その18 懐古の遺物
「おっ!? おぉ! 超合金のロボットだ! そうだよ、こんな物もあったなぁ……」
「ん。やはり向こうの世界からな流れて来た物だったか。これは泥牙が見つけて来たんだ。あまりの格好良さに衝撃を受けてな、見様見真似で泥裸を作ったんだ」
「えーっと……デイガ? ……デイラを作ったって何のこと……?」
ダモは後ろを振り返り、杖で泥人形を指す。
「この金属人形にそっくりなのが泥裸な、それで隣が泥牙な、こっちは泥嘴だ」
「ダモがこの泥人形を作ったの? 凄いな……」
「ん。金属人形よりさらに格好良く作れたからな。フフッ」
ダモは長い耳を前に倒して撫でた。
「作ったことも凄いけど、この泥人形達は動いていたよね?俺はてっきり、擬獣だからなのかと思っていたけど、違ったのか……。これまで倒した擬獣の中には、土に姿を変えていた奴もいたし、獣や人間のような姿をした奴もいたから……」
「ん。あの時の千馬の殺意はそういうことか……。俺や泥牙のことを擬獣だと思い込んでいたわけだな」
「いや……まぁ、うん、そうなんだけど……すぐに何か違うって分かってさ。もしかしたら文明を持つ擬獣かもしれない、意思疎通を図らなきゃって考えてる間に逃げられたから、驚かさないように静かに追いかけたんだ」
「……ん。十分驚かされたな。だが、もう千馬に襲われる心配もないからな、泥牙、泥裸、泥嘴、皆戻れ」
ダモの指令を受け、泥人形たちはボロボロと崩れ出し、ただの土の山となる。千馬は驚き、手で土をすくい上げ、指の隙間からこぼれ落ちる土をまじまじと観察した。
「ん。そうだ! まだ見せたいものがあった。というよりは見てもらいたい物だな……。これも泥牙が拾って来たんだが、俺にはこれが何なのか、さっぱり分からん。きっと向こうの世界の物だと思うが……これがどういった物か分かるか?」
そう言ってダモは鞄から黒い板を取り出した。
「あっ!? それ何だっけ……! ス……スマ……? あっ、そうだ! 思い出した! スマホ! スマートフォンだ! 懐かしい~」
「スマートポン? なんだそれは?」
ダモはスマートフォンを千馬に手渡し、どう使う物なのかをじっと見つめる。
「これは遠くにいる人と会話をしたり、色々な情報を見たりすることができる便利な物なんだけど……
当然電源は入らないか……それにこの膨らみ方と錆の酷さを見ると、完全に壊れてる……」
千馬は指先で、トントンとスマートフォンの画面を叩くと、隙間に詰まっていた土や錆がボロボロとこぼれ落ちた。
「……ん。色々な情報は見れないのか……」
「壊れていなかったとしても、ダモの琥珀がこの世界しか見れないように、これも元の世界でしか使えない物なんだ……」
千馬もダモも肩を落とし、同時にため息を吐く。顔を上げ目が合うと、何故だか可笑しくて、二人は声を出して笑う。ひとしきり笑うと、ダモは杖に埋め込まれた琥珀を覗き込む。




