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シャドウダンス3魔弾の射手  作者: 緑青ゆーせー
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影繰りの姿が発見できない。


敵は、万単位の鳥を自在に操る能力のようで、しかも良治の言葉から、そんなに遠くにはいない筈だ。

だが、どうしても見つからない。

鳥は二人の少女を、文字通り包囲しており、迂闊に鳥を刺激したら少女たちが危ない。


「見つかりません!」


真子も焦っていた。

文字通り、影も形もないのだ…。


「だいたい、生きた鳥を操るって、どういう能力だ?

そんなに簡単に生き物をコントロールできるのか?」


ユリコも、やや怒った口調で早口に言った。


「あたしは人間をコントロールする影繰りに、ついさっきまで操られていたわ。

可能、とだけ言いましょう。

ただ、万単位、って言うのが、人間一人の力で可能な数なのか、そこら辺が疑問だけど」


美鳥がいう。


確かに操る数が桁違いだ。

生き物を完璧にコントロールするとして可能な数か、疑問はある。


「そういう影能力、と割り切るしかないんでしょうけど、もしかすると複雑な動きは出来ないかもしれないですね」


真子も言った。


「でも影繰りが見つからない、となると、やっぱり鳥を倒さないと駄目じゃないの!」


勇気はいきり立つ。


「焦んな」


と、ユリコ。


「最終的には全員でかかればなんとかなる。

でも、それじゃあ怪我人が出たり、鳥だって可哀そうだから考えてんだ」


と勇気の背中を撫でる。


透過をすれば、なるほど救助は可能かもしれなかった。

しかし、万単位の鳥に襲われたらどうなのか、そこまでは予測が出来ない。


そして鳥を相手に大混乱の真子たちを、Aが放っておくとも考えにくかった。


図としては、ただハマユとレイナ、二人の少女を、鳥が取り囲んでいるだけだ。

だが彼女たちは、鳥が苦手で、たとえスズメでも近づく事が出来ない。

だから動けず、真子たちは鳥にそこまでの恐怖は感じないが、数が大群過ぎるので近づくのを躊躇っていた。


「影じゃない、って事はないべか?」


福は言う。


何かの自然現象で、ここにだけ万単位の鳥が集まっている…。


「全くないとは言えないが、まぁ無理があるな」


とクロコダイルマン。

それこそスズメもいれば、それを食らう鳥もいるのだ。

自然現象とは考えにくい。


「福君は何か感じない?」


真子は困って聞いた。


「んー、俺の感知は、敵がこちらに無関心な場合、ぼんやりとしか感じられないな」


「無関心?」


真子が聞くと、


「ほとんど眠っているのか、と思う程、存在が薄いべ。

釣りは、相手が起きていないと意味が無いから、影繰りか、本物の鳥か俺の感知では判らないんだ…」


福は首を振った。


存在が薄い…。

本物の鳥と間違う程…。


鳥なら、大量にいる。

敵は眠っているのか?


「確かに、この瓦礫の裏に鳥たちはいるというのに、こちらに何の関心も向けないわね」


美鳥も違和感を感じたようだ。


真子たちと鳥の距離は、ほぼ50メートル程だった。

もう少し、近いかもしれない。


「都会の鳥だからな。

鳩なんて足元まで怯えもしないで歩いてくるぜ」


良治は言う。


確かに。

もう少し接近できるのかもしれなかったが、一旦、鳥が騒ぎだしては抑えが効かなかった。


「だがよぅ。

敵、っていうか、鳥たちは、その女の子たちを脅かしている訳じゃ無いんだろ?」


クロコダイルマンが語った。


「そうね。

女の子たちが鳥を恐れているだけで、鳥は鳴き声一つ上げてないわね」


美鳥は言うが、真子は、


「かと言って迂闊に接近するのも躊躇われます」


「怪我してからじゃ遅いしな…」


ユリコも言う。


「だが、いつまでもこれじゃあ埒があかないぜ」


良治が唸った。


意を決して近づく以外、方法は無いのだろうか?

だが、万の鳥が騒ぎ始めたら、もはや誰にも止められない…。


真子が語ると、


「なんだ、気づかれずに近づけば良いのか?」


と義郎が

言う。


あ、あれか! と勇気は指を鳴らそうとしたが、失敗した。


それは無かった事にして、


「義郎はどんなボールにも変身できるんだよ。

ビー玉になれば、鳥にも判らないよ」


判らない保証は無かったが、しかし他に案も浮かばない。


それで敵を探ることになった。


義郎は、一瞬で二センチほどのガラスの玉になり、自力でコロコロと瓦礫の道を進み始める。


道と言っても、今、結果的に道と呼ばれているだけで、元々はAが作った空洞の上に瓦礫が落ちて出来ただけのものだ。


そもそも舗装などされていないし、爆破するための穴なので、作業の過程で踏み固められた程度の場所に、何十トンもの遺体を含めたあらゆるものが落ちてきて現在に至っている。


かなり無理な傾斜を登ったりしていたが、


やがて義郎は、三十メートルの距離に近づいた。


鳥は、全く騒がない。


「映像を送るよ」


なんと、義郎は、見たものをそのまま勇気に送れた。

そして勇気が、三角定規の銃で、空中に投影した。


鳥は、静まり返っていた。


ハマユとレイナちゃんは、まさにすくみ上がっている、と傍目にも判った。


二人の周りは、まさに鳥に囲まれていた。

カラス、雀、鶏、フクロウ、カモメ、アヒル、猛禽類らしき鳥も見受けられる。


あれは確かに、真子でも恐ろしかった。


















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