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このパーティには呪われた者が一人いる  作者: おおま えいき
第三章 怨獣のティサリー
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その5 死骸の戦果

 ――擬獣の足を掴んで引きずり、廃村から少し離れた所にある崖に捨てに行く。半分ほど進み、木が生えていない岩場に出る。転ばぬよう、足元に気を配り進んでいると頭の角にピリッと痺れるような感覚が走った……。


 背後に何かの気配を感じ咄嗟に振り返るが、見慣れた岩場の風景が広がるだけで変わった様子はない。いつもとは違う空気に戸惑いながらも、早く用事を済ませようと足早に崖へと向かう――。


 遥か下方の崖底には百数十年にわたり倒してきた擬獣の骨が大量に散乱し、積み重なっていた。


 ティサリーは一呼吸置き、額から頬につたう汗を腕で拭うと死骸を崖底へ投げ捨てた。その瞬間、また頭の角にさっきよりも強い痺れが走る。


 瞬時に振り向き、その光景に驚愕する……。


 すぐ真後ろの何もなかった空間に、巨大な四つ腕の擬獣が現れ自分の頭の遥か上から見下しながら笑みを浮かべていた。その笑みを見て、これまでの擬獣とは桁外れに知能が高いこと理解し、さっき捨てた擬獣さえ、自分をここに連れ出すために利用したのかもしれないと考えていた。


 ここには投げる石もなく、後ろは崖で逃げ道もない。動きを警戒しながら走って逃げようとするが、擬獣は四本ある腕の内、二本を使ってティサリーの左右を手のひらで囲み、残り二本の手のひらを合わせ、真上から振り下ろした。


 左右の逃げ道を塞がれたティサリーは、大きく開く股の隙間から逃げようと擬獣に向かって走ろうとするが、擬獣の攻撃はあまりにも速く、地面に叩きつけられてしまう。


 激痛に顔を歪め、涙を流し、うめき声を漏らすティサリーを擬獣は見おろしながら下卑た笑みをこぼす。そして目の前のご馳走によだれを垂らし、食らおうと腕を伸ばす。


 ティサリーは震えながら立ち上がり、折れた右腕を押さえ、擬獣を睨みつける。


 そして――崖に背を向けたまま、自ら飛び降りた。

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