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成長限界を迎えた男の「最強」防衛録  作者: 烈育
まずは「最強」へ
26/43

あなたは誰?(後編)

  <そのまた翌日・ザラ視点>

今日も昼過ぎに誠一が家にきた。それを2階から見る。


「さ、流石にストーカー..でも蜜瑠が行けって...。」


何かブツブツ言って、チャイムを押そうか迷っていた。『何か投げて追い払おう?どうせ、僕にはできない、魔力操作で身体強化してるんだ。それで見下してるんだ。』


...そうだ、どうせできるんだ。息をするように。僕は一度もできたことがないのに。


「っ!!」


思い切り誠一に向かってスマホを投げる。すると、確かに身体強化をした。スマホは誠一に当たるもダメージは与えていない。


『ほら、言ったでしょ?』


確かに、言った通りだった。やっぱり見下してるんだ。


『そうだよ。僕の事を分かってるのは僕だけ。全部、僕の言う通りにしたらいいんだよ。』


そう...だね!僕の事を分かってくれるのは僕だけなんだ!


------------------------------------------------------------

  <さらに翌日>

「“早く昼食を出しなさいよ!”」


今日は更に機嫌の悪い母が昼に帰ってきたので、急いで昼食を作る。母は手伝わずにソファでスマホを見ている。サンドイッチ用の野菜を切っていた時、


『やっぱり、要らないよね。あの人。』


...それは、育ててきてくれた母に失礼だと思う。


『ねぇ、やっちゃおうよ。僕は今、武器を持ってるんだ。勝てるよ。』


「“ちょっと、遅いんだけど~!まだぁ~~?”」


『僕が今まで苦しんできたのはこの人のせいだ。勝てるよ。僕が今まで嘘をついたことはあった?』


な、なかった。けど.....


『僕の手で幸せになるんだ。苦しい元凶を断つんだ。』


そうだ。僕が苦しかったのは全部この人のせいだ。


『やれるよ。僕なら。見返してやろう。』


包丁を握りしめたまま母の方へ歩く。


「“ちょ、ちょっと!!冗談じゃすまないわよ!”」


逃げようとするも躓く母。そのまま這いずって逃げようとするが、部屋の隅に追い詰める。


「“い、いやっ...そ、そうよ!わ、私だっていやだったの!で、でもりーきゅんが!”」


母の言うことを無視して、包丁を振りかぶった瞬間。


「ザラ!!!」


怒ってる誠一が入ってきた。あ...僕がトイレで見たのは、こういう顔だ。そう思いだした瞬間、一気に僕は冷静になった。


「“っ...!このバケモノ!!親不孝者!!!”」


「...ぇ、ぁ..な、なんで僕....ヒ..ヒュ...」


息ができない。苦しい。どうして僕はあんなことをしようとしたんだろう。ここ数日の僕は誰だったんだろう。僕は今、誰なんだろう。そんな問いや情報が頭を駆け巡る。


「け....い..ラ..!..つけ....!」


誠一が何かを言っているが、聞こえない。助けて....誠一.....苦しいよ......


「っ..俺を見ろ!!!」


僕の顔を持って無理やり目を合わせる誠一。この目だ。どうして忘れてたんだろう。この真剣な目。そうだ、い、言わなきゃ...


「ぼ、ぼ、僕ね。し、信じてもらえないかもだけど、ほ、本当に、い、今までおかしくて、そ、それでね、ち、違う僕が、心に、い、いたんだ。」


もう僕も何を話しているか分からない。そもそも、ありがとうを、ごめんなさいを言わないといけないのに。僕を守る言葉ばかり出てきてしまう。涙が止まらない。違うんだ..こんなことを言うつもりは...


「...大丈夫。言いたいことは全部わかる。」


「ぇ.......」


なんで?なんでそんなことを僕に言ってくれるの?僕は拒絶したんだ。いっぱい酷いことを言ったんだ。


「大丈夫。」


撫でてくれた。


その時、警察が僕の家に入ってきた。僕を逮捕するのだろうか。


「違う。大丈夫。」


大丈夫。この言葉だけで安心する僕がいた。逮捕されたのは母だった。


「“なんで私なのよ!!逮捕されるのはあっちよ!!”」


「“DVの証拠が挙がっているのはあなただ!娘の方は心神喪失となっている。”」


「“どこがよ!ちょっと!離しなさいよ!!”」


連れていかれる母。


「ほら。」


笑う誠一。目が離せない。眩しい。胸の奥がギューッとなる。涙もいつの間にか止まっていた。


(蜜)「ん。私の作戦勝ち。気配を消して証拠を集めることは簡単。」


蜜瑠の声がする。それなのに、誠一から目を離せない。


『どうせ見下してる。』


ううん。違う。そんな目じゃない。


『どうせ同情してる。』


誠一はそんな人じゃない。君は僕なんだ。()()()()()()()。誠一は他の人とは違う。


「ダーリン流石♡」


エイヴァの声がする。やめて...僕から誠一を取らないで.....。無意識に誠一の袖を強く掴んだ。い、言わないと取られちゃう。僕の方を見て笑ってほしい。


「ご、ごめんね。助けてくれてあ、っ...ありがとうダーリン。」


エイヴァにつられた!恥ずかしい...顔が熱い。あ、誠一、驚いてる。可愛い。キュンってする。


(ナ)「...誠一はたらし。」


本当にそうだと思う。...この4人もそうなのかな。


「そうよ。私たちは全員、誠一のそういうところにやられたの。...顔に出てたわよ。」


ハンナがそう言う。..僕も.....


「いいよ♡」


......え?


「ダーリンのことが好きなんでしょ?」

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