表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シャドウダンス3魔弾の射手  作者: 緑青ゆーせー
PR
126/220

森の殺し方

ぞろっ、と、ハマユの心に住み着いていた巨大蜘蛛が、現実空間に引きずり出された。


「…みんな、こいつが敵の本体です!」


と、なんとか福の背中で、誠は喋った。


福が、真っ黒い毒霧を吹きつける。

兄の大が、腕をグルグル回しながら頭上に差し上げた。


その拳が、どんどん巨大化していく。


「ギガトンパンチだ!」


大のパンチが、蜘蛛の背中に突き刺さった。


パンチは、地面が揺らぐほどの破壊力だったが。


蜘蛛の薄気味悪い何千もの足が、うねりながら森の四方に広がっていった。


うわっ、とバタフライは、思わず自分の方へ押し寄せる足から、身をかわした。

良治はナイフを撃ち込むが、足は何事も無かったように森に広がる。


ユリは、虫を蜘蛛に撃ち込んだ。


「ヌーヌー!」


渡辺龍は、茶色いモンスターを出し、蜘蛛を空中に浮かばせたが。


「駄目だ。

足の先は射程外へ伸びてしまっている!」


叫ぶが、アイチは、


「なーに、胴体をぶち壊すさ!」


とスケボーで胴体下を突っ走り、蜘蛛の腹部に腕を突き立てた。




無限に伸びた節足は、蛇花火型ドラゴンに囲まれたレディたちの周囲にも走り、節足とドラゴンは一瞬で融合した。


真っ黒なドラゴンの外皮に節足が、カビの胞子のように広がっていく。


節足の節から新たな節足が生まれ、たちまちにドラゴンは全身を蜘蛛の足で鎧われてしまった。


「なんだこいつ!」


恐怖から、レディは節足ドラゴンに分銅を撃ち込んだ。


グシャリ、と節足のドラゴンが潰れた。


と、その中から、無数の小さな蜘蛛が噴き出してきて、レディ兄弟は驚愕の叫びを上げた。




ロボットは果てしないツタとの不毛な戦いを続けていたが。


何回目かの分離を行い、ツタを焼き払おうとしたとき、節足がツタと融合した。

ツタは、瞬時に、ロボットとほぼ同等の大きさを持つ黒いサソリに変形した。


「うわっ、どうしよう!」


パイロット役をやっていた義郎が叫んだが、レイナは。


「ビームで焼けばいいのよ!」


と号令し、ロボットは胸からビームを発射した。




薩摩芋之介を包囲していた、切っても切っても、すぐに増殖する、樹とも草ともつかない奇妙な植物が、不意に黒く変じた。

おそらく節足と融合したのだろうが、その成り行きは芋之介は見ていなかったので知らなかった。


「何だ…?」


呟きながらも芋之介は、黒くなった植物を切った。


と…。


不意に、植物は水に変わり、飛び散った。


どす黒い、生臭い水だ。


水は、芋之介の周囲を取り巻き、どうやら生きているように蠢いていた。





樹上の小百合とユリコの前から、赤毛男の姿が消えた。


「どうした…?」


ユリコは異変を感じるが、蝶が二人に囁いた。


「誠がハマユの心の中に潜んでいた蜘蛛を引き摺り出したのよ。

ただ、蜘蛛が森と融合しようとしているの」


「難儀な…!」


小百合はガムを奥歯で噛み潰すが。


二人の周囲の木々も、不意に黒く変色し、枝葉が触手のようになって2人に襲い掛かった。





合体ロボットのビームで巨大サソリは爆発した。

が、消滅したサソリの奥で、ゆらり、と動き出した巨大な影があった。


樹だ。


巨大な木が、メリメリと音を立てて、ロボットに襲い掛かった。





ハマユは、しばらく悪夢を見ていた気がしていたが、うーん、と唸って起き上がった。


どうやら、目覚めた先も悪夢の続きのようだった。

森全体が黒く染まって、化物のように蠢いていた。


仲間が、みな、苦戦している。


「この蜘蛛、毒が効かないべ!」


福も叫び、兄の大も、


「蹴っても殴っても、まるで砂袋のようーだなぁ!」


と驚いていた。


やれやれ。


みな、森の殺し方を知らないらしい…。


ハマユは柔らかく肩を動かし、体の柔軟を整えてから、


「ココア。

お願い」


パン、とハマユが手を合わせると、青い熊が出現した。


青い熊は、ハマユの意思のままに動く。


大きな青い熊、ココアは、巨大だが柔軟だ。

腰を曲げ、指も何もない両手を、地面に着けた。


「氷点下!」


ハマユの掛け声と共に、地面が凍った。


一瞬で土に霜柱が浮き出し、緑の苔は茶色く変色する。


蠢いていた森は、瞬時に沈黙し、やがて…。


はらり…。


木の葉が、落葉し始めた。


すぐに森の木々が一斉に落葉し始め、唖然としている誠たちの前で、森は、枯れ木の林に変貌していった。


「そ…、そうか…。

ハマユさんは、この影の天敵だったんだ…」


誠は、呟いた。


「やれやれ、だ…」


さすがに嫌な汗をかいた芋之介は、首を鳴らして、地面に座った。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ