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シャドウダンス3魔弾の射手  作者: 緑青ゆーせー
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決着

しばらくお休みします。


再開は再来週の土曜日と思います!

真子にとっては、生物で視界が遮られるのは、まさに最大の目隠しだった。

透視しようとすれば、気味の悪い、動く解剖図が視界一杯に広がってしまう。

毎日のように透視はしているので、かなり慣れてはいるのだが、可愛い動物の内臓などは予想外にエグい。


真子の視界一杯に群れて飛ぶスズメを、真子はパチパチと弾き飛ばしながら二人の少女に向かっていた。


透過すれば良かったのだが、それでは前が見えない中、ハマユとレイナちゃん、二人の少女も透過してしまうかもしれない。


その時、ドスン、とスズメの群れの背後から少し汚れた白の巨大アヒルが、突然、真子の顔面にぶつかってきた。

アヒルは、真子が予想していたよりも、ずっと重く、硬かった。

真子の感知は、殆ど視力の感知であるため、こういう場合は目隠し状態にならざるを得なかった。


不意に顔面に特大パンチを貰った真子は、大きくよろめいた。


威力は殴られるほどではなかったが、面積が広かったため、鼻にぶつかり、目の前が白くなった。


真子は倒れそうになり、瞬間、影の手を目の前の瓦礫に伸ばした。


「真子!」


美鳥の蝶が真子の髪についていて、美鳥の声を伝えた。


「今、フラワーカーが到着して、小百合さんが教えてくれたわ。

鳥の体温は40度あるんですって!」


「え、40度ですか?」


人間なら高熱で死にかけるような体温だ。


「だから鳥類は空が飛べるのよ。

それで、判ったわ。

敵の本体は、やはり目の前にいたのよ!」


「えっ?」


だが、真子は何度も探したはずだ。


「これは、さすがに擬態でも、ちょっと昆虫もしないレベルの擬態の使い手だったの。

カラス、スズメ、ニワトリ、フクロウ、カモメ、アヒル、猛禽類のトンビ、タカに、自分の体を完璧にバラバラにして擬態していたのよ。

体温で探って、初めて36度の奴らがいるのが判ったわ!」


体をバラバラにして、8種類の鳥にそれぞれ変身させ、そして変身した鳥を操っていたのか!

1万の鳥の中に、8羽の鳥に変身した影繰りがいたのでは、さすがに判らない。


だが、真子の周りは、すぐに鳥だらけになってしまった。


スズメ、カラス、にわとり、アヒル、カモメ…!


これでは、仮に透視したにしろ、とても2人を見つけられない。


「真子。

誘導するわ」


美鳥が影の蝶で、真子を誘導してくれた。


「左、30度、前進して!」


美鳥が誘導してくれるのなら通り過ぎる恐れはない。

真子は透過を使い、用心深く歩き出した。


無数の鳥が、真子の目を遮るように飛び回っていた。

足にも、ニワトリやアヒルが歩き回っている。


「そこで右、90度よ!」


真子が直角に曲がって3メートルほど進むと、影を纏って、小さくすくんだ体の大きな女子と、なる程勇気君たちと同じスーツの少女がいた。


真子は影の手を大きくして二人を包むと、


「美鳥さん!

敵はどこですか?」


「そっちは心配ないみたいよ」


へ? と驚く真子の前で、


「ヌーヌー!」


巨大なベージュ色の、漫画のクマさんのような怪物が現れると、真子の周りの全ての鳥が、空中に浮かんだ。


元々飛んでいた鳥たちは、羽ばたくが、その場でくるくる回るだけになってしまった。


「任せたぜ、アイチ!」


あいよ! と叫ぶと、坊主頭の青年が、瓦礫の上をスケボーで疾走してきた。


到底、スケボーはおろか4WDのジープでも走行可能とは思えなかったが、どうやらスケボーごと影を纏っているらしい。


真子は、唖然と青年を見送った。


青年は、なんとスケボーのまま、瓦礫の山を登っていく。


ほぼ垂直の崖面を30メートル近く登ると…。


そこに奇妙なものが浮かんでいた。


体の一部が繋がった、スズメ、カラス、鳩、ニワトリ、アヒル、フクロウ、カモメ、そして猛禽類だ。


影能力なので骨格とかは全く無視し、それらは細い足や羽根の一部でか細く繋がっていた。


その、鳥が繋がった大蛇のような生き物に、アイチはパーに開いた手を突き立てた!


ゲフッ!


鳥が、どうも人間の、女の声で呻いた。


と、同時に女が纏っていた影が解けて、小柄な女が空中に回転いていた。


黒皮のスカートに網タイツ、赤いジーンズの上着と布ブーツの、たぶん綺麗めの女のようだが、ロングヘアーが空中にメデューサのように広がって、怪物めいた外観になっていた。



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