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シャドウダンス3魔弾の射手  作者: 緑青ゆーせー
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17誘拐

「青山一郎の映像を確認しろ!」


永田の号令が飛んだ。


青山が買い物に出てから、すでに3時間が過ぎていた。

普通、私物の買い物も殆ど管理されていない内調本部では、その管理体制に不備があった。


通常は内調内に購買があり、24時間稼働している食堂もあるため、警備部でも青山一郎に注意を払っていなかった。何処に出るとも、確認しなかったのだ。


ただし15時03分に基地を出たことは出入り口の自動記録に残されていた。


マッドドクターの襲撃以来、内調は浜松町周辺に無数の監視カメラを増設していた。

職員総出で監視カメラを確認することになった。


誠たちも指令室に集まり、防犯カメラ映像を凝視した。


青山が駅前のマツモトキヨシに行くまでの行動に、何の不信も無かった。

さすがに店内にまで監視カメラは設置できないので青山の動きは店に入って消えるのだが、何度カメラを見直しても出てくる様子は見えなかった。


「服を着替えたんじゃないかな?」


カブトは言うが、


「マツキヨ店内でですか?

かなり恥ずかしいですよ」


と誠が突っ込む。


「だいたい青山って、服装がワンパターンなんだよ!

いつもブルージーンズにユニクロの上着だ!」


井口が青山のファッションセンスを攻撃しだした。


「待て待て!」


レディが言い出した。


「膨大な監視カメラを当たるより、俺がダウンジングすればいいんだろ!」


レディは男装姿の時もしているラピスラズリのネックレスを取り、地図の上を這うように動かした。


「おかしいな?

反応が無い」


誠には石の動きに何も読み取れないが、レディは手応えの無さを感じていた。


「存在を感じられないぞ…?」


「え、死んでるって事?」


カブトは大げさに驚いた。


「どうかな…。

死んでたら、それも感じるもんだが、存在そのものを感じないんだ…」


誠は、しばらく前に、そんな事があったように感じ、右の前髪をいじった。


「あ、」


と誠は、前髪を折り曲げて、


「確か海外にカブトが行っていたときも、そうだったんじゃありませんでしたか?」


「そういえば、追えなかったな」


「何か機械的な妨害装置でも作っているのか?」


永田は首を傾げるが、カブトはああ、と言って。


「確か、僕が聞いたのは、ダウンジングは本来、地下鉱脈や地下水を探るための技能だから、ある種の電気信号で水を偽装すれば、ダウンジングを回避するのは難しくない、って話だったよ」


「駄目か…」


レディは椅子にドスンと座り、永田も、


「それでたぶん、昨夜の犯人も追えなかったんだな」


誠は、えっ、と驚いた。


「レディさん、昨日はずっと一緒でしたよね?」


レディはニィと笑い、


「ダウンジング自体は、こんなに大げさにしなくても、首に吊るしたペンダントヘッドに意識を集中するだけで可能なんだよ。

これでも、結構働いてるんだぜ」


昨日も密かに爆破犯の追尾を決行していたようだ。


「でも、それならなぜ画像が残っていないのよ…」


美鳥が唸る。

確かに謎の電気信号で、姿まで消せるわけは無かった。


「おい誠…」


颯太が呟き、誠は、


「えっと、もう一度画像を巻き戻してください」


一番大きな画面に、マツキヨの斜め上からの画像が再生される。


「ほら、ここです!」


画面に、一瞬、黒い影が差していた。


「ちょっとスローで見せてごらん!」


アクトレスが怒鳴る。


その部分をスローで再生すると、あ、と指令室に声が上がった。


黒い男が、画面に向かって、ウインクをしていた。

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