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シャドウダンス3魔弾の射手  作者: 緑青ゆーせー
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130/220

128三人

鳥のデザインのSNSが、


「小田切誠は千駄ヶ谷駅を通過した」


と呟いた。





「こいつ、おそらく影能力でしょうけど、たちが悪いわね!」


美鳥が、即座に見つけ、怒りを爆発させる。


「この人には、僕らの動きがどう見えているんでしょうか?

尾行しているとは、今までの状況からすると考えにくいですよね?」


誠は、まだ福に背負われたまま、考える。


「尾行、って事もあるかもだぜ。

俺ら調距離射撃の影持ちなら、1キロぐらい先の事も判る」


良治は言うが、バタフライが、


「いや、地下の穴の中とか、普通じゃ見通せないはずだ。

たぶんもっと、感知に優れた影繰りだぜ。

それこそグーグルマップ並みに見えてるんじゃないかな」


地図的に状況が把握できる影繰りか…。


影能力は本人の願望や発想が多く反映されるものなので、当然そういう能力があってもおかしくはない。

電子的地図など昭和には完成していた技術だからだ。

元は軍用に開発されたが、PCに転用され、ガラケーやドライブレコーダーとして一般に普及した。


とうぜん、そういった力を持つ影繰りがいても、なんら不思議ではないし、無いのがおかしい、とさえ言える。


「つー、ことは、そいつは今でも、俺たちを見てるって事かよ!」


見られているだけで腹が立つらしく、ユリコは鉄パイプで地面を殴った。


「目的が不明なんです。

Aであれば、こんな風に一般人でも見れるように呟くわけもないし…」


誠は首を傾げるが、レディは、いや…、と呟き。


「普通、これだけ拡散してたら、それ誰? とか、まるで判って無い奴のツイードも乗ると思わないか?」


「そういやそうだな?」


アイチは同意して、


「つまり、もしかしたら、この呟き自体が一つの影で、影繰りにしか見えてねーって事かよ」


確かに有り得た。


誠たちは明治神宮を抜けて、新宿を避けて山手通り沿いから初台に向かうプランを立てていたが。


「しまった。

明治神宮は閉められていたか!」


明治神宮は、神宮球場や会館なども備えた一つの巨大施設であり、時間外には門が閉められる。

今はまだ通れる時間のはずだったが、テロの影響もあるのだろう、門が閉ざされてしまっていた。


渡辺龍は、その可能性を考えつかなかった己を責めたが、


「ケケケ。

あの呟き、本当なんだな」


声に振り向くと、消防署の屋上の突端に、しゃがみこんだ、小柄な少年が、誠たちを発見していた。


影繰りに間違いない。


なぜなら、彼ら3人は、既に影をまとい、自分たちの周りだけ、薄暗がりによどんでいた。


「子供の影か。

敵組織じゃないな…」


渡辺龍は呟き、


「君達、賞金の話を鵜吞みにするな。

日本に敵対するものが、意図的にそういう話を流しているんだ!」


中学生ぐらいらしい3人組に、渡辺龍は教えた。


「それは違うぞ!」


今度は通りを挟んだ反対側、総武線の高架橋から少年が叫ぶ。


「我々ヤギョウは、正確に5000万円の賞金を既に預かっている。

そこの小田切誠の首を持ってくれば、むろん払ってやるよ!」


赤いスニーカーを履いた、学生服に紺のコートを羽織った少年だ。

こうして、日中の光で見ると、その髪はナチュラルな茶髪のようだ。


「あ、あの節足の…。

君がヤギョウだったのか?」


誠が驚くと、ふっ、と少年は笑い、


「普通は名乗り出るような真似はしないのだがな。

この状況では、正当なマネーゲームが行われない恐れがある。

だから我々は、監視に乗り出すことにした。

僕らが絡んだ以上は、マネーゲームは適切に行われなければヤギョウの名にかかわる!

必ず、賞金は支払われる。

そこに齟齬は無い!」


「あなたが、もしかして呟いてたの?」


美鳥が静かに聞くが、


「我々は古来より存在する組織だ。

下世話な電磁的教唆など行わない」


「一つ聞かせてくれ」


とレディ。


「あんたは主催者側だから、マネーゲームには関わらないんだな」


「むろんだ。

僕らは、円滑な運営を見守るために、ここにいるのだ」


あの時、誠は攻撃を受けたが、それは彼が誠を少女と思っていたからのようだ。

事実、誠は全く知らなかったが、当時、本当に誠は、小野真子の肉体になっていた。

このヤギョウの少年は、少なくとも見ただけで相手の性別は知覚できるようだ。


「へへへ。

じゃあ、そう言うことだから、遠慮なくやらせてもらうぜ!」


中学生の、3人組で、男子が二人と、女子が一人のグループのようだ。

皆お揃いの、眼の部分に穴をあけたアイマスクを着けていた。

服装は、動きやすいスポーツウエェアのようだ。


真ん中の小柄な男子が攻撃宣言をした。


と同時に、左右の、長髪の少女と、中学生にしては体の出来上がった男子が、左右に分かれて、走り出した。


「早…!」


レディも驚いた。


二人とも、人間とは思えない速度と俊敏さで、消防署の屋上から飛び降りて、誠たちを挟撃した。


バタフライに防御を取る暇を与えず、男子が走った速度のままに、回し蹴りを放った。


少女は、弾丸を連発した。

誠は透過したが、轟兄弟の大は、額に弾を食らって、どてっ、と倒れた。


「兄ちゃん!」


福が心配するが、命に別条はないらしかった。


「ち、スピード型か、厄介だぜ!」


蹴りを食らったバタフライが、起き上がりながら叫んだ。


「敵は3人だ。

円陣を組め!」


渡辺龍は叫ぶが、ふと前に出た男がいた。


「任してよ!」


五人の小学生は、既に変身を終えており、自信に満ちて頷いた。




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