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シャドウダンス3魔弾の射手  作者: 緑青ゆーせー
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危惧

確か、真子さんの敵が、鋭い刃物で敵を切断する能力だったはずだ。

そしてボコボコにされている水使いは、溺死をさせるため、殺された相手は苦痛に歪む。


だから残りの敵は幾何学的な傷か、原因不明か、凄い力か、のいずれかだ。


福は、唸るように考えた。


あのクロコダイルマンと近接戦闘を行っていたのだから、凄い力、で無いとは言い切れない。

だが福の毒を警戒してなのかもしれないが、透明人間はあまり力押しで押してくる感じはしない。


むしろ何か、じっと企んでいる、風な気配を福は感じた。


今も…。


福が感じる気配は、既にいつ襲い掛かってきてもおかしくない印象を漂わせているが、現実には透明人間は動いてこない。


どういう事か…。


福の頭は、目まぐるしい速度で考えを巡らせていた。






ユリは、地中に数百の虫を配置した。


人を襲わないように、等を配慮しなければ容易いことだ。


おおよその敵の位置も判っている。

半径20メートルに配置した虫もそうだが、その前に2匹の虫を烏賊男に貼り付けているのだ。


烏賊男は、相当辛い筈だが、まだ戦う気でいる。

土中に潜んでいるのが、その証拠だった。


ユリの虫は1匹で相手の命を取ることもあるのだが、それは貼り付く部位によった。

心臓や頭の近くなら即死する可能性もあるが、あの2匹は烏賊男の手についた。

心臓からは遠いので、両手が麻痺した程度なのだろう。

だが、両手が使えないで、どう戦うというのだろう?


ユリ自身は敵の姿を見ていないので、いまいちイメージが浮かばないが、真子さんは烏賊なのだ、という。


烏賊は、日本に来てからはよく食べていた。

良治やバタフライに連れられて焼き鳥の店に行く。

そこでイカ焼きが出るのだ。


形も知っている。

お店ではゲソと体と頭を、切り分けて同じお皿に乗せ、マヨネーズを添えて出してくれたからだ。

これに色々なスパイスの混ざった七味をあえて食べる。

とても美味しい。


だが、さすがに、烏賊がどう戦うか、は判らなかった。

あのゲソで戦うのか?

あまり泳ぐイメージはない気がするが…。


ともかくユリは烏賊と戦う羽目に陥っていた。


敵は地中を進んで来る。


たぶん…。


敵はユリが見えているのだろう。

ユリは、虫がついているので敵の位置は判るが、何をしているか、など細かいことまでは判らない。


奴は何をしているのか…?


ふと、嫌な予感がして、ユリは真子を見た。




真子はユリと目が合った。


ユリは、不安を感じたようだ。


確かに…。


二人の敵は倒したが、残り三人は示し合わせたように動きを止めた。


何か…、あるのか?

敵は5人組ではないのか…。


相手はAなのは確定だ。

水使いも烏賊男もいるのだ。


だとすると、人員はもっと多くてもおかしくはない。

資金は潤沢な組織の筈で、しかも一般社会よりもオーバーテクノロジーも持っているらしい。

この穴を作ったのも、たぶんAの筈だった。


ただ。


そう、いつまでも、この穴が持つのか…?


真子が危惧しているのも、一番はそこだ。


だがAがこれをつくったのなら、強度も計算されているのかもしれない。

見た目より、ずっと頑強、という事もあるのかもしれなかった。


しかしAは、既に死体は集めたはずだ。

なお、仮に穴の強度は持っているにしろ、今度は影繰りを殺しまくっている理由は何だろう?


影繰りの死体も集めているのか?


と、考え、真子は、違う、と思った。


死体はボロボロで、道と呼べるのなら、道端に捨ててあった。

用があるのは死体では無いと思う。


生きている影繰り、に用があるのだとしたら…。


特定の力を持った影繰りを発見しようとしているのだとしたら…。


誠には賞金首がかけられていたが、こんな穴を掘るのは一日二日で出来る訳もなく、これは別の意図で作られた作戦、なのだと思う。

だとすると、ここまでお金をかけて影繰りを集め、特定の影繰りを選別するのだとしたら余程稀有な能力なのに違いない。

なぜなら、大量の死体が路傍に捨ててあったのだから。

何か目的に会う能力者を探しており、それには襲い掛かるのが手っ取り早い。


もし本当にそれが目的なのだとすると、この1キロにもわたる巨大な穴に、むしろ5人の影繰りだけしかいない、と言うのは効率が悪い。

本当なら2チーム、3チーム投入していてもおかしくは無いはずだ。


合流するはずなのか…!


確かに誠たちは一番道の端まで行き、そこからペペの辺りに戻ろうとしていた。

中央部には、別のチーム、5人か10人かが集まってきてもおかしくはない。


このままだと、物量的に圧倒される恐れがある…!


真子は、絶望的な真実に直面しつつあった。

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