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シャドウダンス3魔弾の射手  作者: 緑青ゆーせー
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合体

はぁぁ! 


小百合も唖然と、小学生たちの変身を驚愕しながら眺めるしかなかった。


変身って!


影繰りとは違う宇宙にいる、としか思えないが。


小学校の高学年ぐらいだろうか、男の子も女の子も同じぐらいの体格だ。

もう少し学年が進めば、先に女の子の方が体が大きくなってくる。

全ては、女体という特殊なメタモルフォーゼのなせる業だが…。

その前の僅かな時間に、子供たちはいるらしい。


その5人の子供たちが、手を上げ、片足を曲げてそれらしい変身ポーズを決めた瞬間、一瞬光って、子供たちは5人同様の、卵型の仮面をつけたバトルスーツ姿に変わっていた。


マスクのデザインは同一だ。

目の部分が筆箱のように目を覆うゴーグルになっている、ただの卵、だった。

ただし、色は違う、らしい。

とはいえ、影は闇の集合体なので、漫画における赤色や青色の表現のように、濃いグレーから薄いグレーでバトルスーツはグラデーションを現していた。


中央、肩につかないぐらいの髪の勇気君が、たぶん赤。

左右に青らしき眼鏡君と、黄色かグリーンと思われる、たぶん黄色の大柄な少年、そして左右の端に、ピンクと白、が可愛らしくポーズをとっていた。


「ど、どうするよ小百合…!」


さすがのユリコも動揺していた。


このまま子供が怪我をするようなことがあってはいけないし、遊びじゃない、などと教えても、一応彼らも影繰りには違いは無い…。


だがユリコたちに執着した男は、大人げなくも、


「面白れー坊主たちだ…」


言うと、男自身、変形を始めていた。


肩がメキリ、と盛り上げり、背広から、ベロンと太い尾っぽが落ちてきた。


頭が、肉と共に山脈のように盛り上がって、手には鉤爪が生えてくる。


どうも、リザードマンか、或いはもっと単純に、怪獣の姿に、男は変形したらしかった。


「悪の影繰りめ!」


一応、影の知識はあるらしく、レッドが叫んだ。


「レッドビームをお見舞いしてやる!」


素手で殴りにかかったらどうしよう、と思ったが、レッドは腰のホルスターから三角定規のような銃を抜き、真ん中に空いた穴を引き金に見立ててカチリ、と発射した。


するとおそらく放電が起こり、トカゲ親父の頭が焼け焦げた。


「クソ餓鬼め!」


トカゲ親父が殴りかかると、子供たちはスーツの性能か機敏にかわし、ブルーの眼鏡君が、する、と背中から棒状のものを取り出した。

教師の使う、大型のコンパスだ。


「あー、あれ、遊びたいよねぇ…」


ハマユはクスリと笑った。


ブルーは、コンパスで大きな円を素早く描いた。


「デンジャーサークル!」


地面に描いた円が、フワリと浮かび、トカゲ親父に向かっていく。


「こんな物!」


と殴りつけようとしたトカゲ親父だが、拳と円が接触すると、激しい爆発が起こった。


ぐわぁ!


トカゲ親父の腕から、ボタボタと濁った血液が滴っていく。


「あの子たち、凄いんじゃないか!」


ユリコも瞠目して、小学生たちを見た。


「ミラクルアンブレラ!」


とピンクの女の子が、可愛らしい所作で傘を開く。


するとバリアなのか、トカゲ男が、突き飛ばされたようによろめいた。


白の少女は、どこからかフラフープを取り出して、クルクルと指先で大きなフラフープを華麗に回し、ヒュン、とトカゲ親父に投げつけた。


コンパスのデンジャーサークルで懲りていたトカゲ親父は、横に飛んで避けた。


が、フラフープの方から親父に飛びつき、頭からすっぽりと嵌め込んでしまった。


「クソ!

放しやがれ!」


イエローが、ダダ、と走った。


「イエローキューブ!」


イエローは巨大な玉ころがしの球に変身し、ドン、とトカゲ親父にぶつかった。


トカゲ親父は、数メートル飛んで、頭から地面に落ちた。


が、それしきの事でやられるエロ親父ではなかった。


「餓鬼ども、もう手加減はしねぇぞ…」


ふらりと立ち上がると、腕を抑えていたフラフープを、バリンと砕いた。


確かにトカゲ親父は、どう見ても体力強化系の近接戦闘者であり、子供戦隊の他愛のない攻撃力では大したダメージは与えられそうにない。


ブルーのデンジャーサークルはある程度のダメージを与えたように見えたが、その傷も、もう塞がっているらしい。


「やばいな、行くか…」


小百合が囁き、ユリコも頷くが…。


「みんな、マシンを呼ぶんだ!」


レッドが叫ぶ。


と、子供たちは独自のポーズで、


「ゴーマシン!」


と叫んだ。


ポン、と子供たちの目の前に、それぞれの乗り物が現れた。


「…な、なんだ…?」


ユリコが力なく呟いた。


レッドが乗るのは、フォーミュラーカーの子供用玩具のような、2メートルぐらいの車。

ブルーは新幹線らしい3メートル程のプラレールのような電車が二両繋がっている。

イエローはブルドーザーとパワーシャベルを合体させたようなガテン系の5メートル程の作業車で、ピンクは可愛らしいお花の模様のワゴン車、白は救急車のようだ。


それぞれ、パタン、と乗り込むと、フォーミュラーカーが突進してきた。


「ザケンな小僧!」


トカゲ親父が車を掴もうとするが、横から新幹線がぶつかってきて、よろめく親父にブルドーザーが逆から突撃する。


再び吹き飛んだ親父は、怒りのあまり、地面を尻尾ではたいて、ジャンプするように立ち上がった。


「みんな!

合体だ!」


ユリコ、小百合、ハマユは、声にならない叫びを上げていた。


ブルドーザーが空中に浮かび胴体になる!


新幹線が二つに分かれて、左右の手になり、救急車とお花のワゴン車が足になり、フォーミュラーカーがその上に、ドシン、と乗って顔になった。


「正義のロボ!

メガフラッシュ!」


ガシン、と巨大ロボットがポーズを決めた。


それは、マシンの一つ一つがお子様サイズなので、全長およそ四メートルほどの、しかしれっきとした合体ロボットのようだった。


一瞬で自分より大きくなったのを見て、トカゲ親父は鼻白んだ。


「フラッシュビーム!」


巨大ロボの胸から、強力な閃光がほとばしった。


トカゲ親父が、ビームに焼かれた。




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