あなたは前の私
<少し前・誠一視点>
「流石にストーカだと...」
ここ2日間、ザラの家に行っている。ただ、話ができてない。昨日は帰ってと言われたのに、3連続は流石にストーカーを疑われる。俺が悪いから誠意は見せるべきだとは思うが...
(蜜)「ん、ダメ。そのまま行き続けて。精神がやられかけてる。あれは、誠一に助けられなかった私。」
蜜瑠がこう言うなら、行くしかない。
「...本当に、決めつけは視野を狭めるわよね..」
ハンナのここ数日の変わり方はすごい。出会った時の『汚らわしい』はもう聞けない。
「せ、誠一に汚いところなんてないわよ!」
...もう心を読まれることに慣れて、俺は口数が減ってきている。ヤヴァイ。思春期の男子あるあるの妄想はもう出来ない。
「ダーリン♡私なら、いつでも妄想の通りにしてあげる♡」
そう言って胸を寄せるエイヴァ。....大きい。
(ナ)「...早く行くべき。」
頬を膨らませるナナ。エイヴァと比べると小さいことを気にしていたのは知ってる。..それでもナナは可愛い。
(ナ)「....まだ行かないで。」
KAWAIIIIII!!!!!ナナの頭を撫でると抱き着いてくる。は、破壊力が高すぎる。
(ナ)「...いい匂い。落ち着く。」
トロンとした顔で上目遣いをしてくる。やばい。やばすぎる。俺も抱き着こうとした時、
(蜜)「ん。いいから早く行って。」
ごめんナナ。蜜瑠の目には勝てなかった....。
(ナ)「ぁ....」
帰ったらいいですよね蜜瑠さん!!!
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<ザラの家の前>
「さ、流石にストーカー..でも蜜瑠が行けって...。」
いざ家の前にくると心配が勝った。インターホンを押すことを手がためらう。
後で考えると、この迷う時間が無駄だった。
「っ!!」
突然上から何か降ってきたため、咄嗟に身体強化を強める。上を見ると、物を投げた人が誰かすぐわかった。
ザラ!と言おうとしたが、その失望の目を見てはっとする。ザラは身体強化ができない。今俺がやったことは、自慢と見られるかもしれない。
そのまますぐ窓を閉めて部屋の奥へと向かうザラ。すると、
(蜜)『ん。証拠ができた。待ってて。』
と蜜瑠から伝えられる。しばらくすると蜜瑠たち全員がやってきた。
(蜜)「ん、百聞はなんとやら。」
とスマホを見せてくる。そこには、
『僕...どうしたら.....そ、そうかな..』
1人で会話?をしているザラがいた。
(蜜)「ん、精神状態しだいでこうなる。もう限界。明日には....」
(ナ)「....でも、今止めても効果はない。ザラの中の何かが爆発したときに止める。」
...それまで苦しいザラを見逃せと?
「ダーリン、それは違うよ。ザラの母がDVをしてるみたい。だから、それも同時に何とかするんだよ。」
「だから、蜜瑠が今まで証拠を集めてたのよ。」
(蜜)「ん。誠一は実質囮。ザラに万が一悟られたくなかった。ごめん。」
今回の件は俺のせいだ。それなのに....ありがとう。
「大丈夫だよダーリン♡病める時も健やかなるときもだよ♡ず~っと一緒♡」
(ナ)「....ここにいる全員が同じ想い。」
ナナが俺を抱きしめる。さっきのそれとは違う。言葉が出ない。ありがとう。その5文字が重い。
「誠一の言いたいことは分かるわ。だから大丈夫。」
(蜜)「ん。誠一はもう大丈夫。...今から作戦を言う。」
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<翌日>
ザラの家の前で待機していると、ザラの家から音がする。ザラが包丁を持って母親を追い詰めていた。
急いでザラを止める。
「ザラ!!!」
「“っ...!このバケモノ!!親不孝者!!!”」
「...ぇ、ぁ..な、なんで僕....ヒ..ヒュ...」
ザラの母が何を言っているか分からなかったが、ザラの状態がまずい。息ができてない。
「ザラ!!落ち着け!!ザラ!!!」
ザラに向かって大声で言うが聞こえてない。
「っ..俺を見ろ!!!」
ザラの顔を掴み、無理やり目を合わせると、呼吸はできるようになったのか、ザラが
「ぼ、ぼ、僕ね。し、信じてもらえないかもだけど、ほ、本当に、い、今までおかしくて、そ、それでね、ち、違う僕が、心に、い、いたんだ。」
焦って、泣きながら言うザラ。ただ、顔が、言いたいことは違うと物語っていた。...昨日の俺と似ていた。言いたいことが言えない。たった5文字が言えない。何百文字と言えるのに。そんな顔だった。
「...大丈夫。言いたいことは全部わかる。」
「ぇ.......」
驚いた顔をしたザラ。もう1人じゃない。そう伝えるには、
「大丈夫。」
そう言ってザラを撫でる。その瞬間警察が入ってくる。..も、もう少し静かにしてほしかった。ザラがビクゥッとなった。
「違う。大丈夫。」
大丈夫。この言葉が本当に届いてるか分からない。ただ、この警察は
「“なんで私なのよ!!逮捕されるのはあっちよ!!”」
「“DVの証拠が挙がっているのはあなただ!娘の方は心神喪失となっている。”」
「“どこがよ!ちょっと!離しなさいよ!!”」
連れていかれる母親。
「ほら。」
笑う。この警察は蜜瑠とハンナの力で完全に俺たちの味方になってる。...そこまでの権力があると思ってなかった。
(蜜)「ん。私の作戦勝ち。気配を消して証拠を集めることは簡単。」
「ダーリン流石♡」
今回、俺は何もしてないと思う。...本当に、流石と言われることはしてない。すると、ザラが袖を強く握る。..皮膚もちょっとつまんで、イテテテ。
「ご、ごめんね。助けてくれてあ、っ...ありがとうダーリン。」
ダーリンと言ってくるザラ。なぜ!?
(ナ)「...誠一はたらし。」
頬を膨らませたナナ。可愛いのでナデナデしにいく。ハンナとエイヴァがザラと話がしたいと言うから、仕方なくだ。うん。仕方なく。
(ナ)「...仕方なくなら来なくていい。」
ち、ちちち、違うんです!!これはナナをナデナデしたいと思ってたことが恥ずかしく..
(ナ)「...分かってる。フフッ。」
笑うナナ。..からかったためナデナデ中止で。
(蜜)「ん。なら、私の頭が空いてる。」
そういうので蜜瑠を撫でる。ナナは嘘!?という顔をしている。可愛い。もう一つの手でナナを撫でる。
「ダーリン♡今日は6人でしよう♡」
「!!!!?」
俺は今、嘘だろ!!!?という顔をしてると思う。いや、本当にどうしてソウナッタ。
(ナ)「...可愛い。」
やりかえされた!!?
エイヴァの後ろに、顔を真っ赤にしたザラがいる。どんな会話をしたのかがすごい気になる。




