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シャドウダンス3魔弾の射手  作者: 緑青ゆーせー
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宿泊

「え、本当? やったー!」


カブトが飛び跳ねて喜んだ。


「おいおい、修学旅行じゃないんだからさ」


レディは呆れるが、


「だって兄さん! 僕アメリカにいたから、修学旅行をして無いんだよ!」


まーそう言えばそうだったな、敵な空気が誠、レディ、美鳥、井口、青山に広がる。




報告書を書き上げた誠は、幾つかの報告書に目を通し、吉岡先生の医学の課題をこなした後、さっさと入浴し、湯上りに意を決して宣言した。


「ちょっと、いつまでもゲームしていないで、出て行って欲しいんですけど!」


モニターの前には、カブトと川上、それにいつの間にかレディや井口まで集まってきていた。


「良ーじゃないか、誠だって春休みだろ、遊ぼうよ!」


カブトが毒気の全く抜けきった笑顔で、誠に告げた。


「学校は休みでも、トレーニングメニューはあります。

家に帰れない分、ここで朝のランニングもするので8:00には起きなきゃならないんです。

もう11時なんですよ!」


「だけど、こっちは帰宅許可が出ないんだよ」


と、レディはカーペットに直座りしてコントローラーを持ったまま、肩を竦めた。

誠は、どうなっているのか、と指令室に内線電話をかけようとしたところ、青山と美鳥が誠の部屋に入ってきた。


「しばらく、帰宅禁止だそうだよ」


へ、と驚く誠に美鳥が、


「誠も青山さんも襲われた以上、安全が確保されるまで迂闊に外に出る訳にはいかないのよ。

敵は、箱の蓋を開くだけで我々を拘束できる。

で、あれば影繰りと言っても一人になれないわ。

なので今日のところは、皆、宿舎泊まりよ」


美鳥の宣言に、カブトが大喜びした、という状況だった。


「まー、修学旅行なら良いですけど、外に出られないんじゃ、特に楽しくはありませんよ…」


誠は愚痴るが、カブトは、


「ばかだなぁ、修学旅行なんて、夜が楽しいんだろ。

昼間は寝るもんさ!

ねー、ここって大浴場があったよね!」


あるわよ、と美鳥は呆れ気味に、


「浴場にサウナ、お望みならマッサージ機もあるわ。

でも大人も使うんだから、弾けて散らかしちゃ駄目よ」


と、しっかり釘を刺した。


カブトの、行きたいオーラに逆らえず、誠たちは宿舎と同じ階にある大浴場に向かった。

毎日トレーニングをしているとはいえ、誠はシャワーで済ませているので、大浴場に行った事は無い。

訓練場とは距離があるし、イメージとしてはゴッツイおっさんたちが幅を利かせている、というようなイメージもあった。


「僕は、もうすっかり体を洗っているんだけど」


誠は、微かな抵抗をしめした。

カブトは、すっかり誠に懐いてしまったのか、


「馬鹿だなぁ誠!」


と誠の首に肩を回して、


「大浴場は体を洗いに行くんじゃないんだよ!

皆で風呂に入ることに意義があるんじゃないか!」


なんだ、その意義は…、と誠は思ったが、結構みんな楽しそうにしていた。

青山と井口は筋肉談議に花が咲いているようで、レディは2人を、


「筋肉ダルマで気持ち悪いぜ」


と非難する。

女の娘であるレディは、薄い胸板、細い脚、1部を除いて少女と言っても過言ではない仕上がりだ。


カブトは、そこそこ井口たちとも柔道の練習などもしているのだが、見るとレディほどではないが、あまり筋肉らしいものが目立たなかった。


「ほら、誠だってお前らとは違うじゃないか」


「話に混ぜないでください!」


レディの言葉に、誠は怒鳴る。


「いやー、でも、あの力からすると不思議なほど、筋肉が無いですね…」


川上は、それなりに鍛え上げられた肉体ではある。

井口たちとは2学年離れているので、だいぶ見劣りはするものの、手足にはしっかりとした筋骨が走っている。


誠も、実際はせめて川上ほどの筋力が欲しかったのだが、そういう遺伝子ではないのか、カブトに比べても物足りない骨格を呈していた。


「騒いでないで、早く、入りましょうよ!」


スライドドアを開いて湯舟を見ると、かなり広い浴槽が、石組みで湯気の奥まで続いている。


「なんか、無駄に広い浴場ですね…」


湯舟の奥は、湯気で見えない。


一番! と叫んでカブトが湯舟に飛び込んだ。


テンション上がったら騒いで暴れるタイプなんだな…、と思いながら誠はシャワーを浴びた。


集団でワイワイやっている連中から離れて、奥目の風呂に入るが、集団の方が誠に寄って来てしまった。


「ほらー、みろよ、この尻だよ!」


水中でレディが誠の尻に手を伸ばし、


「この弾力が素晴らしい!」


と弟そっくりのポーズで誠の首に肩を回して、


「お前、女装したいなら相談に乗るぜ!」


「したくありません!」


喚く誠だが、興奮した男たちは誠の尻に手を伸ばす。


これは全く誠の望む方向では無かったので、誠は会話の方向を変えることを画策した。


「そう言えば皆さん、ちょっと不思議だと思いませんか…」


何が? とカブト。


「なぜマッドドクターをいつまでも基地に置いておくんでしょう?

しかるべき病院か、もしくは留置場に送るべきなんじゃないでしょうか?」


「そんなことをしたら、それこそ今日のように襲撃を受けるだろ?」


井口が言うが、


「ここの場所が割れてるからですよ!

どこかの山中とか、軍事基地とか、もっといい保管場所はあるハズなんです」


誠の熱量に感化されたのか、青山も、


「確かに毎回基地が襲われたんじゃあ、こっちも身が持たないよね」


と寝てただけなのに言い始めた。


「あらぁ、面白い事、話してるのね」


突然の女性の声に驚いて、振り返ると、吉岡先生と、背後に美鳥までが、水着を着て湯舟に使っていた。



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