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シャドウダンス3魔弾の射手  作者: 緑青ゆーせー
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判明

「好きなんですよ、あの映画。

ガラス一枚隔てた先にはゾンビが死肉を喰らっている、地獄の光景が広がっている。

手前には、清潔で高級品に溢れた一流デパートに恋を語らう男女がいる。

間にあるのは、たった一枚のガラス。

最初から割れることは予見されている。

だから、どんな会話をしていてもハラハラする」


誠は熱く語り出すが、井口は呆れて、


「外のゾンビたちが狙っているのはお前の首だけどな…」


誠は、ん、と考えて、


「それでは、青山さんを誘拐した人たちが狙っているのは何なんでしょう?」


「お前の引き渡しだったりしてな」


レディが笑うが、周りは深刻な顔つきになった。


「永田さん、AI顔認証で例の女が昨日の品川駅にいたことが確認されました」


品川駅の膨大な監視カメラ映像と赤い服の女をAIに精査させた結果、駅爆破の直前にホームにいるのが確認され、また事件直後に駅から黒い車で去っていく様子も確認された。


「つまり彼女の箱は、出し入れ可能、って立証された訳だ」


アクトレスが唸った。


「ここんとこ何年か、侵入経路の判明しない軍事テロが何件か発生してる。

イスラマバード国際空港の爆破テロや、中国は認めていないが上海の軍事施設壊滅など、まるで魔法でも使ったかのような大規模な破壊工作だ。

この女、あんたの首一つを狙うような小物じゃないよ」


「中東のパーティ…」


カブトの言葉に、ぞ、とアクトレスはおぞけた。


「車のナンバーが判明しました」


オペレーターがメイン画面に拡大したナンバープレートを映し出した。


「ナンバーは確認できるが、地名は無理か…」


永田が頭を掻いた。

拡大し過ぎた画面はドット目が粗くなり、漢字を認識できなかった。


「しかし車種とナンバーだけでもある程度は追えるはずだ。

警察に協力を要請しろ!」


アクトレスが叫ぶ。


あの、と誠が発言した。


「電気的に水を装った信号を発生させる、と言いましたよね?」


「それがどうした?」


アクトレスの質問に、


「本物の水は動かないと思うんです。

つまり、一定時間、どこに水の信号があるのかを定点観測をして、移動している水があったら、それこそが青山さんなのではないでしょうか」


「すぐやってみるぜ!」


レディは、指令室に出した23区の地図にペンダントを垂らした。


「誘拐時刻が16:34分だからね。

果たして、まだ動いているのか?」


結果的に四時間近くたってしまっていた。

だがオペレーターたちは必死の捜索を続けている。


東京近郊のオービスの観測状況や防犯カメラ映像、これらはAIシステムが機能するようになって、飛躍的に短期間で精密な情報を収集できるようになっていた。


「黒い車ってタクシーが多いよね」


カブトの言葉に、オペレーターの一人、浅香が、


「そうね。

でもタクシーは実は車種が決まっているから、AIで排除できるわ。

犯人の車はダッチチャージャーだから、追跡はしやすいわ…」


浅香は三面のモニターに無数の防犯カメラ映像を浮かべていたが、画面は少しづつ大きくなる。

絞り込まれているのだ。


「よし5分経ったから、もう一度ダウンジングをやってみるぞ!」


レディは二度目のダウンジングに取り掛かった。


「たけどアメ車なんて、犯人はどういうつもりかしら。

日本じゃめったに走ってないでしょう?」


美鳥に井口が、


「ポルシェより珍しいかもな」


同意する。


「三田だ!

川沿いのビルで反応が確かに動いている!」


レディの言葉に僅かに遅れて、浅香も、


「犯人の車は三田のマンションに入りました」


永田は唸る。


「三田か。

大使館が多くて、やりずらい場所だな」


言うが、美鳥と井口は、


「まぁ、ここからはこっちの仕事だ。

調べて来るよ」


と出て行った。


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