宜野座刑務所④
<食堂>
「はぁ.....この刑務所、スキルを使うときの魔力消費量が大きい...」
「なっ!なんでてめぇがここに!」
「女抱きながら来やがって!」
「俺たちが可愛がってやるから大人しくよこせ!」
...今の言葉を聞いて確信したが、やはり何人かの看守や警備員が囚人側についているのだろう。
「な、なんで来たのよ!」
「今はそんなこと言ってる場合じゃないよ!ね♡ダーリン♡」
といいつつ、食堂に着いてからも離れないエイヴァ。
「...ダーリン、ナナがいないから探してくる。ここは任せていい?」
「あぁ、任された。こっちは、視聴者に証人になってもらおうかな。」
エイヴァを見送り、配信を再開する。
:は?
:どういう状況?
:囚人が襲ってきたんですね!ご主人様!
:証人になってほしいんですよね!ご主人様!
:察しが良すぎるやろ
:ご主人様のことなら何でも分かりますよ♡
「...いい?足は引っ張らないでよ!」
そう言って突撃するハンナ。なら俺がすることは一つだ。
「がんばえ~~」
「はぁ!?」
:wwwww
:どっから出したそのポンポン
:ご主人様可愛い♡
ハンナの本気の実力を見たいため応援に徹する。昨日のダンジョンでは分からなかったからだ。
「「「「「「うお~!!」」」」」」
囚人たちが束になって襲ってくる。それを一人一人斬っていくハンナ。
「ちっ、数が多いのよ!<素早さ向上>付与!」
:そういやこの人の魔法は付与魔法か
:珍しすぎる
:ご主人様には敵いませんけどね!
:なんやそれ?
:言っちゃえば、バフをかける魔法
:あーなるほど
:おいなんか卑猥に見えるんだが
------------------------------------------------------------
「はぁっ...はぁっ....このっ!倒れなさいよ!」
14人目を倒したあたりから動きが鈍くなってきた。そろそろ交代かな。少しは魔力も回復したし。
「雷龍(弱)!雷龍(弱)!!」
残りの囚人を2つの威力を弱めた雷龍で一掃する。雷龍3発で俺の最大魔力の75%が消費された。つまり、魔力消費量は通常の3倍ということだろう。
「...は?」
:ご主人様つよ!?
:少なくとも世界9位以上はやばいwww
:はぁ♡素敵ですぅ♡
:<姫川法子>もうグチョグチョよ
:!!?
「ダーリン~♡流石~~♡!」
「グボェッ」
勢い良く飛び込んでくるエイヴァを受け止めきれず倒れる。そんなことは関係ないというように頬ずりとしてくる。
「...ナナは黒確定だね。それも、かなり複雑な黒。私の下着といい勝負♡」
最近、ときどき、素のエイヴァが分からなくなる。落差が激しすぎるし、
スパイとして優秀すぎる。
「ダーリンが命令してくれるなら~♡今の仕事、辞めるよ~♡」
そう言って身体を押し付けてくるエイヴァ。自分の魅力を心底理解しとる。(謎の京都弁)
「えへへ~♡」
:ご主人様の顔赤いwwww
:そこ変われご主人様!
:<あーちゃん>私だってあれくらい...!
:<ゆーちゃん>..帰ったら....ね?
:こっっっっっわ
:【朗報】俺の賭けた500円、倍以上になりそう
「っ!私一人でもここにいる囚人全員くらいっ!!!」
そう言って部屋に戻っていくハンナ。ここまで嫌われている理由が分か..
「ダーリン~~♡ちゅき~♡!」
った。これは俺にはどうしようもできない。..諦めよう。
「...ハンナは親友の子がロマンス詐欺に遭って、姉が性暴力を受けそうになって。後は、ハンナ自身がマイケルホイルの悪評を知らないから、男性であるダーリンのことが嫌いみたいだね~。」
エイヴァは関係がなかったということらしい。申し訳な
「あ、後は目の前でイチャイチャされてるからだね。」
..........反省をしてほしい。
「ダーリンが魅力的なのが悪い!私は悪くないもん!」
:そこは認めましょう
:脳と心が溶けるんですよね
:助けてくださったときの『もう大丈夫ですよ!』はもう..
:絶望から救い出された先は沼でした
:くっそ羨ましい..ハーレムかよ.....
:もうこれ町作れるだろ
「あ、そうそうダーリン、色々探ってることがバレたみたい。今夜中に何かあるかも。」
..話してる内容もテンションも差が大きすぎるんだよ!!!風邪ひくわ!!
「え!そうなったら看病したい!」
------------------------------------------------------------
<同日21:00>
「ダーリン♡今日はダンジョン行かないの~♡?」
「昨日行ったから、今日は大人しく寝ようかなぁと」
チラッとナナの方を見ると
「.........」
覚悟を決めた顔をしていた。間違いなく今夜中に何かがある。
「寝込みを襲ったら殺すわよ!!!」
そう言うハンナだが、寝込みを襲われるのは俺たちの方だと思う。なんてことは言えない。
「...じゃあ、電気を消す。」
暗くなる部屋。襲ってくるとは分かっているが、いつかまでは分かっていないため警戒をしておく必要がある。.....早めに襲ってほしい。横から
「ねぇ~♡ダーリン~♡昼の続き、しなぁい♡?匂い嗅いでたら我慢できなくなっちゃった~♡」
と囁いてくる。俺を嫌っているハンナによって、幸い部屋は広く、俺とエイヴァの布団だけ部屋の端に移動させられたのでこれは二人には聞こえていないだろう。
.....昼の続きならこれで満足してほしい。
「ん♡」
息ができるか否かという強さでエイヴァを抱きしめる。理性は持つだろう。この程度ならパーティハウスでもごくまれにある。その度にこれで黙らせている。(物理)
------------------------------------------------------------
<夜2:15>
...ずっと抱きしめていると、ある時からエイヴァが抱きしめてきて動かなくなった。勝ったな。(?)
「んん~...トイレ....」
ハンナが立ち上がりトイレへと向かう。ここはトイレまで遠い。不便だなと思ってはいたが、襲撃を考えると納得がいく。
エイヴァに襲撃が来そうだと伝えようとすると、
「ふぇ♡?なぁに~♡」
トロンとした表情を見せてくるエイヴァ。...やりすぎたらしい。事情を伝えると、
「...なら、私のスキルを使うね♡ダーリンは襲われても寝てていいよ♡終わったら続きをさせてね♡」
と言って寝たふりをし始めた。さらに少しすると誰かが歩いて向かってくる音が聞こえる。
「...ごめんなさい。」
ナナの声が聞こえ、刃物らしきものが風を切る音がした瞬間
「変わり身。」
一瞬で机の上にあったみかんと俺、エイヴァの場所が入れ替わる。
「嘘っ!?」
パニックになると、ナナの例の癖が無くなることも本当らしい。...このスキルと言い、エイヴァが優秀すぎる。
「このスキルで場所を交換できるものには距離制限があるし、次また使うまで1時間のインターバルがいるけどね。どう♡?ダーリンの嫁としてもぴったりだと思うよ♡...さて、お縄につきなさい!」
ナナを指さしてドヤ顔をするエイヴァ。
「...保険はかけてある。」
そのとき、ナナのつけていたイヤリングが光る。




