
:私たちは!!!ご主人様を!!信じるだけしかできないんです!!!私たちが信じなかったら誰がご主人様を信じるんですか!!
「エミリー!ポーションは持ってるか!っ!雷龍!!」
突撃してきたアイアンキメラ2体を雷龍で倒しながら聞くと、
「わ、私、さっき腰が抜けたせいで...割れちゃいました..!ご、ごめんなさいぃぃっ...!あ、あと1本だけで....!あ、でも、飲んだら魔力が全回復する最高級のものです!」
雷龍王を使えば一掃はできる。ただ、このモンスターたちの統率を取っている何かと戦うことになったときに魔力切れで死ぬ。
「....俺を、信じてほしい。」
分かってる。これがエミリーにとって、難しい事だと。まして、裏切りが起きた瞬間に人が簡単に死ぬ状況。ロマンス詐欺とはわけが違う。
「何があっても、俺はエミリーを裏切らない。絶対に。だから、今からやる事に対して、俺を信じて、動かないで待っててほしい。」
エミリーが黙る。
「っ!!強破!!」
飛んでくるダイロを切る。
「...なっ、なんで、そこまでしてくれるんですか?私たちの事、み、見捨てても...」
今はそんなことを...とは言えなかった。泣いてたから。
「...ハンナが悲しむから。」
:<ハンナ>誠一...
:頼む...ご主人様........
「う、うわぁぁ!!」
「あなたぁぁぁ!!!」
両親を上から襲おうとしてるアイアンキメラを、
「雷龍!!!」
雷龍で倒す。いつワイバーンが襲ってくるのかが分からない。むしろ、モンスターが苦しんでる俺たちを見て楽しんでるような気もする。
「....私だって、変わりたいんです。分かってるんです。変わらないといけないって。だ、だから、私は!あなたを!!信じます!!絶対に!!」




