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シャドウダンス3魔弾の射手  作者: 緑青ゆーせー
12/220

10宿泊

黒いワゴン車が高円寺に到着した。

ライフルの男を運転手の自衛官に拘束してもらい、誠は再び浜松町に戻った。


何とアクトレス教官は地下駐車場で待っていた。


「全身びしょ濡れじゃないか!」


「敵は湿度と水を操る影繰りだったんです。

だから、これは半分汗なんですよ…」


「とにかく個室を用意したから、風呂に入りな。

風邪ひいちまうじゃないか。

話はその後だ」


誠は今まで気が付かなかったが、基地の地下4階には個室があった。

簡単なホテル程度の設備が整っている。


誠は風呂にお湯を張った。

意外に時間がかかる。


テレビもあったので点けてみた。

が、元々、さほどテレビなど見る習慣も無かった。


と、さっそく颯太が出て来て、


「誠、深夜アニメやってるぜ!」


とチャンネルを奪った。

なにやら転生もののファンタジーのようだ。

颯太は、


「ミユルちゃん、可愛いだろ?」


とデレデレしている。


誠はスマホをいじりながら、


「アニメの絵なんて、みんな同じ顔じゃないか」


「バッカ言うなよ。

絵師様が違うんだよ!

ダンゴムシ先生は神だぞ、神!」


声は大きいが、視線はどうやら画面から離れない様子だ。

誠は濡れた服を脱ごうとしたが、ドアがノックされた。

誠はYシャツとアンダーシャツを脱いで、はい、と扉を開けると、

アクトレス教官がコンビニ袋を持って入ってきた。


「なんで濡れた服を脱がないんだ、お前は!」


怒ると本当に恐ろしいのは知っているので、


「え、でも着替えは何も無くて…」


「クローゼットに浴衣は用意してあるから、それを寝間着に使いな。

それにほら、下着と着替えを買ってきたから、濡れてるものはこっちによこしな」


言いながら誠はベルトを外ずされて、パンツも靴下も脱がされてしまう。


「今夜はもう、寝て良いよ。

明日、今後の事を話そう」


嵐のようにアクトレス教官が去っていった中、颯太は楽しげにアニメ鑑賞を続けていた。


「お前って、本当、抵抗しないよな」


ベッドに横になって、頭を片手で支えてアニメを見ながら颯太は言う。


「する訳ないだろ。

とんでもない猛獣なんだぞ、あの人は」


おっ、と颯太は起き上がり。


「あの人、させてくれるんじゃないのか!」


さすがに誠もブチ切れた。


「あのねぇ、人の体を何だと思ってるんだよ!」


と誠は吐き捨て、そのままユニットバスに向かう。

丁度良く、湯が溜まっていた。


「あ、そうだ。

家に電話しないと。

颯太、スマホ返せよ」


誠が言うが、


「その必要ないじゃん、これはお前の影なんだぜ」


言われてみればそうだった。


颯太がアドレス帳から自宅を選び、通話をすると、影の体を使って誠は母親と話した。

意外な影の利用法に誠は目覚めた。


湯に身を沈めると、さすがに気持ちよかった。

と、颯太が湯船から浮かんできて、


「なぁ、透過ってニキビとかも治るのか?

お前、前は少しはあったよな?」


「治るよ。

影の手で皮膚を探って、炎症を起こしそうな皮膚はすぐに透過する。

吉岡先生に習ったんだ。

言っとくけど、けっこうプリント渡されて医療を勉強するの、大変なんだぞ」


言いながら備え付けのボディソープで顔を洗う。

洗いながら、同時にニキビ処理も済んでしまう。


「なぁ、じゃあ、美容整形とか習ったらどうよ?

二重の方がイケると思もわねぇ?」


「何で僕の容姿をお前が気にする。

高校デビューならともかく、静香ちゃんも同じ高校だし、美鳥さんもいるのに、急に二重になったら変だろ」


「バッカ、お前とだけはシンクロできるって言ってるじゃんか!

お前がアニメのようにモテまくれば、俺ちゃんも童貞卒業なんだぞ!

お前ひとりの問題じゃ無いんだかんな!」


とんでもない小姑が出来たような気分に、誠はなって来た。


「前から思ってたんだけど、お前の服のセンスって、オールユニクロで、しかも無難な単色のものだけを集めてるよなぁ。

金は結構持ってるのに」


「髪型も服装も無難が一番だろ。

隣にレディさんとかいたら、少し気取った格好しても全然モブなことには違いないんだし…」


「あー、来月からはカブトが同級生かぁ」


「そうだよ。

彼も普通に格好良いよな。

しかも実は1歳上だから、身長はそれほどではなくても、身体は出来ているから、余計イケてる」


誠は浴衣でベッドに横になっていた。

颯太は深夜テレビのお笑いコンビに爆笑していた。


「まー、川上とかダサ目なのもいるじゃん」


まぁね、と言いながら誠は寝落ちした。









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