表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シャドウダンス3魔弾の射手  作者: 緑青ゆーせー
PR
132/220

130高速

ユリコの振り抜いた鉄パイプは、今度こそ小柄な少年の頭頂部を直撃した。


が…。


少年の頭頂部にパイプが触れる瞬間、少年は一瞬で動いたのか、鉄パイプを両手で掴んでいた。


30センチ、動いた?


誠は、唖然と思った。

確かに頭を直撃するはずだった鉄パイプの真下で、少年は一瞬に加速して30センチ程、横に動いて攻撃を交わしたのだ。


ただの高速移動とは別な力なのか?


誠は考えた。


影の力は、当人の潜在意識や願望も交じって様々な形を取っていく。

同じ火の影でも、レディとカブトでは、全く違う現れ方をする。


この小柄な少年も、ただ早く動ける、という力とは別の、なにか特殊なものを持っているようだ。


おそらく誠の透過も、同じように避けたものと類推できる。


想像だが、完全に攻撃を食らう、となった瞬間に、この力は発動し、身体を数十センチ動かすのではないだろうか?


しかし、そんな動きが出来るのでは、直接攻撃であれ、誠の透過のような遠距離攻撃であれ、この小柄な少年にダメージを与えることは出来ない…。


「おめぇ、変な動きすんな?」


ユリコが、鉄パイプの上に軽々と直立した少年に聞いた。


「そうさ。

俺は瞬間移動ができる。

だから、俺にはどんな攻撃も当たらないのさ!」


ニタリ、と少年はユリコの鉄パイプの上で、腕を組んで勝ち誇った。


「そーかよ!」


ユリコは、切れ気味に薄笑いをし、


「それじゃあ!

その瞬間移動とやらが出来なくなるまで、切り刻んでくれるぜ!」


と、鉄パイプを振り回した。


が、ユリコのスピードでは余裕で交わせるものらしく、少年は背後に連続バク転を決めながら、逃げていく。


誠も、透過を随時、混ぜることにした。

もう少し、よく観察すれば、何かヒントが見つかるかもしれない。


バク転で空中にいる隙をついて、透過をかける。


絶対に落ちる状況だったが…。


少年は、不意にジャンプをした。


おかしい!


誠は思った。


足元に地面は無かったのだ。

視覚的には変わらぬ地面が見えているが、その部分は確かに誠の透過の穴になっていた。


が、少年は、その穴に落ちることなく、その場で、あるハズの無い地面に踏み込み、大きく跳んだのだ。


足場を作る能力なのか?


考えるが、それではユリコの鉄パイプを交わした動きが説明できなかった。


足場を作るのではなく、踏み込むことなく、磁石の反発のような力で動いたのだろうか?


磁力!


確か、身体の大きな中学生も、自分は電気には耐性がある、というようなことを言っていた!

磁力の反発の力により、小柄な中学生は攻撃を交わしているのだろうか…?


そうだとすれば…。


同じS極の磁力なら反発するが、逆のN極の磁力なら引き合ってしまうはずだ。

つまり…。


彼らの高速運動は磁力の力であり、引き合って速度を速め、また一瞬で電極を入れ替えることで反発、瞬間加速する。


ただし、髪の長い少女と大柄な男には、そこまで繊細な磁力のコントロールは出来ない模様だ。


その点から見て、たぶん3人の高速移動は、この小柄な少年が2人に付加している能力なのではないか、と誠は感じた。


髪の長い少女は銃、大柄な少年はパワーが本来の能力の気がする。


おそらく、この小柄な少年を倒すことが小学生チームを援護する近道だと、誠は直感した。


だが…。


磁力を自在に扱う敵と、どう戦ったらいいのだろうか?


今、ユリコは持ち前の超人的なパワーと運動能力で小柄な少年が跳んだ先に追いつこうとしてた。

それは、明治神宮の鳥居の中だ。


誠もユリコを追って、影の手で鳥居を掴み、飛んだ。


もはや明治神宮の境内で、ユリコは少年を追い回していた。

だが、少年は楽しげに、何かは判らない鼻歌を歌いながら、逃げ回る。


この速度があるのなら、攻撃に回ることもできるんじゃないか?


ふと誠は疑問を持った。


考えると、少年は都会の森、とも言うべき神宮の森の中へどんどん入り込んでいく。


引き付けて、何かをするつもりだ。


おそらく、磁力に関係した能力に違いない。


誠は、急いで2人へ追いつき、少年を落とした。


また反発を使って、少年は軽々と木々の中へ飛び込んだ。


「ユリコさん、奴は何かするつもりです!」


誠は言うが、


「だーかーら、仕掛けた時が、一番のチャンスじゃねーか!」


ユリコも理解はしていたようだ。

だが…。


「奴は磁力を操っている!

皆から離れて、奴の罠にはまると厄介です!」


「磁力?」


ユリコは考え、


「なーる程ねー。

どおりで、鉄パイプが重くなったり軽くなったりするわけだ」


笑った。


そうか…。


磁力なので、引き合う力にすれば、ユリコのパイプは軽くなり、反発する力にすれば、その分パイプは軽くなるようだ。


二人は、明治神宮内の結婚式場の傍まで移動してきていた。


「ハハ!

バーカめ!

ここで小田切誠の首は頂くぜ!」


お守り売り場の上で、少年は叫んだ。


と、同時に、誠とユリコは、ズン、と、石敷きの地面に、引きずられて、倒れてしまった。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ